2023/09/25
日本有数の大自然、上高地をサバゲーマーがトレッキングしながら撮影!Photo Shoot Outdoor 【アームズフォトグラフ】
「アームズフォトグラフ」は筆者が撮影した写真についてロケーションや設定、レタッチなど写真全般について色々語るコーナーだ。できる限り詳しく語っていこうと思っているので、ぜひとも写真を撮る際の参考にもしてもらえたら幸いだ。
今回の写真は「日本の屋根」と呼ばれる日本アルプス、その中でも屈指の知名度を誇る穂高連峰と槍ヶ岳のお膝元である「上高地」だ。上高地は「特別名勝」と「特別天然記念物」に指定された日本でも稀有な地となっている。
道も歩きやすい、それでいて景色もいい。トレッキングにお薦めの場所である。今回はそんな上高地で撮影した写真をお届けしよう。
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~上高地~
今回の写真は被写体が大自然なので、レタッチは見やすいように露出や色味を少し調整する程度にしている。
トレッキングということもあり、レンズ交換は可能な限り少なく済ませたかったのでレンズは標準ズームをメインで使用し、「超広角ズーム」「望遠ズーム」を鞄に忍び込ませる。撮影にワンポイントを加える小物として「C-PLフィルター」と「ND1000」も一緒に持っていくことにした。
※C-PLフィルター:不要な反射を取り除くなど、反射光をコントロールできるレンズアタッチメント。水面や空の色をより深くしたい撮影などにお薦め。
※ND1000:Neutral Density、いわゆる減光フィルター。ND1000の場合、光量を1/1000にできる。
上高地でのトレッキングは公共交通機関で訪れると大正池から始まる。早朝に訪れたこともあってか、湖面には薄く霧がかかり、幻想的な風景が広がっていた。
焼岳の噴火が原生林を水没させて生まれた大正池。その畔でカメラを三脚に載せ、インターバルで撮影した。撮影中、座って湖畔を眺めているとゆったりとした時間が流れ、贅沢な時間を過ごせる。
※インターバル(撮影モード):設定した一定間隔でシャッターを自動で切るモード。コマ送りで撮影した写真を繋ぎ合わせたタイムラプスや、星の軌跡を写すスタートレール撮影などで使用される。
このままゆったりとした時間を過ごすのも悪くないが、今回の目的はトレッキングだ。日が昇り、山間部にある上高地にも太陽光が照らし始めたので、ゆっくりと歩き始めた。
今回は大正池から始まり、明神池まで行き、その帰り道に余裕があれば岳沢に登る。その後、河童橋付近で宿泊して次の日帰る算段だ。時間はたっぷりとある。
平坦に見え周りを2,000~3,000m級の山々に囲まれているので実感は湧かないが、上高地の標高はおよそ1,500m。夏場でも平均気温は20℃を下回っており、かなり涼しい。さらに、散策路が川沿いにあるため、涼しい風が肌を撫でて心地よい。猛暑に苛まれる都内からの避暑地としても人気なのも頷ける。
ゆっくりと歩いて2時間ぐらいで河童橋に到着だ。ここは上高地のメインストリートでもあり、行き交う人でにぎわっている。自然に包まれた上高地の中でも活気に満ちた場所だ。
上高地といったらここの景色が有名だ。奥に見えるのは穂高連峰、主峰の奥穂高岳(標高3,190m)を筆頭に3,000mクラスの山が連なる。その下に見えるのは、奥穂高岳に向けて伸びる梓川。そして、そこにかかる河童橋。自然の雄大さを感じられるいい景色だ。
穂高連峰や槍ヶ岳を目指す登山であればここ、上高地バスターミナルのある河童橋がスタート地点になる。今回は初めての上高地ということもあり、散策を目的としたトレッキングだったので、次回はあの山々に登ってみたいところだ。
~明神池へ~
ここからは明神池へ向かう道となる。先ほどまでの景色と変わり、少し大きめの渓流から離れていく。森の中を歩くことになり、よりトレッキングらしさが増してくる。
こういった森の中を撮るときは木漏れ日を意識して撮影すると、自然らしさが生まれグッといい雰囲気の写真になる。
森の中を歩くので、高山植物や野生動物との邂逅が多くなる。今回自分が出会ったのはニホンザルの家族だ。人間を見ても逃げる様子はなく、この地で唯一望遠を使った写真を撮った。猿は人間と共に暮らすような生き物ではなく襲われる可能性があるので、距離感に注意しながら撮影する。
上高地トレッキングとしては最奥になる明神池に到着した。
ここは長野県安曇野市穂高に本宮を置く穂高神社の奥宮境内であり神域だ。奥穂高岳山頂に嶺宮があることから「日本アルプスの総鎮守」とも呼ばれている。古くは「鏡池」と呼ばれ、実際にこの場に行くとその名の由来を実感できる。
透き通った水、湖面に顔を覗かせる岩々や立地が神秘的なだけではなく、常に伏流水が湧き出ることにより、冬でも全面凍結しない。様々な要素が重なりあい、古来の人々がこの地を神域としたのだろう。
この奥宮や嶺宮があり祀られていること、そして「上高地」という地名から察する人もいるだろうが、この地名は昔の呼び名である「神垣内=かみこうち」に由来がある。そんな神聖な地を体験した後は河童橋に戻るルートを辿る。この時少し雲行きが怪しく、岳沢を登るのは諦めて宿泊地へと向かった。
~夕から夜にかけて~
帰路は幸いにもポツポツと降られただけで大事には至らなかった。上高地は前述したように山間部の間にある平地だ。そのため、太陽の影になるのも早く日が少し短い。上高地でトレッキングや登山をしたい方々はその辺りも考慮に入れてコースタイムを設定しよう。
宿泊地に荷物を置き、休憩と夕飯を済ませたころにはすっかりと夜も更けていた。ここからは星空撮影の時間だ。夏場とはいえ寒いときは10℃前半の気温になる。防寒対策は必須だ。
今回は次の日もあったので河童橋周辺のみで星空を眺めてきた。上高地で一番明るいエリアだが、それでもこれだけ綺麗に見える。
訪れたときはたまたま流星群が活発な時期だったのもあり、写真を撮っているとチラホラ流星群が映り込むことがあった。
山中なので街灯はなく、マイカー規制により深夜帯は車の通りはない。市街地も遠いので光害もなく、ここでの星空撮影は宿泊者のみに許された時間なのだ。
実は今回の写真は筆者が4年前に撮影した写真たちだ。秋の紅葉時期を目前にして「上高地に行きたいな」と思い、改めて見返し記事にした。改めて見返すとシャッターチャンスを多く逃していたり、撮り方も今との違いを実感して自身の写真に対する変化を大きく実感した。
さて、日本有数の大自然の一つである上高地。実は都内から直通バスが出ているなどアクセスもいい。今はもうシーズンを過ぎてしまったが、猛暑日が続く時期でも都市部に比べるとかなり涼しく避暑地向き。日本の屋根と言われる日本アルプスを水源とした清冽な水を利用した日本酒や、果実大国である点を活かした果実酒も楽しめる。そして何より景色がよくシャッターチャンスに多々恵まれている。
記事を見てくれた方々もぜひともアウトドア趣味としてサバゲーだけではなく、トレッキングや写真撮影で訪れてみてはいかがだろうか?
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PHOTO&TEXT:出雲
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