エアガン

2025/03/13

タナカ SIG P226エボリューション2 オールヘビーウエイトモデルガンシリーズ

 

SIG系エボ2モデルがオールヘビーウエイトモデルに進化

 

タナカ SIG P226エボリューション2 オールヘビーウエイトモデルガンシリーズ

 

 タナカのSIG P226は同社初のハンドガンタイプのブローバックモデルガンとして1994年に登場した。その後、マグナブローバックシステムを採用したガスブローバックガンが誕生し、他社に先駆けてP226レールドフレームを発売。2010年には新型カートリッジや新素材のバレルを採用して発火性能と耐久性を向上させたエボリューションモデルが登場。そして2019年に特殊ABS樹脂製スライドやバッファースプリングを内蔵したリコイルスプリングガイド、硬質アルミ製のEVO2カートリッジを採用してさらに発火性能をアップさせたエボリューション2モデルが登場している。タナカはP226のバリエーションをもっとも多くリリースしているメーカーであり、タナカのブローバックモデルガンの進化とともに歩み続けているといっても過言ではない。
 豊富なバリエーションを持つタナカのSIG P226モデルガンは1994年に発売された初期型からエボリューションモデルまではヘビーウエイト(Heavy Weight:以下HW)樹脂バージョンが用意されていたが、エボリューション2モデルはフレームのみHW樹脂製だった。そんなエボリューション2モデルに2024年、待望のオールHWモデルが加わった。スライドもHW樹脂製になったことで重量アップとハードなブローバック、さらにブルーイングが楽しめるようになった。
 その他の特徴は従来型を踏襲。音抜けに特化し4つ穴トップを導入した5mmキャップ火薬仕様の硬質アルミ製EVO2快音カートリッジの採用、バッファースプリング付きリコイルスプリングガイド、補強プレートが追加された強化樹脂製バレル、スライドストップ周辺の耐久性向上など、発火性能の向上にプラスして全体に強度と耐久性アップが図られている。

 

SIG系エボ2オールHWモデル共通の特徴

 

SIG系エボ2オールHWモデル共通の特徴
装弾数15発のスチールプレス製マガジン

 

SIG系エボ2オールHWモデル共通の特徴
9mmオートらしい軽快かつシャープで音抜けのよいブローバックが体感できる5mmキャップ火薬仕様の快音カートリッジ9mm parabellum

 

SIG系エボ2オールHWモデル共通の特徴
工具を使わずに実銃同様のプロセスでフィールドストリップが可能

 

SIG系エボ2オールHWモデル共通の特徴
従来のEVO2カートリッジモデル同様、強化バレルとスプリングバッファー付きリコイルスプリングガイドが付属

 

 現在のエボ2オールHWモデルシリーズにはレールドフレーム、Mk25、ウォームシルバーコーティングモデル、そして実銃だけではなくタナカにとっても原点であるアーリーモデルが加わった。それぞれのモデルの特徴をくわしく見ていこう。

 

 

SIG P226アーリータイプ

 

タナカ SIG P226アーリータイプ エボリューション2 オールヘビーウエイト

 

今なお色褪せないP226シリーズの原点

 

 1984年に実施されたアメリカ陸軍のXM9サービスピストルトライアルに、SIG SAUERはP220をベースにダブルカアラムマガジン仕様にしたP226を提出した。そのP226はアンダーレールなしのプレス製スライドを採用した通称アーリータイプと呼ばれている。タナカは1994年に発売された初期型からエボリューション2モデルに至るまで、このアーリーモデルをモデルガン化し続けている。

 

タナカ SIG P226アーリータイプ エボリューション2 オールヘビーウエイト
やや上向きにテーパーがかかったノンレールドフレームと「SIG SAUER」の刻印が施されたスライド左側

 

タナカ SIG P226アーリータイプ エボリューション2 オールヘビーウエイト
スライド右側には「P226」と当時の生産国を示す「MADE IN W.GERMANY」の刻印、さらにシリアルナンバーが施されている

 

タナカ SIG P226アーリータイプ エボリューション2 オールヘビーウエイト
アーリーモデルはプレス製のスライドにスライド前部(ノーズセクション)を溶接するという凝った工法が採用されていた。上面がエジェクションポートに向かってなだらかにカットされているのが特徴

 

タナカ SIG P226アーリータイプ エボリューション2 オールヘビーウエイト
ホワイトラインが縦に1本入ったシンプルなリアサイト。プレス製スライドは平面と曲面が共存している

 

タナカ SIG P226アーリータイプ エボリューション2 オールヘビーウエイト
プレス製スライドはファイアリングピンが収まるブリーチ部分が別体で装着されている。そのためエジェクションポート後方にブリーチの一部が露出している

 

タナカ SIG P226アーリータイプ エボリューション2 オールヘビーウエイト
エキストラクターは内蔵型で、別パーツのブリーチをプレス製スライドに固定するための割りピンが再現されている

 

タナカ SIG P226アーリータイプ エボリューション2 オールヘビーウエイト
現行のP226Rのグリップに比べてややスリムでフラットなチェッカーグリップ

 

タナカ SIG P226アーリータイプ エボリューション2 オールヘビーウエイト
P226を象徴するやや厚みのあるトリガー。アーリーモデルは前面にグルーブが入れられている

 

タナカ SIG P226アーリータイプ エボリューション2 オールヘビーウエイト

 

タナカ
SIG P226アーリータイプ エボリューション2 オールヘビーウエイト

 

DATA

  • 全長:195mm
  • 全高:142mm
  • 全幅:37mm
  • 重量:650g(カートリッジ含まず)
  • 装弾数:15発
  • 価格:¥38,280

 


 

SIG P226レールドフレーム

 

タナカ SIG P226レールドフレーム エボリューション2 オールヘビーウエイト

 

アンダーレールが備わった現行モデル

 

 1990年代後半から2000年代前半にかけてオートマチックピストルのフレーム前部にウェポンライトなどが装着できるアンダーレールが標準化しつつあった。SIG SAUERもP226にアンダーレールを装着したレールドフレームを2002年に発売。また、2000年代前半からスライドの工法がスチールプレスからステンレスのCNC削り出しへと変更された。

 

タナカ SIG P226レールドフレーム エボリューション2 オールヘビーウエイト
レールドフレーム仕様は2002年に誕生しており、当時の社名はSIG ARMSだった。その頃の名残が刻印に表れている

 

タナカ SIG P226レールドフレーム エボリューション2 オールヘビーウエイト
レールドフレームの名称の元となっているアンダーレール。レールの規格は厳密に言うとピカティニーではなくユニバーサルレールである

 

タナカ SIG P226レールドフレーム エボリューション2 オールヘビーウエイト
削り出しスライドはラウンドトップタイプ。アーリーモデル、レールドフレームともにフロントサイトはドーブテイルタイプ

 

タナカ SIG P226レールドフレーム エボリューション2 オールヘビーウエイト
アーリーモデルはブリーチが別パーツだったがレールドフレームはスライドと一体型

 

タナカ SIG P226レールドフレーム エボリューション2 オールヘビーウエイト
削り出しスライドになってからエキストラクターは外部露出型になった。その後のピンの形状も異なる

 

タナカ SIG P226レールドフレーム エボリューション2 オールヘビーウエイト
リアサイトのホワイトドットは樹脂製の別パーツで再現されており視認性は非常に良好

 

タナカ SIG P226レールドフレーム エボリューション2 オールヘビーウエイト
ツーピースタイプのグリップは丸みを帯びているためか意外と握りやすい。グリップ下部にはランヤードを固定するためのホールが設けられている

 

タナカ SIG P226レールドフレーム エボリューション2 オールヘビーウエイト
ややアールが強いP226独特のトリガー。前面のグルーブはオミットされている

 

タナカ SIG P226レールドフレーム エボリューション2 オールヘビーウエイト

 

タナカ
SIG P226レールドフレーム エボリューション2 オールヘビーウエイト

 

DATA

  • 全長:195mm
  • 全高:142mm
  • 全幅:37mm
  • 重量:675g(カートリッジ含まず)
  • 装弾数:15発
  • 価格:¥36,080

 


 

SIG P226 Mk25

 

タナカ SIG P226 Mk25エボリューション2 オールヘビーウエイト

 

ネイビーシールズ制式採用モデルを忠実に再現

 

 XM9サービスピストルトライアルでベレッタ92SB-Fに敗れたP226。両銃ともトライアルの結果はほぼ互角で、決定の背景には様々な憶測が流れている。しかしその後、ベレッタM9のトラブルを受けて、アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズは塩水腐食対策が施されたP226を「Mk24」として採用することとなる。やがて2000年に入りP226レールドフレームが登場。ネイビーシールズはP226RのアンダーレールをユニバーサルレールからMil-1913ピカティニースペックのアンダーレールに変更して「Mk25」として採用した。一見するとP226レールドフレームと同じように見えるが、アンダーレールを見ると違いがわかる。また、スライド左側にアンカー(錨)マークが入っているのもMk25の特徴だ。タナカはMk25を初めてモデルガン化。レールドフレームとの違いが忠実に再現されている。Mk25にもオールHWモデルが追加されたことで手応えがアップした。

 

タナカ SIG P226 Mk25エボリューション2 オールヘビーウエイト
現用銃らしいフレーム先端左側に添付されたUIDコードはアルミ製のセラコート仕上げ。アンダーレールのレール規格はピカティニーレールに変更されている

 

タナカ SIG P226 Mk25エボリューション2 オールヘビーウエイト
フレーム先端右側にはフレームがドイツ製(アッセンブルはアメリカ)であることを表す刻印が施されている

 

タナカ SIG P226 Mk25エボリューション2 オールヘビーウエイト
スライドのブリーチブロックピンは、二重のピンを再現した形状に変更

 

タナカ SIG P226 Mk25エボリューション2 オールヘビーウエイト
スライド左側にはネイビーシールズ仕様であることを示すアンカー(錨)マークが施されている

 

タナカ SIG P226 Mk25エボリューション2 オールヘビーウエイト
デコッキングレバーやスライドキャッチレバーには防錆処理が施されている。マガジンキャッチボタンはチェッカー仕様

 

タナカ SIG P226 Mk25エボリューション2 オールヘビーウエイト
エルゴノミックデザインのグリップは表面に施された滑り止めのテクスチャーが粗めになったことでホールド感がアップしている

 

タナカ SIG P226 Mk25エボリューション2 オールヘビーウエイト

 

タナカ
SIG P226 Mk25エボリューション2 オールヘビーウエイト

 

DATA

■全長:195mm
■全高:142mm
■全幅:37mm
■重量:696g(カートリッジ含まず)
■装弾数:15発
■価格:¥39,380

 


 

SIG P226ST レールドフレーム

 

タナカ SIG P226レールドフレームエボリューション2 “ウォームシルバーコーティング”オールヘビーウエイト

 

オールステンレス仕様をイメージしたシリーズ初のシルバーモデル

 

 メタルソリッドフレームのP226はステンレス製スライドにアルミアロイ製フレームのコンビネーションだが、フレームもステンレス製でシルバー(ステンレスの地肌)仕上げのP226STという限定モデルが存在した。オールステンレス製にしたことで重量が増し、特にターゲットシューティングに適したモデルだったという。そんなオールステンレス仕様のP226レールドフレームをイメージしたモデルを、タナカはオールHWモデルをベースに再現した。表面は同社のデザートイーグル.50AEモデルガンで採用された「ウォーム・シルバー塗装」でフィニッシュ。その名の通りやや暖かみのあるマットシルバーの色合いは重厚感に加えて高級感を醸し出している。トリガーやデコッキングレバー、ディスアッセンブリーレバー、ハンマーなどのスモールパーツはブラック仕上げとなっており、マットシルバーとのコントラストが映える。見た目、重量感ともに満足のいく1挺。

 

タナカ SIG P226レールドフレームエボリューション2 “ウォームシルバーコーティング”オールヘビーウエイト
フレーム、スライドともに重厚感漂うマットシルバーが特徴のウォームシルバー塗装が施されている

 

タナカ SIG P226レールドフレームエボリューション2 “ウォームシルバーコーティング”オールヘビーウエイト
アンダーレールはユニバーサルレール規格。2000年代前半はフレームはドイツで製造され、アメリカでスライドの製造と組み立てが行なわれていた

 

タナカ SIG P226レールドフレームエボリューション2 “ウォームシルバーコーティング”オールヘビーウエイト
P226独特のトリガーやマガジンキャッチ、ディスアッセンブリーレバーなどはブラック仕上げ

 

タナカ SIG P226レールドフレームエボリューション2 “ウォームシルバーコーティング”オールヘビーウエイト
デコッキングレバー、スライドストップといった操作系がすべてフレーム左側に集中しているのがP220/P226系の特徴

 

タナカ SIG P226レールドフレームエボリューション2 “ウォームシルバーコーティング”オールヘビーウエイト
エキストラクターやブリーチブロックピン、チャンバーカバーもブラック仕上げ

 

タナカ SIG P226レールドフレームエボリューション2 “ウォームシルバーコーティング”オールヘビーウエイト
良好な視認性が得られる3ドットシステムを採用。リアサイトのホワイトドットは樹脂製の別パーツで再現されている

 

タナカ SIG P226レールドフレームエボリューション2 “ウォームシルバーコーティング”オールヘビーウエイト

 

タナカ
SIG P226レールドフレームエボリューション2 “ウォームシルバーコーティング”オールヘビーウエイト

 

DATA

  • 全長:195mm
  • 全高:142mm
  • 全幅:37mm
  • 重量:675g(カートリッジ含まず)
  • 装弾数:15発
  • 価格:¥38,280

 


 

 

※記事中の価格表記は掲載時点でのものであり、特に記載のない限り税込みです。また、物価や製造コストの上昇、為替レートの変動により記事中に記載の仕様、価格は予告なく変更される場合があります。あらかじめご了承ください。

 

TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジンウェブ編集部

 

この記事は月刊アームズマガジン2025年3月号に掲載されたものです。

 

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