2025年11月16日開催 西部劇ごっこ 2025
開催場所:NO.9 リドリーフィールド https://www.no9-co.jp/
写真提供:ハセハセミリタリー@hasehase50、やんじ@yanzyfactory、三つ編み小僧
「西部劇ごっこ、始まるよー!」「西部劇ごっこ、終了—!」イベントの主催者カッタケさんの合図で100名以上の参加者が宙に向けてモデルガンを一斉に連射。この圧巻の風景は「開会式バンバン」、「閉会式バンバン」と言い、このイベントの目玉のひとつだ。これがやりたくてモデルガンを買ったという参加者も少なくない
大人の本気のごっこ遊び
もうすっかり毎年恒例の一大イベントとなった「西部劇ごっこ」。西部劇(アメリカ西部開拓時代)の服装や装備でサバゲをするのが趣旨だが、もはやサバゲというカテゴリーを超越して、その名のとおり“西部劇ごっこ”を大人が本気で楽しむ総合エンタメイベントになっている。2025年にシリーズ完結した人気サバゲマンガ『サバゲっぱなし』では西部劇ごっこを「究極の雰囲気サバゲー」と紹介されたこともあるが(第9巻に収録)この表現もピッタリだ。
雰囲気重視なのでゲームで撃たれた時のヒットコールは「Hit!」ではなく「ウワァっ!」などと叫んで倒れるヤラレ演技だ(もちろん普通の「Hit」でもよい)。ゲームではエアガンに加えてモデルガンも使える。弾が飛ばずキャップ火薬で音が鳴るだけのモデルガンで、どうやって撃ち合うのか。「撃たれた!」と思ったらヒットでよいのだ。つまり大事なのはノリ。ゲームでは進行上2チームに分かれるが、撃たれても無限復活で、フラッグなどの勝利条件もなく、チームの勝敗もなければ、敵味方を識別する赤と黄のマーカーすらない。要は雰囲気を楽しんだ人が勝ち。マナーと安全が守れれば“なんでもアリ”の良い意味で非常に緩いイベントとなっており、前々回に初参加した私の友人は「こんなに緩いサバゲはないです!」と言っていたほどだ。
ウエスタンのテーマパーク!?
会場となるサバゲフィールドのNo.9のリドリーはセットが西部劇調になっており、参加者全員が西部劇っぽい服装で集まっているため、会場はまるでウエスタンのテーマパークのようだ。ゲームには参加せず、この雰囲気を楽しむだけという参加者も少なくない(ゲームは高台のセーフティエリアから観戦できる)。世にいろいろなサバゲイベントがあるが、おそらく参加への敷居の低さはナンバーワンだろう。
だが西部劇ごっこに参加したことのない人が、写真や動画などで参加者の皆さんが服装を上から下までバッチリ決めているのを見ると「私は服がないので参加できない」と思われることが多いようだ。しかしその点も心配ご無用。服装は「それっぽければOK」で、長袖のシャツにジーンズだけでも大丈夫。ガンベルトを持っていなくても銃はズボンに挿せばよいし、ウエスタンブーツなんて履きなれない人がそれでフィールドを走り回るとかえって危ないので、初心者はむしろ履きなれた普通の靴の方がよい。服装は「あの西部劇の○○を完全に再現している」とか「この時代の軍装を完璧に再現」などと自ら言わない限り、誰も指摘する人はいない(言いたい人は「○○風です」と言えば大丈夫)。なぜなら本家の昔の西部劇の映画やテレビの作品自体が史実の服装や装備とかけ離れた、いい加減なものばかりで(特に往年のハリウッド西部劇やマカロニウエスタンは)、元ネタ自体がインチキだから指摘なんてありえないのだ。そして一度参加して味をしめると、皆さん自然と服装や装備は徐々に凝ったものになっていく。ウエスタンファッションについては本連載でまた改めて話題にする予定だが、今回は参加者の皆さんの個性ある服装・装備をなるべく多く写真でご紹介したい。よく見ると、身近な服装でコーディネイトした方も多く、センスよく雰囲気を出されている。
年々盛り上がる西部劇ごっこ
西部劇ごっこを主催するのはカッタケさん。毎年1回のペースでの開催だが、その始まりは何と20年以上前。第1回は2003年11月で参加者は8名だったそうだ。私は2017年から毎回参加、その年の人数は39名だった。そこから参加者は一気に増えて、ここ数年は全国から100名以上の参加で、もう大変な大盛り上がりだ。ご興味ある方はネットで「西部劇ごっこ カッタケ」で検索してみよう。いろいろ情報が出てくるので、それをご参考にぜひ次回ご参加いただきたい。
「西部劇ごっこ」の開催地は千葉県のサバゲフィールド“NO.9”(ナンバーナイン)の“リドリー”フィールドだ。フィールドも西部劇ごっこを気に入ってくれたようで、フィールドのセットが改良され年を追うごとに西部の町っぽくなっている。もはや西部劇ごっこの開催地は、ここしか考えられない。左の写真がゲームエリアで、右がセーフティエリアだ
本記事ではイベントの主役である参加者の皆さんをメインにイベントの様子をご紹介する。まずは名作西部劇『荒野の七人』の有名なスチールショットっぽくポーズを決めるガンマン達。イベント中は写真撮影タイムもあり、雰囲気バッチリの写真をたくさん撮ることもできる
西部劇がテーマのイベントなので、使える銃は基本的に1890年以前の銃だ(一部緩和でウインチェスター1897はOKなどの例外あり)。写真のガトリングガンは何と電動ガン内蔵の完全自作。この手回し式の機関銃はアメリカ南北戦争で実戦投入された
皆さん、ゲームではとにかくカッコ良く撃ちまくる。ゲーム自体は2チームに分かれての無限復活だが、フラッグやチームの勝敗はない。本当に単に撃ち合うだけで、楽しんだ人が勝ち!だ
個性的な服装や装備は見ているほうも楽しい。撃ち合い自体も緩い雰囲気なので、ゲーム中にいろいろなネタをかますことも可能
フィールドの建物セットの壁には店の看板や手配書などが貼られ、本当に西部の町の雰囲気たっぷり
長物はK.T.W.のエアコッキング式ウインチェスター1873が一番人気
銃の撃ち方も当然、西部劇スタイル。拳銃をツーハンドホールドで撃つ人はおらず、西部劇では片手撃ちが基本、ファニングや二挺拳銃で撃ちまくるのだ。皆さん本当に撃ち方が決まっている
ゲームでは弾の出ない発火式モデルガンも使用可能。発砲で反動の演技をする方も
弾の出ないモデルガンで撃たれたらどうするか。雰囲気で「やられた!」と思ったらヒット判定で良いのだ。そしてヒットコールではなく、撃たれた演技でヒットをアピール。皆さん熱の入ったヤラレ演技でゲームを盛り上げる
銃もコルトSAAとウインチェスターばかりではない。主催のカッタケさんの愛銃は昔フランクリン・ミントから発売されていた装飾モデルガンのS&WモデルNo.3アメリカンのトップブレイクリボルバーを発火式へとカスタムしたものだ
こちらの方はK.T.W.のエアコッキング式のフリントロックピストル(先込め式の単発銃)を使用。銃のチョイスが渋すぎる!
ショットガンは水平二連こそロマン!!こちらの銃は昔のハドソンのモデルガンの銃身をロングバレルにカスタムした物のようだ
主戦力の銃はダブルバレルデリンジャー(装弾数2発)!?
こちらのカウボーイは、銃は持っておらず、投げ縄が武器!? 見事なロープさばきで相手を捕縛
こちらの方はギター!? どうやって戦うの? もはやカオス!! そしそれこそが魅力(笑)
ゲーム中に時々発動する決闘場面。そこで行なわれるアドリブでの小芝居の数々が楽しい
首にロープを巻き付けて、何やら小芝居をかましている様子(笑)
こういう、いかにも西部劇っぽい撃ち方、私は大好きだ
エアガンパーツメーカーFIREFLY(ファイアフライ)もご一家と愛馬(笑)で参加。セーフティエリアでは販売ブースも出展
FIREFLY製作の“ミシンガン”。電動ガンを内蔵しフルオートで掃射できる。マカロニウエスタンの『荒野の無頼漢』のプロップガンの再現だ
迫力桁違いのメキシカンのフル武装系ガンマン。携行弾数ナンバーワン!
服装、装備がセンス良くバッチリ決まってカッコイイ!
参加者の皆さん、個性派ぞろい。衣装、装備でいろいろ工夫なさっているようだ。これから初めて「西部劇ごっこに参加してみたい」と思われている方は、ぜひご参考にしていただきたい
セーフティエリアではフリマブースがあり、ショップの販売ブースも多数出展。写真はオリジナルのサバゲ向けワンポイントアイテムを製作・販売するatrie506(アトリエゴーマルロク)。他にガンベルトを製作・販売するブースも多いが、こちらは後ほど本連載で改めてご紹介する予定だ
東京 東中野にあるマカロニウエスタン風酒場のDead Gunman's Society 14(デッドガンマンズ ソサエティ ジュウヨン)はアパレルを販売。他のブースも合わせると会場で服装・装備の上から下まですべて揃うらしい
アームズマガジンブースでは、タナカの新製品・モデル1897“ワイルドバンチ・ライオットガン”バージョン2ヘビーウエイトと、現在企画進行中のバウンティハンターカービンの試作品を展示
カウボーイ アクティブシューティングの定例会を開催するJ-CASTはファストドロウの体験ブースを設置
西部劇ごっこのセーフティエリアは、まるでキャンプ場さながらに、あちこちでバーベーキュー。酒こそ出ないが、参加者だけでこれほどまでに飲食が充実しているサバゲイベントはないだろう
カウガールに酒場の女など、ウエスタンは可愛く素敵なファッションも多いので、女性の皆さんももっと是非ご参加いただきたい
たくさんの愛銃がズラリと並ぶ。西部劇ごっこでは愛銃談義に花が咲くこともしばしばだ
西部劇ごっこではサバゲカメラマンとして有名なハセハセミリタリーさんやサバゲ戦場カメラマンのやんじさん達に素敵な写真を撮ってもらえるのも魅力。家に帰ってからもたくさんの写真で当日の様子を繰り返し楽しむことができる。写真はやんじさんによるポートレート撮影の様子
やんじさんが撮ったポートレートより。最近、私に決闘を何度も挑んでくるヤングガン。今のところ私の全勝だが、撃ち合うたびに成長しているので私も全力で応じなければ勝てなくなっている
このウインチェスター1873はイタリア ウベルティ製レプリカの無可動実銃。レシーバーのケースハードン(炭素焼き仕上げ)の発色が美しい。やはり写真映えが違います!!
背景のセットも素晴らしいので、きっとお気に入りのポートレートを撮っていただける
西部劇コスプレのガチ勢は、さすがの写真映え。こちらは人気作『マグニフィセント・セブン』のジョシュ・ファラデー(演:クリス・プラット)
こちらのスタイリッシュな3人は傑作西部劇『トゥームストーン』より。左からビリー・クラントン(トーマス・ヘイデン・チャーチ)、ジョニー・リンゴ(マイケル・ビーン)、“ターキー・クリーク”ジャック・ジョンソン(バック・テイラー)。西部劇コスプレガチ勢の皆さんの再現度は半端ない
早撃ち決闘

西部劇ごっこに限らず、西部劇サバゲの目玉は早撃ち決闘(抜き撃ち決闘)だ。多くの有名な西部劇では、その物語のラストのクライマックスが早撃ち決闘となる作品が少なくない。西部劇ごっこではゲーム中に希望者同志で突発的に発生する。西部劇では主人公とラスボスが荒野や町のストリートで面と向かって対峙し、腰のガンベルトに収めた銃(多くはコルトSAA)を同時に抜いてその場で撃ち合う。この時「ヒーローは悪役より後に抜く」という西部劇のお約束がある。なぜなら先に銃を抜く(銃に手をかける)と殺人で、後から抜けば正当防衛となるからだ。だが実際にゲームでやってみると、相手が抜いたのを合図に撃つのでは、まず勝ち目がない。そこで第三者に立会人となってもらい、その合図で銃を抜いて撃ち合うルールに自然となった。当然ながら決闘中は当事者たちを撃たないのが暗黙の了解だ(もちろんサバゲのルール上は撃っても良いが「空気読めない」とヒンシュクを買うだけ)。早撃ち決闘のノリがよく分からないという方は映画『怒りの荒野』と『クイックアンドデッド』を観ていただくことをオススメする
今回の西部劇ごっこでの名勝負のひとつの様子。奥のガンマンNaoさんは、写真では分かりにくいが、すごい長さのSAAバントラインを抜いている。その抜き撃ちの速さも見事だが、同時に素晴らしいのは相手のガンマンのヤラレ演技。背面にのけぞって地面に倒れて絶命の名演技。これぞ西部劇ごっこだ!!
Naoさんもフル武装系ガンマンのひとり。吊り下げている銃のバレル長の合計ナンバーワン
私、トルネード吉田の決闘の様子をふたつ掲載。こちらは先ほどご紹介したヤングガンとの勝負。もはや反射神経は若手には敵わないが、ガンマンは「たとえ不利であっても挑戦には応じなければならない場合がある」のだ(『怒りの荒野』ガンマン十戒、第九条より)。銃はお互いエアガン(ガスガン)を使用。エアガンを使う場合、どちらかが外して勝負がつくことが多い。すなわち「危険な時ほどよく狙え」だ(ガンマン十戒、第六条)
今回も数回、決闘を挑まれたが無敗。こちらはモデルガンを使った決闘の様子。ちなみにモデルガンを使う場合、お互いファストドロウの心得があると、発砲がほぼ同時となり、どっちが勝ったか分からず微妙な雰囲気になってしまうことが多い。腕に覚えがある者は私にはエアガンで挑んでこい!
全員で集合写真。今年の参加者は約120名。九州から参加された方もいらっしゃったようだ。年々規模が大きくなっていることを実感する。次回は2026年の秋頃にNO.9 リドリーで開催予定
私は今回もハセハセミリタリーさんに記念写真を撮っていただいた。左は弟子の浜辺キョウ君。人気コスプレイヤーで『METAL GEAR SOLID 3』のオセロットのコスプレなどで有名だ。左は私も参加しているメタルギアサバゲの運営メンバーのせいさん。今回の西部劇ごっこでの私の脳内設定は“荒野の早撃ち旅芸人”だ。ワイルドウエストショー(ウエスタンのサーカス)の巡業で北米各地を旅して、自慢の早撃ち&ガンプレイを披露して日銭を稼いでまわる座長という設定だ。「ワイルドウエストショーって何?」という方はクリント・イーストウッド監督・主演の『ブロンコ・ビリー』をご覧いただきたい。現代西部劇だが、めっちゃ笑えて泣ける傑作映画だ。実は私が着ているこのシャツは『ブロンコ・ビリー』でイーストウッドがショーで着るシャツの色違いなのだ
今回の西部劇ごっこも私は夫婦で参加した。私の奥さんの今回の衣装はミュージカル『アニーよ銃をとれ』で有名な女性シューター、アニー・オークレーをイメージ。アニーはバッファロー・ビル率いるワイルドウエストショーで活躍した実在の人物だ。ショウほど素敵な商売はないのだ
サバゲ経験のない私の奥さんも西部劇ごっこだけは、ここ最近、毎回参加。西部劇ごっこでの撃ち合いは激しいが、フルオートで撃ち合う訳でもなく、モデルガンを撃つ人も多いので、通常のサバゲよりBB弾で撃たれる回数は圧倒的に少ない。初心者にとてもやさしいサバゲイベントなのだ
西部劇ごっこの雰囲気をビシッとしたものにしてくれる南軍リエナクトの方々。装備の再現も素晴らしく、立ち振る舞いもさすが。パーカッション式の単発ライフルを使った隊列での一斉射撃や、一斉突撃からの全員討ち死になど(笑)西部劇ごっこでのバイプレイヤーとして欠かせない存在。ちなみに私は南部のテキサス出身という設定だ
弟子のゲイリー斎藤君はご夫婦でチリビーンズとコーヒーを提供。奥様の手作りの衣装も素敵。ゲイリー君は2026年4月19日(日)に東京サバゲパークにてカントリー&ウエスタン総合イベント「Wild Honky Tonk」(ワイルドホンキートンク)を開催する予定だ。あわせて同日同所でウエスタン系のサバゲイベント「無限開拓祭」も開催予定で、まさにウエスタンなお祭りの日となる。もちろん私も参加だ
この記事は月刊アームズマガジン2026年2月号に掲載されたものです。
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