2019/08/16
プロが愛用するコンバットショットガンをエアガンで再現する
心を揺さぶるカスタムガンは人それぞれにあるが、それが必ずしも製品化されているわけではない。例えばたった1枚の写真からその銃の背景を探り同じものを造ってみることもカスタムなのだ。ここでは有名、無名にかかわらず気になった銃を製作、紹介したい。
ウイルソンコンバット/スキャッターガンテクノロジーズTR-870 “Vang Comp Barrel”ボーダーパトロール
ポンプアクションショットガンは第一次世界大戦の塹壕戦から接近戦用に使われ、故障も少なく威力も高いので今なお人気がある。現在までほぼそのスタイルを崩さなかったのは構造がシンプルで、これといったカスタマイズは行なわれずそのまま使われることが多かったからだろう。それでも近年は射撃技術の進化にあわせてショットガンも進化していく。なかでも老舗のカスタムガンメーカーであるウィルソンコンバットはスキャッターガンテクノロジーを傘下に収め精力的に売り込んでいく。スキャッターガンは各部の研磨や調整を行なうことで滑らかで確実に作動するショットガンを製造し信頼を得ている。
今回はアメリカの国境警備隊(ボーダーパトロール)の要求をクリアした18インチバレル仕様を再現してみた。
製作するにあたりベースガンは東京マルイのガスショットガンM870タクティカルをチョイス。フロントとリアサイトは3Dプリンターで製造されたパーツの表面を再仕上げしたものをビスで固定し、レシーバートップはフラット加工を施した。アウターバレルに開けられたガスポートは機械加工により均等な間隔で穴を開けている。サイドシェルホルダーはリアルガン用を使用し、ダミーカートを見せることでリアルさを強調。
素早いサイティングを可能にするゴーストリングサイトを装備。広範囲に広がる集弾性をもつショットガンには最適なサイトだ
樹脂製のターゲット用パートリッジフロントサイトにエクステンションマガジンチューブを装備
レシーバー上部のレールは除去しネジ部を金属用のパテで埋めてからフラットに仕上げている
左右対象に開けられたガスポートの〝ヴァンコンプバレル〞を再現した。均等に開けられたポートが良いアクセントになっている
サイドスリングプレートは充分な強度のある金属製のものをチョイスした。スリングをサイドに装備することでタクティカルテクニックを可能にする
サイドシェルホルダーはTAC STAR製の実物を取り付け、ダミーショットシェルは散弾とスラッグの2種類を向きを変えてキャリーさせた
無駄のないスマートなスタイルとアーマータフ風のカラーリング(その手法は別途公開予定)が施されたことで、スキャッターガンらしさが上手く再現された。
TEXT:IRON SIGHT
この記事は月刊アームズマガジン2019年9月号 P.106~107より抜粋・再編集したものです。