2023/10/24
素早い動きを撮影しよう!! 日本トップクラスのモータースポーツを撮る!Photo Shoot Motorsports 【アームズフォトグラフ】
「アームズフォトグラフ」は筆者が撮影した写真についてロケーションや設定、レタッチなど写真全般について色々語るコーナーだ。できる限り詳しく語っていこうと思っているので、ぜひとも写真を撮る際の参考にしていただけたら幸いだ。
今回撮影した写真は日本最高峰のサーキットで行なわれるモータースポーツ「SUPER GT」だ。このレースではGT500とGT300の異なるクラスの車両が同一コースを走り、それぞれのクラスで競い合う。
両クラスには速度差があるため常に混走状態となり、抜きつ抜かれつのレースが展開され、見どころにもなっている。
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2023年8月5日~6日、「SUPER GT Round4 FujiGT 450km RACE」が富士スピードウェイ(静岡県)で行なわれた。当日は曇り空で8月にしては涼しく、気温的には撮影しやすい気候だったが、降ったりやんだりの雨に見舞われた。それに比例して路面状況もウェット→ドライ→ウェットと、各チームは運転だけではなくタイヤ選択にも翻弄されていた。
撮影としては最初にコカ・コーラコーナーへ赴いた。ここはTGRコーナー・第2コーナーからストレートをフル加速で来る車を正面に捉え、そしてこのコーナーで曲がり、再び加速する様子を見ることができる。
また、ストレート後の急なコーナー、そして加速ということもあり、各チーム抜きつ抜かれつの戦いが展開されるエリアでもある。わずかにブレーキタイミングがずれるだけで誰が前に出るか決まるので見ていてハラハラする。
ちなみにこのコーナー、車の動きが見えやすく速度もそこまで出てないので、流し撮りの練習や準備運動としてピッタリだ。
個人的な流し撮りのコツとしては、
- 両目を開けて左目で広く被写体を目視し、右目でファインダーを覗く
- 撮る瞬間は息を止める(呼吸による上下運動が消える)
- 腰から上のみを動かし、足の場所は基本的に動かさない
これらを意識して撮ると流し撮りの打率は上がる気がする。設定に関しては被写体や背景をどの程度写したいのかによって変わるので、そこは好みと被写体次第で。
元も子もないことを言ってしまうと、一脚もしくはビデオ雲台やパノラマ雲台などを取り付けた三脚で撮影すると、流し撮りは比較的上手くやりやすい。
なお、筆者は荷物が増えるので流し撮りでは使用しない。
次に撮影するべく向かったポイントはADVANコーナーだ。ここでフルブレーキングし、300R→ダンロップコーナーの高速区間に入る勝負ポイントだ。このコーナーでも多くのチームが勝負に出る光景を目にすることになる。
立ち位置によって撮れる角度が大きく変わってくるのもADVANコーナーのポイントだ。自分はここでリア側を中心に撮影をしている。
ADVANコーナーを過ぎると300Rだ。緩い下り坂になっており、かなりの高速エリアになる。
車速が高速なので、少しシャッタースピードが遅くても流しやすいのだが、前コーナーの状況が見えず高いフェンスがあるため、車が来るタイミングを掴みにくく撮影できるタイミングも一瞬なので、かなり難易度の高いポイントだ。
ただ、高速で目の前を走り抜けていくので観戦するという点に関しては個人的なオススメポイントだ。芝生も広く少し上から見れるポイントもかなり広さがあり、そして何よりお手洗いと駐車場が近いのがいい。
サーキットで写真を撮る際、望遠レンズをつけてもトリミング必須な場合が多い。そんなときに個人的に意識しているちょっとしたポイントを紹介しよう。今回の写真の多くは車両を縦横の中心に配置させていることが多いが、この車両をどこに寄せてトリミングするかで少し写真の印象が変わる。
例えば、車を画角の右に置くとより速度感の増した写真であったり、雰囲気が出る。
また、こういったモータースポーツではカメラの水平を取らずに、敢えて少し斜めに傾けると、より速度や動きを強調できる。
さらに言うと、車の上下どちらかに余白を多く取ることも印象を変えるコツの1つだ。とくに、下の余白を詰めて上の余白を広く設ける撮り方はお薦めしたい。
しかし雨の日なら上を詰めて下のアスファルトを少し多めに写すと、ヘッドライトの明かりや車自体がアスファルトに反射してカッコイイ写真になる場合もある。
言及していなかったのだが、実はコカ・コーラコーナーにいる際に1台が火災でイエローフラッグが振られていた。幸いにもレースは中断されることもなく、選手も無事に退避できていた。
しかしここで向かっていたダンロップコーナーで本日2度目の車両火災が発生した。今回はコース上で停止、サーキットのフェンスも焦がす大火災となってしまった。
幸いにも選手に命に別状はなく、無事レースが開催される予定……であったが、ここで強い雨がこちらに向かっている予報が出ていた。大雨が通り過ぎた後、レースは再びスタートしたが、かなりウェットな路面状況となった。
かなり急なコーナーであるダンロップコーナー付近では、流し撮りを考えず、一瞬を切り取ることを重視した。
カメラのピンは車が自身に対して横への移動であれば、そこまでズレることはないのだが、前後に動くとどうしてもピントが外れてしまう。コーナーはどうしてもそういった状況になりやすいので、シャッタースピードをある程度早くして撮影しよう。高速区間ではないので1/1000や車速次第では1/800とかでもしっかり止まった画になる。
紆余曲折ありつつもダンロップコーナー、第13コーナーを過ぎ、GR Supraコーナーへと向かった。このコーナーは撮影できる角度が多く、普通に観戦している人も少ないのでゆっくりと撮影に勤しむことができる。
GR Supraコーナーで撮影していると、レースは終了した。
今回はスタンド席に立ち入るチケットを購入していなかったので、別の角度からストレートに戻る車両を眺めていた。本来であればここは300km近い速度で通り過ぎる。
今回も趣向を変えてモータースポーツでの写真記事を作成させてもらった。こういったレースは周回数も多く、様々な撮影方法を試したり、撮影ポイントをコロコロと変えても充分撮影できるのが楽しい。反対にラリーは多くても同じ車両は2回しか同じ場所を通過しないので、絶対に決めないといけないスナイパーのような心構えで撮影に挑むことになる。
このSuperGTは参戦チームが多く、自動車メーカーやパーツメーカーなどのショップ、サーキットのある地域ご当地のキッチンカーや屋台が出ているなど、観戦だけではなく1つのお祭りとして楽しめるイベントだ。
モータースポーツをゆっくりと楽しみながら食事をとったり撮影したり、そして純粋に応援したりとできるSuperGT、ぜひ皆さんも行ってみてはいかがだろうか?
(ただ、帰りの渋滞は覚悟してください…)
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PHOTO&TEXT:出雲
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