2020/03/01
BOLTエアソフト「B4 PDW B.R.S.S. R.A.I.D.E.N.」【毛野ブースカの今月の1挺!】
「月刊アームズマガジン」編集部の毛野ブースカがおくる『毛野ブースカの今月の1挺!』 。今月はBOLTエアソフトの電動ガン『B4 PDW B.R.S.S. R.A.I.D.E.N.』をご紹介!
バレルとストックはギリギリまで短くされている。同社の既存ラインアップにあるPMC-Qよりもコンパクトだ
現在の電動ガンのトレンドは、電子トリガーやMOSFETなどの導入による電子制御化、東京マルイの次世代電動ガンに代表されるリアルなディテールや撃ち応えの追求、今までにトイガンとして再現されたことがない機種のモデル化、スポーツラインに代表されるコストパフォーマンスの追求したモデルの登場の4つに大別できるだろう。もちろん、これらのトレンドが1挺の銃に混ざり合っているものもあるが、今回紹介するBOLTエアソフトの電動ガン「B4 PDW B.R.S.S. R.A.I.D.E.N.」は、次世代電動ガンのように実射時のリコイルショックが体感できるのが最大の特徴だ。
PDWタイプのストックは短いもののバッファーチューブに追加されたチークピースのおかげで無理なく構えることができる
台湾に拠点を置くBOLTエアソフトは、M4カービンをモチーフにしたB4シリーズをメインに展開している。東京マルイの次世代電動ガンが完全新規のメカボックスやレシーバーなどを採用しているのに対して、BOLTエアソフトは実績のあるバージョン2タイプのメカボックスやスタンダード電動M4カービン系のレシーバーやアウターバレル、マガジンをベースに独自のリコイルユニット「B.R.S.S.」を搭載している。質実剛健な作りとハードなリコイルショックは、リコイルショックが体感できる電動ガンの中でも異色の存在と言っても過言ではない。
ストックを伸ばした場合の全長が615㎜。サブマシンガン並みのコンパクトさを実現している
ショートバレル+PDWタイプストックを採用した、いわゆるディプロマットスタイルのB4シリーズの最新作「B4 PDW B.R.S.S. R.A.I.D.E.N.」の特徴は、BOLTエアソフトが開発した3番目のリコイルショックユニット R.A.I.D.E.N.(Rapid Acceleration & Intense Driven Electronic Nitro)が採用されている。従来のB.R.S.S.はバッファーチューブ内にリコイルショックを発生させるウエイトを内蔵していた。R.A.I.D.E.N.はPDW特有の短いバッファーチューブ内に対応したリコイルショックユニットとして開発され、コンパクトなボディとあいまってバッファーチューブが短くても充分なリコイルショックを発生させることに成功している。
今回用意したモデルはハンドガードやグリップ、ストックがTANカラー仕様。オールブラック仕様もラインアップされている
バッファーチューブ内にリコイルショックシステムを内蔵したことから前配線仕様となっており、ハンドガード内に専用の11.1Vリポバッテリーが収まる。専用品とはいえ実際にはギリギリな感じなので、着脱時にはちょっとコツがいる。ハンドガード内にバッテリーを収めたことで見た目はカッコよく、コンパクトさは犠牲になっておらず、前後バランスも良好なので狭い場所での取り回しやすさは最高だ。
極太のフラッシュハイダーにハンドストップ付きM-LOKハンドガードのコンビネーション。ハンドガード上のフロントサイトは外すことができる
ハンドガード内に専用のV型バッテリー11.1V 15C 850mAhリポバッテリーが収納できる。収納にはちょっとしたコツがいる
操作系はマガジンキャッチのみがアンビ仕様。レシーバーの形状はオーソドックスなARスタイル。M4カービンを使ったことがある方なら迷うことはない。BOLTエアソフトオリジナルのストレートでスリムなグリップはホールドしやすい。PDWタイプのストックは2段階に伸縮可能。他社にはないチークパッドが付属しており、程よく頬付けできる。
マガジンキャッチはアンビタイプ。スタンダード電動M4カービン系と同規格のミッドキャップマガジン。装弾数は140発
マズルには極太のフラッシュハイダーが付属し、前後サイトはデタッチャブルタイプ。ショートモデルにふさわしいハンドストップ付きハンドガードはM-LOKを採用。マガジンは装弾数140発のポリマー製PMAGタイプ。もちろんスタンダード電動M4カービン系のマガジンが共用できる。
オリジナルのグリップはホールドしやすく、滑り止めのテクスチャーも絶妙な感じ。トリガーガードはワイドタイプ
実射してみると、バッファーチューブが短くなったことで、スタンダードタイプに比べてリコイルウエイトのサイズや重量が小さくなっていると思われるのだが、そんなことをまったく感じさせないほどリコイルショックはハードで、トリガーのレスポンスは良好だ。全体的にコンパクトで軽量なせいもあるだろうが、それを差し引いてもリコイルショックはスタンダードタイプと同等がそれ以上だ。
短いバッファーチューブには専用に開発されたリコイルショックシステムR.A.I.D.E.N.が搭載されている。ストックのデザインは機能的で使いやすい
今回発売されたB4 PDWはこのリコイルショックシステムR.A.I.D.E.N.付きと、ハイサイクル仕様の2タイプ用意されている。外観上の違いはフラッシュハイダーにハイサイクルの場合は赤いラインが入っているのみで、パーツ構成や操作性は変わらない。実銃ライクな撃ち応えを選ぶか、サバゲ向きのハイサイクルを選ぶか…プレーヤーとしては悩ましい。ただ、ここで言えることはどちらも魅力があるということだ。ぜひ手に取ってその完成度を確かめてほしい。
[プロフィール]
アームズマガジンの編集ライター。エアガンシューティング歴35年。数多くの国内シューティングマッチ入賞経験に加えて、1999年、2000年に開催されたIDPAナショナルズ参戦、シグアームズアカデミーや元デルタフォース隊員のラリー・ヴィッカーズのタクティカルトレーニングを受講するなど実弾射撃経験も豊富。今まで23年、280冊以上のアームズマガジンと関連MOOKの制作に携わる。