2024/01/26
地中海の国から来日した最新鋭艦!伊海軍「フランチェスコ・モロシーニ」Photo Shoot Military【アームズフォトグラフ】
「アームズフォトグラフ」は筆者が撮影した写真についてロケーションや設定、レタッチなど写真全般について色々語るコーナーだ。できる限り詳しく語っていこうと思っているので、ぜひとも写真を撮る際の参考にしていただけたら幸いだ。
今回の写真は「軍艦」だ。
2023年6月21日に横須賀基地にイタリア海軍艦艇「タオン・ディ・レヴェル級多用途支援艦2番艦 フランチェスコ・モロシーニ(以下モロシーニ)」が寄港した。これは戦後の歴史では初のイタリア海軍寄港ということもあり、多くの艦船マニアの方々が撮影に訪れた。同艦の特別公開は一瞬で枠が埋まってしまった。
今回はそんな大注目の同艦が寄港中に撮影した写真たちを紹介しよう。詳細な乗艦レポートも以前公開しているので併せてご覧いただきたい。
▼乗艦レポートはこちら!▼
初寄港
海外艦艇はプレスリリースや航路情報通りに入港することは珍しい。
そのことを念頭に今回は少し早めに撮影ポイントへ移動した。そして、早朝7時過ぎ東京湾横須賀沖にモロシーニは姿を現した。ちなみに予定時刻通りではなく、結構ずれた時間に姿を現した。海外艦らしい。
実物を見た感想としては「やっぱりイタリア海軍艦艇は海上自衛隊と似てるなぁ」と感じた。艦船は他の陸空装備や銃器に比べ、国ごとの特色が目に見えて分かりやすい。装備や設計だけでなく、艦船の塗装も国によって差異があるのだ。
さらに感じたのは海上自衛隊と同じく船体がかなり綺麗に維持されていることだ。一般公開前に錨をさらに塗り直したということで、外観がより美しく感じる。外国艦艇は傷や汚れが残っていることが多いので、この辺りも勝手に親近感を感じてしまう。
遠くから前情報を得ていない人が見ると「近未来的なステルスっぽくてシンプルなフォルム」と思うかもしれない。だが、実際に近くからまじまじと見ると、一部飛び出た艦橋や二重構造の艦首など近代的なデザインが印象的に映る。今まで日本に入港してきた艦船と比較すると、ずば抜けて独特なデザインだと感じられた。
無事に何事もなく入港。動きが少なくなったので近くにあるヴェルニー公園などから眺めることに。艦載機を駐機させて入港したクイーン・エリザベスや、カール・ヴィンソンの際は航空機目当ての人が多く押し寄せたが、今回は艦艇だけということもあり、人気が少ない。こういったゆっくりした撮影環境なのも自分が艦船写真が好きな理由の1つだ。
乗艦
時は変わって後日、特別公開に申し込んだのでモロシーニに乗艦してきた。仏海軍「プレリアル」と同じく解説者が同行して見学。この乗艦中の内容については以前の記事を読んでいただきたい。
夜間
夜間撮影では天気が崩れて大雨に。昼間から天気が悪かったが、夜はさらに雨がひどくなる。とはいえ霧がかった雰囲気は好きなので撮影は続行した。
昼間も目立つなと思ったが夜は艦艇の姿が目立つ。特に艦橋が緑・白・赤のイタリア国旗カラーにライトアップされており、遠くから見ても目が惹かれる。ホストシップである「もがみ」の明かりでよりモロシーニが強調されているのもポイントだ。
撮影の小ネタ
艦艇に限らず、都市や工場等も含めた夜景撮影は色味を寒色に持っていくと重厚感や近未来感を色濃く出せる。その中で敢えて一部に暖色を残すことで現場の雰囲気を残すことができる。
今回の写真の場合はレタッチによって、街灯などの暖色は残しつつ、空や海は寒色を強調することで、横須賀の雰囲気を残した写真にしている。
別日
後日、別の撮影で横須賀に訪れていた。
その帰り際に寄って再三のモロシーニ撮影を行なった。初日や公開日の天候の悪さから打って変わり、この日は6月にしては暑く晴れた日だった。艦船撮影の機材ではなかったのだが大変綺麗な夕陽だったのでそのまま撮影した。
夜は風も弱く波も穏やかだったことから、モロシーニのライトアップの色が海面に反射。風景として綺麗だったのだが、惜しいことに時間がなく、高台から撮影できなかった。
今回は筆者がメインで撮っている艦船の中でも「フランチェスコ・モロシーニ」の寄港の様子の写真で記事を作らせていただいた。こういった海外艦艇の寄港は普段よく見る護衛艦とはまた違った発見や、夜の派手なライトアップなどあるので見ていてかなり楽しい。
海洋国家である日本は他国よりも艦船撮影や艦船公開といったイベントが多い(そもそも国によっては軍事機密で撮影禁止が大半といった理由もあるが)。ぜひとも皆さんも海上自衛隊の一般公開や五大軍港に訪れてみてはいかがだろうか?
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PHOTO&TEXT:出雲
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