正しい射撃フォームが上達の近道!
車やオートバイと同様に、銃にも正しい撃ち方が求められる。正しい構え方・撃ち方を行なわないと的に当たらないばかりか、他人に危害を加えてしまう恐れがある。しかし、おもちゃであるエアガンは実銃と違って威力も弱く、気軽に撃てるがゆえに、構え方・撃ち方に関して意外と自己流の方も多いのではないだろうか。ここでは実銃に即したハンドガンのシューティングテクニックを解説しよう。
■グリップの握り方
ここでは一般的な両手撃ち(ツーハンドホールド)でのグリップの握り方を解説する。グリップの握り方でもっとも重要なのがグリップの上のほうを握る、いわゆる「ハイグリップ」だ。まずトリガーを引くほうの手(多くの場合は利き手/ストロングハンド)を銃に添え、親指と人指し指の指間部のいちばん深いところにグリップの後部をあてがう。
多くのオートピストルのグリップ後部はハイグリップに適した曲面で構成されており安定感が得やすい
反対側から見たところ。この銃ではハイグリップしたときに親指が自然にフィットするようデザインされている
銃身線(もしくはサイトライン)と腕の線が一直線上に来るのが理想的な握り方だ。ただし、手が小さくてトリガーに指が届かない場合は、トリガーに指が届くようにずらしても構わない
グリップしている手とは反対側の手(多くの場合は利き手ではない手/サポートハンドもしくはウィークハンド)は、グリップしている手の指を包み込むように握り、グリップ側面(この場合左側)に隙間ができないように手のひらをしっかり添える。
グリップする指の上から反対側の手でもしっかりと握る感覚だ
グリップに添えるほうの手の親指を水平に伸ばして、その上にグリップを握っているほうの手の親指を乗せる
両手で銃を握ったところ。銃を支える指すべてに隙間ができないように揃えて、サポートハンドもできるだけ上のほうを握るのがポイントだ。また、両手でグリップを下方向に絞り込むような感覚で握るとブレが抑えられる
■トリガーの引き方
通常、トリガーフィンガーとは人差し指のこと。その第一関節の少し前あたりにトリガーが触れるようにするとよい。そして引き方は人差し指だけをまっすぐ後ろに、一定の力で引くようにイメージする。
トリガーに指をかける時は、トリガーフィンガーの第一関節の少し前あたり(赤くマーキングした部分)にトリガーが触れるようにする
トリガーは後ろに向かって真っ直ぐ引く。写真のようにグリップを握った手を作り、親指の付け根にペンを乗せ、人差し指でペンをゆっくり真っ直ぐ後ろに押してみると、人差し指の動きが把握しやすい。トリガーは一定の力で丁寧に引くようにして、力任せに引かない。あくまでもスムーズに絞り込むように引ききることを心掛ける
トリガーに正しく指をかけたところ。手が小さくて指が届かない場合は、指が届くようにずらして握る
写真のように指を深くかけ過ぎると正確にトリガーが引けなく(引ききれなく)なってしまう
■狙い方
両目を開けて利き目で狙うのが基本だ。利き手と利き目が異なる場合は、ライフルは利き目にあわせて銃を握る手を変えるのが望ましいが、ハンドガンは無理に変えようとせず、利き手で銃を持って、利き目で撃つようにする。
自分の利き目を知るには、まず両目を開けて照準を合わせてみる。そのままどちらか片目を閉じて、照準が合っていれば開けている目が利き目、照準がズレたら閉じた方の目が利き目である
アイアンサイト(オープンサイト)の場合、リアサイトの切り欠き(凹)にフロントサイト(凸)を合わせるようにして、フロントサイトに焦点を合わせて狙う。フロントサイトの真ん中、リアサイトの左右に点がついている場合、3つの点が水平に並ぶように狙う
ターゲットに目の焦点を合わせてしまうとサイトをぼんやり見ることになるため正確なサイティングができない
ドットサイトの場合もドット(赤く光っている点)に焦点を合わせて狙う。オープンサイトに比べて素早くかつ正確に狙うことができる
■シューティングフォーム
銃を構えると、身体や首が大きくのけぞってしまったり、反動を意識して腰を落とし、踏ん張り気味に構えてしまう方がいる。これでは正確に撃つことはできない。
悪い例の見本。上体がのけぞったりくの字に折れ曲がっていると不安定だ。また両足が真横に揃っていると踏ん張っているつもりでもバランスを保っていられない
これも悪い例、とくに実銃ではありえない姿勢だ。腕を伸ばさずに縮め過ぎると反動を抑えきれないし、ガスブローバックハンドガンの場合でも同様に後退したスライドが顔に当たってしまう危険性がある
正しい構え方。まず脚は肩幅よりも少し開き、利き腕のほうの脚を半歩(もしくは一歩)分下げる。上体はターゲットに対して正対し、お尻を後ろに突き出して身体がくの字にならないようにしつつお腹を引っ込めて(お腹に力を込めて)、上体をやや前のめりの体勢にする
首は前後左右に傾けたりしないようにして、眼球の中心でサイトを見るようにする。狙い込み過ぎるとつい首を傾けがちなので注意しよう
首を傾けると平衡感覚が狂うのと、眼球の中心でサイトが狙えなくなり、正確にサイティングできない
■シューティングポジション
基本のシューティングフォームが身に付けば様々なシューティングポジションでも正しい姿勢を取ることができるようになる。ここではサバゲで使えるいくつかを紹介する。
スタンティング(立射)はシューティングポジションの基本中の基本。利き腕とは反対側の足(この場合は左足)に体重をかけて上体がやや前のめりにするのがポイントだ
遮蔽物などに隠れて撃つ場合などに用いることが多いニーリング(膝射)。利き腕とは反対側の脚の膝を立てて、反対側の脚の膝は地面につける
あぐらをかくようにお尻を地面につけて脚を交差させ、膝の内側に肘をつけて構えるのがシッティング(座射)だ。交差させた脚を狭めたり広めたりすることで銃の高さを調整して上体があまり前かがみにならないようにする
プローン(伏射)の撃ち方は脚をやや開いて足首を外側に向けてうつ伏せになり、首を持ち上げて構える。銃と目線の高さがあわない(=銃の位置が低い)場合は、グリップの下に利き手とは反対側の手を置いて銃の高さを調整する
TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジンウェブ編集部
MODEL:風見れん
撮影協力:バトルシティ
この記事は月刊アームズマガジン2025年7月号に掲載されたものです。
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