ミリタリー

2025/12/31

陸上自衛隊 新型戦闘装甲車AMV “入魂式”【滝ケ原駐屯地】

 

2025年11月上旬、静岡県にある陸上自衛隊滝ケ原駐屯地において、新型の「装輪装甲車(人員輸送型)AMV」が納車され、安全祈願と入魂式が行われた。

 

配備されたばかりでピカピカな状態のAMV。これから練成訓練が始められ、一般への公開は総火演が最初になるだろう

 

 そもそもAMVとは、フィンランドのパトリア社が開発した8輪または6輪の装輪装甲車のこと。初期量産型は2003年に開始され、フィンランドやスウェーデン、クロアチアやポーランドなどが導入を進めている国際基準の車両である。
 この日、滝ケ原駐屯地では、来賓や神職を招いての安全祈願と入魂式が厳かに開催され、先行配備される普通科教導連隊第4中隊の隊員を中心に複数の隊員が参加した。 実は、入魂式といえば主に戦車部隊で行われる行事として知られている。

 

納入されたパトリア社のAMV。日本製鋼所(JSW)によるライセンス生産で、日本独自の改良が施されている

 

車体に設置されているカメラ。四方を監視することが可能で、車内のモニターを通じて外の様子がわかる

 

車体前方に取り付けられている発煙弾発射筒。これは外見で判断できる日本仕様の一つ

 

灯火類は全てLEDとなっており、陸自車両特有装備の管制灯火は国際基準のモノになっている

 

祭典に参加したのは量産10両目となる車体だった。同時に配備されたもう一両は、整備工場で装備品を取り付けているという


 戦車には各部隊を象徴するキャラクターなどのマークが描かれているが、このキャラクターに「ダルマの目入れ」の如く、部隊長などが一筆ずつ「目」を書き入れて、代表装備品に魂を込めるのが恒例だ。
 とはいえ、戦車部隊でしか行われないワケではなく、新しい車両を配備した時には職種を問わず人知れず行われている。

 なお、普通科教導連隊の各中隊にはマスコットとなるキャラクターは設定されていないため、キャラクターへの「目入れ」ではなく、車両の所属部隊を示す「普教-4」の文字を順に書き入れていった。


 この入魂式の前の段階では、神職が警蹕(けいひつ)を上げて降神を行い、その後は祝詞(のりと)を奏上(そうじょう)するなど一連の祭典を行った。これによって、神様のお力添えをいただき、参加者全員で車両運行の安全を祈願するというわけだ。
 なお、普通科教導連隊では第1中隊と第4中隊にAMVが配備される予定だ。遠隔操作できるリモート・ウェポン・システム(RWS)も近日中に装備されるということで、早ければ来年の総火演でその姿を見ることができるだろう。

 

降神や祝詞奏上、玉串拝礼などの各祭典を行う神職。祭壇には神饌が供えられている

 

車体に描かれた部隊表記に筆を入れ、入魂の儀を執り行う普通科教導連隊長の山口1佐

 

筆入れが終わり、記念撮影に応じる富士教導団長の岡部陸将補

 

安全祈願、入魂式を終えて訓示を述べる山口連隊長

 

安全を祈願してお神酒を捧げる隊員

 

祭典終了後には車体の見学会が行われた

 

安全祈願と入魂式に参列した関係者たちによる記念撮影

 


 

TEXT:武若 雅哉
Photos:武若 雅哉/かっつぁん

 

この記事は月刊アームズマガジン2026年2月号に掲載されたものです。

 

※当サイトで掲示している情報、文章、及び画像等の著作権は、当社及び権利を持つ情報提供者に帰属します。無断転載・複製などは著作権法違反(複製権、公衆送信権の侵害)に当たり、法令により罰せられることがございますので、ご遠慮いただきますようお願い申し上げます。

Twitter

RELATED NEWS 関連記事

×
×