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2023/07/02

サバゲー男が行くツーリング&新潟グルメ ~雨の日にソロキャンプへ行こう(後編)~【アラフィフのブツヨクは止まらない!】

 

 自他共に認める「アームズの物欲大王」こと毛野ブースカが自腹購入したグッズ、気になるグッズをピックアップする「アラフィフのブツヨクは止まらない」。第2回目は自慢のキャンプグッズを持ってソロキャンプに出かけた毛野ブースカのツーリング道中とキャンプの模様を公開する。

 

第1回はこちら

 

越後湯沢へ

 

 福島県南会津郡只見町にある「奥会津ただみの森キャンプ場」を目指す今回のキャンプツーリング。このコーナーの第1回目でご紹介したキャンプグッズの撮影を現地で行なおうと思い、ちょっと余裕を持って自宅を出発。国道20号線から環状八号線(都道311号線)を通って関越自動車道に入り、そこから第1目的地である「爆弾おにぎり家 ぽんしゅ館 越後湯沢驛店」の近くにある湯沢ICを目指す。新潟方面へツーリングに行くのは栃尾又温泉を訪れて以来なので7年ぶり。日曜日ということもあり交通量はやや多めだが渋滞はなく、途中で立ち寄った駒寄PAには多くのライダーが訪れていた。

 右手に谷川岳を見ながら関越トンネルが近づいてきた。かつてアームズマガジンが主催していたサバゲーイベント「ASCS」が苗場スキー場で開催されていた頃は、関越トンネル手前にある月夜野ICで降りて国道17号線を走り、三国峠を通過して苗場スキー場に行ったものだ。最後にASCSのために苗場スキー場に行ったのは20年前のことだ。私はスキーをやらないので、夏の苗場しか知らない。苗場プリンスホテルの近くにあるスキー場に即席のフィールドを作り、500人くらいの参加者がサバゲーをしたんだから今にして思えばすごいイベントだった。

 そんな思い出が頭のよぎっているうちに関越トンネルを通過。久しぶりの新潟県だ。天気は穏やかでツーリングにはちょうどいい。湯沢ICを降りて国道17号線を走ってJR越後湯沢駅に到着。駅ナカの「CoCoLo湯沢・がんぎどおり」内にある「爆弾おにぎり家 ぽんしゅ館 越後湯沢驛店」を目指した。爆弾おにぎり家は20年前に訪れて以来、新潟県に来るたびに立ち寄っている。

 

推しの新潟グルメ

 

JR越後湯沢駅内にある「CoCoLo湯沢・がんぎどおり」。店内には今回訪れた爆弾おにぎり家の他に利き酒ギャラリー 越の室、ラーメン屋などの食事処、お土産コーナーなどが充実している

 

 ここでは南魚沼しおざわ産のコシヒカリを1合分(お茶碗2杯分)を使った、まさに爆弾のようなおにぎりが食べられる。具材は15種類あり、単品でもよし2品を組み合わせてもよし。注文したその場で握ってくれる。今回はもち豚角煮としゃけを組み合わせてみた。手にした時のズッシリ感と海苔が全面に巻かれたボリューミーな感じはまさに爆弾そのもの。7年前に食べて以来だが、ボリュームはもちろんお米が美味しい。ちなみに4合分のお米を使った「大爆おにぎり」というのもあるので、くいしん坊の方はチャレンジしてほしい。

 

今回のキャンプツーリングの第1目的地である「CoCoLo湯沢・がんぎどおり」内にある「爆弾おにぎり家 ぽんしゅ館 越後湯沢驛店」。今まで数回訪れており、訪れるたびに店内のレイアウトが変わっていたが、おにぎりの味は変わらない

 

15種類ある具材の中からしゃけ(880円)にもち豚角煮(120円)をトッピングして1,000円(味噌汁付き)。具材1種だと580円~、具材2種だと700円~、塩にぎりは370円、のりむすびは420円となっている。ちなみにお米を4合使用する大爆おにぎりは具材5種に味噌汁付きで2,500円

 

実際に手にするとなかなかのボリュームと重量感だ。食べるのにちょっと手間がかかるが、食べ終わった時の満足度はかなり高い。羽釜で炊いた南魚沼産コシヒカリはもちろん具材も美味しい。イートイン、テイクアウトどちらにも対応している

 

 「ぽんしゅ館 越後湯沢驛店」には爆弾おにぎり家以外に全117種類の日本酒が利き酒できる「利き酒ギャラリー 越の室」や、越後湯沢の天然温泉に新潟県の蔵元が開発した専用浴用酒を入れた酒風呂が楽しめる日帰り温泉施設「酒風呂 湯の沢」、地元の名産品などが販売しており、また「CoCoLo湯沢・がんぎどおり」内にはお土産コーナーや飲食店が並んでいるのでぜひ立ち寄ってみてほしい。私は爆弾おにぎりを食べた後、キャンプで食べる食材をゲットした。

 

玉川酒造 越後ゆきくら館

 

 爆弾おにぎり家を後にして次に向かったのは、魚沼市須原にある「玉川酒造 越後ゆきくら館」である。米どころは酒どころと言われるように新潟県は酒造の数が全国1位(日本酒の生産量は全国3位)だという。日本酒が大好きな知り合いに聞いたところ、玉川酒造の日本酒が美味しいというので、ちょうどキャンプ場の道すがらにあるので訪れてみることにした。

 越後湯沢駅を出発して国道17号線を新潟市方面に進み、国道252線が出てきたら会津方面に向かわなければならないところを国道17号線をそのまままっすぐ行ってしまい痛恨のミスルート。30分ほどタイムロス。国道17号線を戻り、国道291号線/国道252号線に入って20分ほど走った集落(須原地区)の中に玉川酒造があった。

 

寛文13年(1673年)からお酒造りを続けている玉川酒造。右奥にあるのが酒蔵見学とお土産コーナーがある越後ゆきくら館、正面が酒蔵、そして左にあるシートで覆われた大きな塊が、冬に降った雪を集めて特殊なシートで覆って一年を通して一定の温度でお酒を貯蔵する雪中貯蔵庫(ゆきくら)だ。夏でも溶けずに残っているという。近づくとひんやりしている

 

 館内に入るとちょうど団体客が訪れていて賑わっていた。酒蔵見学できるとのことだが、団体客が帰るまで館内でしばし待機。順番が回ってきて私一人しかいないのにスタッフの方が丁寧に酒造を案内してくれた。酒蔵はそれほど大きくはないものの、テレビで観たことがあるような蒸し場や貯蔵タンクが並んでいた。館内では試飲できるとのことだがバイクなので断念。自分用と知り合い用のお土産を購入した。

 

1人でも見学させてくれるというので酒蔵を案合していただいた。入口を入って左にある造り蔵にある洗った酒米を蒸す「蒸し場」。冬場はかなり冷え込むとのこと

 

貯蔵タンク場には8,000リットル貯蔵できるタンクが置かれていた。このタンクの上に杜氏が乗ってお酒の仕込みをするという

 

玉川酒造の代表銘柄である「魚沼玉風味」と「十八代玉風味」。館内には試飲コーナーがあるもののバイクなので試飲できなかったので、小瓶をお土産に購入してキャンプ場で飲むことにした

 

道の駅へ


 玉川酒造を訪れて次に向かったのは「道の駅R290とちお」だ。国道291号線/国道252号線を会津方面に走り、入広瀬が近づいてきたところで国道290号線方面に進み、栃尾市(現・長岡市栃尾)内に入ったところにあった。新潟県・栃尾の名物といえば「栃尾あぶらげ」(油揚げ)だ。あぶらげは今まで食べたことがなかったので、今回食べておこうと思ったのだ。こういった地元の名産品を食べたり、お土産を購入したい場合は道の駅に行ってみることをお薦めする。今回もそれを狙って道の駅に行ってみたところ大正解。あぶらげを使ったメニューの中から「油揚焼き定食」をチョイス。シンプルな味わいだが意外とボリュームがあり満足度が高かった。

 

「道の駅R290とちお」で食べた「油揚焼き定食」(800円)。あぶらげは肉厚でボリュームがあり、意外と食べ応えがあった。レストラン以外にも当地のあぶらげの老舗である「佐藤豆腐店」のテイクアウト店も併設されているので、おやつ代わりに食べるのもありだ


 ようやく昼食を食べ終わったところで14時30分を過ぎていた。ここからは最終目的地である「奥会津ただみの森キャンプ場」を目指す。いったん国道290号線を入広瀬方面に戻り、入広瀬から国道252号線を会津方面に向かう。ここから只見町までは雪深い地域らしくスノーシェッドが連続する峠越えのワインディングロードとなる。「道の駅R290とちお」を出発して約1時間半でキャンプ場に到着。17年ぶりだが、キャンプ場周辺の景色は何となく記憶がある。キャンプ場内は広く整備されていて気持ちいい。管理棟で料金と薪を購入してテントサイトに向かう。今日は私一人らしくどこでテントを張ってもいいとのこと。これが意外と悩ましいが、管理棟から離れていて炊事場が近くにあるところを選んだ。あとで写真を見返してわかったことだが、当時は舗装されておらず景色が今と違うにもかかわらず、前とほぼ同じ場所にテント場所を選んでいた。

 

キャンプ道具についての解説はこちら

 

只見町に向かう国道252号線の途中にある高台から田子倉湖を望む。只見地方は日本でも有数の豪雪地帯だけあって道すがら幾重にもスノーシェッドが設けられていた。新緑のこの季節は気持ちいい。この時は薄日が差していたが、予報通り雲行きが怪しくなってきた

 

 前回このコーナーで紹介したキャンプ用品を撮影してテントを張り終えたところで、町内にある日帰り温泉施設「只見保養センター ひとっぷろ只見」に向かった。キャンプ場からバイクで2分ほどの只見川沿いにある「ひとっぷろ まち湯」は前回も入湯しており、疲れた身体をほぐした。入湯後、近くにあるスーパーマーケットで買い出し。キャンプ場の近くに温泉とスーパーマーケットがあるのはありがたい。

 

キャンプ場からほど近い只見川沿いにある「ひとっぷろ まち湯」。入湯料は500円。前回訪れた時は「只見保養センター」という名称だったが、平成23年の新潟・福島豪雨災害により営業を休止後、平成25年にリニューアルして今の名称になったという。銭湯感覚で気軽に入れる

 

いよいよ夕食

 

 キャンプ場に戻っていよいよ夕食。予報通りパラパラと雨が降ってきた。本当は焚き火台を使って焚き火をしたかったが、私一人しかキャンプしていないので、今回は屋根とかまどがある炊事場で夕食と焚き火をすることにした。

 今回新調したSOTOのST-310レギュレーターストーブを早速使う。ポンピングやプレヒートが必要なMSRのガソリンバーナーに比べて準備がスムーズに進み、火力調整も楽に行なえる。一通り煮たり焼いたりしたが、ガスの燃費は良さそうだ。薪は水分がほどよく抜けており火の付き具合は上々。「玉川酒造 越後ゆきくら館」で購入した日本酒をちびちび飲みながらの焚き火は最高。時が経つのを忘れてしまう。薪がなくなったところで宴は終了。火が収まったところを確認してテントに戻り就寝。夜が深くなるにつれて雨脚が強くなってきた。テントの中にいると雨音が意外と大きい。雨が降る中の撤収を考えると気が重くなってきた。

 

CoCoLo湯沢・がんぎどおりや道の駅で見つけた戦利品の数々。地元の名産品を買って食べるのもキャンプの醍醐味だ。今回は忘れてしまったが小さい保冷バッグがあると買い出しする時に便利

 

早速新調したSOTOのST-310レギュレーターストーブの出番がやってきた。まずはお粥を煮立てる。白がゆだったので、ふりかけなどを一緒に買っておけばよかった。バーナーの火力は強く、素早くお湯が沸騰する。セッティングも楽だしこれはいいぞ

 

あぶらげは昼食で食べたばかりだが、道の駅で売っていたのでつい買ってしまった。ほんのり焼き目がついたところでお醤油をかけて食べた。ご覧の通り厚みがありなかなか美味い

 

入浴後に立ち寄ったスーパーマーケットで肉を買ってきて一人焼肉。どうしてもこのフライパンは焦げやすい。それでも火の調整がしやすいバーナーのおかげで焼き過ぎにはならず、マジックソルトをかけて食べた。メニューが偏っているが、そこは男のキャンプなのでお許しあれ

 

今回は私一人しかキャンプしていなかったのと、雨が降っていたので、かまどのある炊事場で、玉川酒造で買ってきた玉風味をチビチビ飲みながら焚き火を楽しんだ。普段都会では味わうことができないゆったりとした時間が流れていく。まさにソロキャンプの醍醐味である

 

 翌朝、雨は降り続いていた。テント内で片付けをしようと足元を見たらシェラフやジャケットが濡れているいるではないか。どうやらテント内が浸水したようだ。平地を選んだはずだったが、わずかだが傾斜していたようだ。テントの防水機能が弱くなっていることも原因のひとつである。そろそろテントは買い替えかな…。

 

 雨の中のキャンプの洗礼を思いっきり受けながら朝食を摂っていたらいきなりサイレンが鳴り始めた。これは近くにある只見ダムから只見川に向けて放流される時に鳴らされるものだという。そういえば17年前もこのサイレンで起こされたのを思い出した。雨宿りする場所はないので、雨が降りしきる中で機材とテントを撤収。帰宅後に乾かさないといけないと思うのと憂鬱になる。レインウェアを着用していても濡れるものは濡れる。出発前からびしょ濡れになってしまった。

 

翌日は予報通り雨。テントはもちろんバイクもすっかり濡れてしまった。キャンプ場はかなり広々としており、写真左側にもテントサイトが広がっている。スタッフさんの対応もよく、炊事場やトイレなどの設備もしっかりしているので初心者でもキャンプしやすい

 

これは17年前に訪れた時の写真。この時は場内の道が舗装されていなかった。木々が立ち並ぶ様子を見ると、ほぼ同じ場所なのがわかる。当時はスズキのジェベル200に乗ってキャンプツーリングに出かけていた。テントは今使っているテントと同じogawa(キャンパルジャパン)製

 

起きてみたらテント内(写真左側)が浸水していた! そこ以外にも濡れているところが多数あり、思いっきり雨の洗礼を受けてしまった。シェラフやジャケットが濡れてしまい、テンションが一気に下がる。テントのインナーがだいぶヤレ始めているので、そろそろ買い替えだな

 

キャンプの朝といえば一杯のコーヒーから始まる。特に冷え込んだ朝のキャンプサイトで飲むコーヒーは最高。どうしてキャンプで飲むコーヒーは美味しいのだろうか。雨の洗礼を受けてテンションが下がった私を癒してくれる

 

朝食は決まってインスタントラーメンを使った「朝ラー」。今回はCoCoLo湯沢・がんぎどおりでゲットした麺に酒粕が練り込まれた「新潟地酒らうめん(アゴしょうゆ味)」を食べた

 

帰りは修行モード

 

 キャンプ場を後にして、昨日来た道を通って魚沼市方面に向かう。今日は雨なのでどこにも立ち寄らずに帰宅することにした。走り始めて10分も経たないうちに大きな水たまりを2回通過したところでブーツ内がびしょびしょになってしまった。もうこうなるとどうでもよくなる。何が楽しくて走っているのかわからなくなる。ほとんど修行モードだ。昨日通過した峠は霧と雨で視界ゼロ。スノーシェッドからはところどころ滝のように雨が流れ落ちている。無の境地で関越自動車道小出ICに到着した。

 

キャンプ場の近くに掛けれた橋の上から只見ダムを見たところ。晴れていれば自然が豊かで山紫水明なところなのだが、この時は霧と雨に覆われていた。この10分後くらいに大きな水たまりにはまり、ブーツ全体に水が被って浸水。これで気持ちが吹っ切れた

 

昨日と同じ田子倉湖を望む場所から撮影したところ。山の中を進むにつれて雨脚が強くなり、人間もバイクもズブ濡れ…。どこにも寄らず(正確にはどこにも寄れず)ひたすら自宅に戻るだけだった

 

 ここから関越自動車道を練馬方面に向けてひた走る。7年前に栃尾又温泉を訪れた時も雨で、その時は関越トンネルを過ぎて群馬県に入ったら晴れていた。その時の奇跡を思い出しながら走る。途中、塩沢石内SAで立ち寄り、おにぎりを買おうとしたら財布が濡れてしまってお札がびしょ濡れ。ここまで濡れたことは初めてだ。さすがに濡れたお札は出せないので、小銭で買える分だけ買って食べた。スマホなどが浸水被害に遭っていないのが幸いだった。塩沢石内SAを後にして関越トンネルを過ぎたら、何と雨が上がっているのではないか。また奇跡が起きた。「トンネルを抜けるとそこは雪国であった」ではないが関越トンネルを境に天気は変わる。そこからは雨に遭わずに帰宅することができた。


 久しぶりのキャンプツーリングは雨に祟られてしまったが、天気は予報通りにならないのはみなさんもご存知の通り。特に山間部のキャンプ場は天気や気温が変わりやすい。経験上、衣食住の「衣」と「住」は妥協しないほうがいいと思っている。ぶっちゃけ飲み水さえ確保できれば半日食べなくても何とかなるし、携帯食料を持って行けば腹の足しになる。キャンプでの食事はとても楽しいが、それだけに注力しすぎてもいけない。みなさんもキャンプグッズを購入する際は、天候不順になった時のことを前提に選んでみることをお薦めする。備えあれば患いなしなのだ。

 

TEXT&PHOTO:毛野ブースカ

 


 

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