ミリタリー

2026/02/28

日本警察2026 ~新装備等が登場した注目すべき警察本部を紹介~

 

大阪府警の銃器対策部隊の行進。MP5のラバーガンを携行している。大阪府警には第1~3機動隊の3個隊が編成されており、その中から選抜された機動隊員を銃器対策部隊として指定している


 日本の治安を守る警察―。新年を迎え、いくつかの警察本部において年頭視閲式が執り行われた。これは、警察官の士気を高め、治安維持への決意を新たにする重要な式典だ。今回も新装備等が登場した注目すべき警察本部をご紹介する。

 

 

街頭犯罪防止の “青バイ” に新顔登場!

大阪府警察
開催日時:1月8日 開催場所:大阪城公園太陽の広場

 

大阪関西万博を契機に、大阪府警に大量に配備されたグロック45。国産と言われる謎ホルスターも採用し、制服警察官の見た目も変わった

 

 東京に次ぐ大都市の治安を守る大阪府警。約23,000人の警察官(警察職員含む)を有し、66個の警察署等に配置して、府内の治安維持に努めている。毎年年頭視閲式を実施しており、一般にも広く公開している。
 昨年は、大阪関西万博が開催され、より警備体制が強化された年であった。さらに、治安情勢も悪化傾向にあり、それに合わせ、装備のいくつか一新した。その一つがグロックだ。リボルバー式拳銃が中心の日本警察において、徐々にオートマチック拳銃も増えており、大阪府警では、機動隊から町の制服警察官まで、一気にグロック45の配備を押し進めた形だ。グロック19のスライドとグロック17のグリップを合わせ、握りやすく、装弾数を増やしたグロック45は、世界の警察でも人気があり、大阪府警が配備した理由もそこにあるのだろう。
 また、97年にひったくりやその他、街頭犯罪防止のため地域部に編成された「スカイブルー」隊にホンダNT1100が配備された。この部隊は、車体を青く塗った通称“青バイ”を使用しているのが特徴であり、例外に漏れず、NT1100も青く塗られた。

 

大阪府警のみが配備する青バイ。ホンダCB400Pに加え、新たにホンダNT1100Pが配備された

 

銃器対策部隊が使用する警察版装甲車である特型警備車。車体左右側面等に銃眼がある

 

警備部に配備されている水陸両用車。水難事故、大雨災害などの救助活動等に活躍する

 

 

暴走族対処の切り札 “黒バイ” の迫力

和歌山県警察
開催日時:1月8日
開催場所:和歌山アリーナ第一駐車場

 

和歌山県警が編成する黒バイ部隊“黒豹”。暴走族対処を専門にする。乗車服も黒、ヘルメットも黒と、なかなか厳ついスタイル

 

 和歌山の観光名所の一つであり、人工島まるごとリゾートアイランドとした和歌山マリーナの駐車場において、和歌山県警年頭視閲式が行われた。県警全体の警察官の数は約2200名(警察職員含む)。県内には12個の警察署がある。本部の規模は小さい。
 交通部交通指導課暴走族対策室には、車体を真っ黒く塗って目立たなくした覆面バイクである“黒バイ”を配備する黒豹部隊が編成されている。今回はCB1300及びVFR800をベースとした黒バイが参加した。
 車両行進にはヘリコプターも参加。現在配備しているのは、「きのくに」の1機。これは日本警察ヘリとしては定番のH135(EC135)がベースである。「きのくに」の名は、機体が更新されようとも引き継いでいる。

 

行進する女性警察官。腰には新型ホルスターをぶら下げている。その奥にはまだまだ従来型ホルスターも見られる

 

県警ヘリ「きのくに」(JA03WP)も参加。ベースはエアバス・ヘリコプターズ社のH135

 

 

実施規模も大きくレアものパトカー勢揃い!

愛知県警察
開催日時:1月9日
開催場所:日本ガイシスポーツプラザ駐車場

 

愛知県が約1100万円で購入したFCEVのクラウン・セダン。一回の水素充填で、約800kmの走行が可能

 

 愛知県警は、警察官約14,500名(警察職員含む)を有し、45個の警察署を配置する大規模警察本部だ。毎年年頭視閲式を行っており、一般公開している。日本有数の大都市である名古屋等を警備するため、警備部内には特殊部隊SATが編成されている。同部隊は、愛知県だけにとどまらず、中部エリアすべてに展開できる能力を持つ。さらに銃器対策部隊も充実し、レベルが高いのも特徴。
 ここ最近、愛知県警は白黒パトカーの“特殊”さでも有名だ。まず昨年3月、トヨタ自動車より、クラウンスポーツが寄贈された。プラグインハイブリッド仕様のSUVであり、広報イベントなどに活用していくという。もちろんパトライトやサイレンアンプ装置なども装備されており、街頭パトロールなどにも使用できる。
 そして同じく昨年、県費より、燃料電池自動車FCEVのクラウン・セダンを約1100万円で購入。愛知県が掲げる「カーボンニュートラル社会の実現に向けた水素普及の取り組み」の一環だ。
 こうして最新のパトカーを配備していく一方で、三菱GTOのパトカーもまだまだ現役。さすがに取り締まり活動などは行っておらず、主として広報活動に使われている。

 

警備部銃器対策部隊の行進。愛知県警には特殊部隊SATも編成されており、ともに重要防護施設の警備に当たる

 

走行デモを披露する白バイ隊。写真は新しく配備されたホンダNT1100。愛知県警にも数台が入った

 

愛知県警のみが実現、新時代クラウンの共演。奥がクラウンスポーツ、手前がFCEVのクラウン・セダン

 

90年代は、いくつかの警察本部にも配備されていた三菱GTOのパトカー。現在は愛知県警と新潟県警に残るのみ

 

 

全国初!現行NSXパトカー登場

三重県警察

開催日時:1月22日 開催場所:メッセウイングみえ

 

年頭視閲式に臨む三重県警交通部。先頭は、今日本で最も注目されているNSXのパトカーだ

 

 雪舞うなか行われた三重県警年頭視閲式。式典自体は多目的ホールである「メッセウイングみえ」の中で執り行われたので、雪が進行に及ぼす問題はなかったものの、ホール内の寒さはかなり厳しかった。
 三重県警は、約3500名の警察官(警察職員含む)がおり、県内に18個の警察署を配置している。
 装備の目玉は、高速隊が2025年より配備を開始したホンダNSXだ。購入価格は約2500万円となかなかの値段である。栃木県警も同車種の旧型を配備しているが、現行モデルであるNC1は三重県警だけ。まったくパトカーらしくない車体、そして値段など、かなり注目されたが、配備の経緯もかなりユニーク。なんと滋賀県在住の不動産会社社長が寄贈したというから驚きだ。社長ご自身も鈴鹿サーキットを走るほどカーレース好きであり、それがこの車種を選んだ理由だそう。県民への初お披露目も鈴鹿サーキットで行われ、その際に実際にコースを走り、社長の夢を叶えた。県警としては、実際に交通取り締まりにも使用して行くとの考えであるが、主たる任務となるのは、交通事故防止のための広報啓もう活動になると思われる。

 

刑事部機動捜査隊の捜査用覆面パトカーの行進。車種はトヨタ・カムリ

 

警備部機動隊の行進。通常のプロテクター着用の機動隊員の横に、機能別部隊である銃器対策部隊の隊員が並んで行進

 

展示中のNSXを後から見たところ。POLICEの文字が目立ち、ホンモノなのにドラマに出て来るようなニセモノパトカー感が漂う

 

車両行進中の女性白バイ隊員。県警では約60台の白バイを配備している

 

パトカーとは思えない厳ついシルエット。500馬力越えのパワーが自慢。今年も県内で行われる交通安全イベントなどに参加することになるのであろう

 

箱根駅伝を先導!警視庁最新白バイ配備

ホンダWN7

 

外観は民生型を変わらない。車体を白く塗り、パトライトやリアボックスが取り付けられ、白バイらしさを出している

 

 お正月の風物詩である箱根駅伝こと「東京箱根間往復大学駅伝競走」。今年は青山学院大学が3年連続優勝を勝ち取り大きな話題となった。その影で、警視庁の新白バイがデビューを飾った。それがホンダのEVバイク「WN7」だ。
 東京都は、小池百合子都知事が陣頭指揮を執り、環境先進都市を目指している。目標は2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指す。その実現化に向けた「ゼロエミッション東京」を成し遂げるべく、2035年までに都内にて販売されるバイクを100%非ガソリン化する。これを受け、警視庁は、この度4台のEVバイク「WN7」をホンダから貸与された。
 WN7の定格出力は18kWであり、エンジン車の125~250ccに該当する。車体の中央にバッテリーを配置。変速機はないので、クラッチレバーやシフトペダルはない。しかし、足を置く必要があるため、シフトペダル風のものがある。
 これまでも警視庁はBMWのEVスクーターを試すなど、意欲的に白バイの“電動化” を勧めており、もしかしたらこの「WN7」が都内を走り回る日が来るかもしれない。

 

まるでiPhoneをそのまま載せたかのようなメーター周り。52km走って、電池残量は残り44%と表示されている

 

正面から見る。ライトがかなり小さい

 

 

 

Text & Photos:菊池雅之

 

この記事は月刊アームズマガジン2026年4月号に掲載されたものです。

 

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