2025/11/12
無可動実銃に見る20世紀の小火器 201 FNハースタル MINIMI
M249の操作
M249はオープンボルトから発射サイクルが始まるロングストロークガスピストンのマシンガンだ。セミオートモードはなく、フルオートモードのみで射撃する。
リンクシステムはM27リンクと呼ばれ、M60のM13リンクをスケールダウンしたものだ。後ろから押し出すプッシュスルー方式のベルトリンクで、これは自動車部品メーカーのBorg Warner Corporation(ボルグワーナー)が開発した。
SS109と互換性があるM855ボール弾4発がセットされた後M856トレーサー弾が入る。1アサルトパックは200発のベルトで構成され、200発の重量は2.7㎏だ。この重さは7.62×51mmを使用した場合の半分でしかない。
M249を装備する兵士は通常600発を携帯する。200発装着されたリンクは通常、フィーディングトレイに入って、M249本体下部に装着される。これによりM249を持って射撃しながら移動することが可能だ。
エジェクションポートはダストカバーがあり、このダストカバーはコッキングハンドルを操作すると自動的に開く。ベルトリンクの弾薬を撃ち尽くしても、一般兵士が装備するM16のマガジン(STANAG4179)を使用して射撃が可能だ。このボックスマガジンの挿入口はフィーディングトレイを装着している間は塞がれている。但し、このボックスマガジンを使用して撃つのは緊急時のみで、通常での使用は奨励されていない。
コッキングハンドルは右側に位置し、射撃中には前後動しないノンレシプロケイトタイプだ。
200発を一気にフルオートで撃ち続ければ、バレルは加熱し、これによって弾道が乱れ、5.56mm弾がキーホール状態で飛ぶようになる。経験を積んだM249の射手は、通常、2本のスペアバレルを携行する場合が多い。バレルの交換は容易だ。ボルトを引いて、レシーバー先端部のバレル分解レバーを押すとバレルは前方に抜ける。慣れれば短時間で交換が可能だ。この時、キャリングハンドルが取っ手の役割をして、過熱されたバレルに直接手は触れない。
もちろんトライポッドに装着して射撃することも可能だ。使用するトライポッドは、M60 GPMGと同じM122であったが、2005年、圧倒的に軽量化されたM192ライトウェイト グラウンドマウントに切り替わった。
セイフティはグリップ上部に配置されたクロスボルトボタンタイプで、左側から右に押しこんだ状態がセイフポジションであり、ボルトを動かすことができなくなる。右側から左に押し込み、セイフティボタン側面に赤いリングが見える状態はセイフティオフで、ボルトが動かせる。
バリエーション
アメリカ軍に採用されたM249にはこれまで様々な改良や改善が施されてきた。スチールチューブのストックは油圧バッファー付きシンセティックとなり、バレル外周のハンドガードの形状も変わった。デュアルガスポートはシングルとなり、キャリングハンドルはフォールディングタイプになっている。プラスチックのフィーディングトレイは、柔らかいソフトパックフィーディングトレイに変更され、当初は無かったピカティニーレールが追加されて、光学照準器の使用も可能となった。
しかし、一部に大幅に仕様変更をおこなったモデルがある。
M249 PARA
パラの名が示す通り、空挺部隊用に開発されたショートバレル、テレスコーピングストックを持つコンパクトモデルだ。通常のM249と比べ、ストックを短縮した時の全長は約25cm短縮となり、取り回しの良さからCQB対応モデルとしての需要もある。ストックを短縮する場合は、90°回転させて押し込む。これにより全長は短縮時775mm、展開時は914mmとなっている。
M249 SPW
SPWはSpecial Purpose Weaponの略で、USSOCOMの要求仕様に基づいて開発された過渡期的モデルだ。
バイポッド、レギュレータ、STANAGマガジン使用機能、車載用ラグ、キャリングハンドル等をキャンセルし、軽量化を推し進めた。PARAと同型のテレスコーピングストックを装備、PARAよりやや長いバレルを装備しているが、軽量化された細いバレルを使用している。このモデルの全長は908mmで、重量は5.7㎏だ。
Mk46 Mod 1
M249 SPWの発展型でUSSOCOMが採用している。基本的な軽量化に向けたアプローチはM249SPWと同様だが、ストックはテレスコピックではなく、標準型と同様のプラスチックストックを装着している。当初、Mod 0ではM249 SPWと同様、キャリングハンドルすら外してしまったが、Mod 1になって再度、キャリングハンドルが装備されている。またバレル長はM249 PARAと同寸になった。


