2023/11/24
戦車を撮影するテクニックを総火演で解説!Photo Shoot Military【アームズフォトグラフ】
「アームズフォトグラフ」は筆者が撮影した写真についてロケーションや設定、レタッチなど写真全般について色々語るコーナーだ。できる限り詳しく語っていこうと思っているので、ぜひとも写真を撮る際の参考にしていただけたら幸いだ。
今回の写真は「富士総合火力演習(総火演)」。
現在では基本的に動画での一般公開となったこの一大実弾演習だが、「月刊アームズマガジン」記事企画の一環として2023年度の総火演を取材することができた。
ここでは2023年の総火演で筆者が撮影した写真をご紹介しつつ、戦車写真撮影についての解説も織り交ぜていく。ぜひ参考にしてもらえたら幸いだ。
(戦車を撮るコツ、という需要があるか分からない解説だが生暖かい目で見てもらいたい)
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戦車の発砲炎(マズルフラッシュ)を撮りたい!
というわけで、総火演のような戦車が活躍するイベントで発砲炎(マズルフラッシュ)を撮るにはどうすれば良いのだろうか。一番手っ取り早く元も子もないことを言うのであれば120/60fpsで動画を撮って切り抜く、もしくは連射性能に秀でたカメラを購入することである。
戦車の発砲炎は燃えて消えるまでおよそ0.1秒と言われている。なので理論だけで言えば秒10連射できるカメラであればほぼ確実に撮れるのだ。しかし理論だけでは撮れないのが写真の面白いところであり、難しいところだ。
総火演では射撃直前に場内無線で「撃て!」という無線が聞こえる。これを合図に連射すれば撮れるのだが、実際問題これもなかなか大変だ。
連射の速いカメラで連射し続ければ撮れるのでは? と思う方もいるが、バッファーと呼ばれるカメラでSDカードに書き込む前に一時的に保存する容量がある。それが満杯になってしまうと写真自体が撮れなくなる。そして撮れなくなった瞬間に「ドンッ!」と撃たれることが何度あったことか。
そんなこんなで苦労と運が合わさって格好よく撮れた時の高揚感は凄まじい。と、これ以上脱線しても仕方ないので話を戻そう。
カメラ性能云々はいったん抜きにして、単純に撮るための設定は何がよいのだろうか。個人的にお薦めの設定はSS1/2000にし、F値はレンズ次第だがF/10前後。これにISOオートで撮影している。
これ以外の設定としてはAF-Cにして、フォーカスエリアはトラッキングスポット。AF被写体追従はノーマル、そして連射速度をHi+にして最速にして指切りで撮影している。
予測と運を味方につけて撮れた後はレタッチの時間だ。
撮影タイミングにもよるが車輌の走行、ヘリの巻き上げなどで土埃が舞った状態で撮影しているので少し白っぽい写真になっているだろう。
まずは「かすみの除去」をかけて白っぽさを少し軽減させる。その後、発砲炎のハイライトを少し下げて輪郭のオレンジ色を出す。後は好みのレタッチをかけて完成だ。これで抜けのある写真で、発砲炎も炎らしさが出てカッコよくなると筆者は考えている。
というわけで発砲炎の撮影についてのおさらいだ。
- まず、どの戦車を撮るか狙いをつける。こうしないと別の戦車に気を取られ、一枚も撮れなくなってしまう。
- 戦車の無線交信が放送され、射撃命令が聞けたら発砲シーンを捉えるチャンス。目で見てからでは撮影することはほぼ不可能なので、聞き逃さないようにしよう。
- 無駄に連射はしすぎない。射撃する瞬間にカメラが撮れなくなってしまう可能性がある(あと、写真の選別と削除が地味に大変)。
- 秒10コマ撮影できるカメラだと撮影できる確率がかなり上がる。
- カメラの設定はシャッタースピードが大事、SS1/1000は遅くとも欲しい。あとAFモードはAF-Cにしよう。
撮影時はこのあたりに注意すればかなり撮影確率は上がる。
しかしここまで解説して「でも総火演は直接の一般公開がなくなり関係者しか入れないのでは?」と思われるが、なにも総火演だけで使えるテクニックではなく、駐屯地祭の戦闘訓練展示でも戦車や自走砲などの空砲射撃シーンを撮影できるチャンスはある。
例えば関東近辺だと富士駐屯地や板妻駐屯地、滝ヶ原駐屯地などの駐屯地祭では戦車や榴弾砲、そして航空機まで活躍する戦闘訓練展示が見られる。
他にも武器学校のある土浦駐屯地、ドライブインコンバットを行なったことで有名な今津駐屯地、第7師団で有名な東千歳駐屯地等でも迫力のある戦闘訓練展示が行なわれている。
戦車を撮影する機会があれば、ぜひ参考にしていただければ幸いだ。
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PHOTO&TEXT:出雲
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