ミリタリー

2026/04/04

F-35B 本格訓練スタート!

 

F-35B 本格訓練スタート!

 

低速で飛行するF-35B。その後空中でピタリと止まり、その場で回った。この飛行機とは思えない挙動こそがF-35B最大の特徴だ

 

次世代ステルス戦闘機として、アメリカにて開発されたF-35―。米空軍をはじめ、世界の多くの空軍が配備する標準型F-35Aをベースとして、短距離離陸・垂直着陸が可能なF-35Bが誕生した。日本は、全長約250mの「いずも」型で運用すべく、このF-35Bの配備を開始。いよいよ本格的な訓練がスタートした。

 


 

 2026年度の防衛予算は、史上初めて9兆円の大台を超え、自衛隊創設以来最大規模と呼ばれるほどの組織改革及び装備体系の見直しを図っている。その一つの象徴となっているのが、“空母” たる新ジャンルの護衛艦の配備だ。これまでメディア等では“事実上の空母” などという呼び方をしてきたが、海上自衛隊では、艦首記号をCVMとすることを発表。このCVMとは、Cruiser Voler Multipurposeの略であり、日本語では「航空機搭載型多機能護衛艦」と呼ぶ。空母とは異なる護衛艦というのが公式見解だ。

 このCVMは、ゼロからつくるのではなく、既存の護衛艦「いずも」及び「かが」を改造する。この2隻の「いずも」型護衛艦は、もともと多数のヘリコプターを運用できるように、艦首から艦尾までフラットになった全通甲板型であった。そこに戦闘機の運用を考慮し、甲板に耐熱及び耐圧処理を行い、かつ甲板面積を広くするため、艦首を拡張した。

 

12月7日新田原基地航空祭が行われ、特別塗装を施したF-35Bが展示された。垂直着陸等で使用するリフトファン用ハッチの裏側には新田原基地のマークが貼られていた

 

新田原基地航空祭において、詰めかけた観衆を前に、垂直着陸を披露。会場からは歓声が上がった

 

 その「いずも」型で運用する戦闘機こそが、F-35Bだ。
 本誌2025年11月号でもレポートしたように、2025年8月4日、まずは最初の機体となる3機が、アメリカ本土から新田原基地へと運ばれた。これに先立ち、2025年3月24日、同基地に「臨時F-35B飛行隊」が新編されており、この部隊が、F-35受け入れ部隊となった。
 そして11月4日から、本格的な飛行訓練がスタートした。まずは操縦資格取得のための基礎的な訓練となり、その内容は離陸後、基地上空で円を描くように飛行しては、減速して短距離で着陸したり、垂直に着陸したりといった動作を繰り返すというもの。同じような手順で夜間の飛行訓練も行われていった。
 筆者も早速現地で取材をしてきたが、低速での着陸や垂直着陸の際は、なかなかの轟音を響かせる。今年1月9日、小泉進次郎防衛大臣が就任後初となる新田原基地の視察を行った。その目的は、F-35Bを視察するとともに、飛行ルートの真下にある「いちご宮崎新富サッカー場」を訪れ、すでに苦情として住民から上がっている騒音問題も確認することだった。この視察を終え、小泉大臣は、記者団に対し、騒音対応にも積極的に取り組んでいくことを表明した。

 

キャプション夜間に行われたF-35Bの飛行訓練。夜空に機体から発せられる独特の“光”をまとい基地上空を飛ぶ

 

駐機中のF-35B。こちらは4号機となる。現時点での配備数は8機。随時配備数を増やしていく


 そして2月7日、新田原基地内にて、F-35B配備式典が行われた。現時点での配備数は8機であるが、随時増やしていき、最終的に42機体制とする。
 来年度よりF-35Bの本格的運用を開始する。それに伴い、2026年中に「臨時F-35飛行隊」は廃止され、「第202飛行隊」が新編される。この部隊は、正式なF-35B部隊となる。また、基地の南側に広がる畑の買収はほぼ終了しており、その新たな土地にF-35B用の施設が作られる計画だ。
 海自による護衛艦「いずも」「かが」の改修は2027年を目途に終了する予定。そこで、早ければ今年にも、「かが」艦上にて、F-35Bの各種試験を行うものと思われる。

 

夕焼けに染まる基地を自走するF-35B。まずはパイロットや整備員の錬成が急がれている

 

戦闘機とは思えない低速で近づき、空中でピタリと停止するF-35B。まるでヘリのような動きだ

 

 

Text&Photos:菊池雅之

 

この記事は月刊アームズマガジン2026年5月号に掲載されたものです。

 

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