2024/11/23
ガンケースから出して組み立てて撃つ。この所作がかっこいい自動小銃アーマライトAR-7
この1挺は戦うために作られてきた本物の銃だ。
数奇な運命に導かれ、今はこの日本という平和な地で静かに眠っている。
発射機構を排除され魂を抜かれても、その銃の魅力が廃れることはない。
時代と共に歩んだ歴史を、培われた技術体系を銃はその身を持って示してくれる。
その姿は銃に魅了された我々に新たなる知見をもたらすことだろう。
さあ、今回も無可動実銃のことを語ろう……。
アーマライトの最初の成功作
航空業界で名を馳せるロッキードの特許顧問だったジョージ・サリバンが創立したアーマライトが初めて成功させた銃器がAR-7である。設計にはAR-15の生みの親であるユージン・ストーナーも関わっているが、AR-7よりも番号が後のAR-15のプロジェクトを終えたばかりの開発チームによって作られている。
今でこそ傑作銃として知られているAR-15がアーマライト時代では売れなかった中、AR-7は18カ月で1万挺も製造された。最初という意味ではアーマライトそのものも同様で、AR-7はその名のとおりアーマライトの7番目のモデルでありながらも、社内で大量量産された最初の製品であり、民間向けに提供された最初の銃器でもあった。
AR-7は特殊な銃であり、レジャーから緊急時まで幅広く用いるのにこれほど適した銃は他にはない。現在でも、さまざまなメーカーによって製造が引き継がれているAR-15に匹敵する名銃と断言できるものである。
- 全長:920mm
- 口径:.22LR
- 装弾数:8発
- 価格:¥242,000
- 商品番号:【8014】
アーマライトAR-7エクスプローラー自動小銃
AR-7の原型であるAR-5は、H&R製の.22ホーネット弾のボルトアクションM-4と.22ホーネット弾と散弾の2つのバレルを装備したM-6の後継として開発された。どちらも単発式だったのに対してAR-5は装弾数5発のマガジンを備えるライフルとしてアメリカ空軍に採用されMA-1の名称を得た。この成功でアーマライトは、この種のライフルがサバイバルシーン以外にも応用できると考え、さらなる販路拡大を想定した。
ところがアメリカの核戦略が長距離爆撃機からICBM(大陸間弾道弾)主体に移行したため、新しいサバイバルライフルの必要性は薄れ、しかも既存のM4およびM6ライフルの在庫が10万挺近くあったため、実際に調達されたのはわずか12挺程度と少量であった。軍向けの見込みがなくなったことで、この技術を多く使用したAR-7に期待が寄せられた。実はAR-5が完成する前から、自動小銃に改造するプロジェクトは始まっており、スチールで裏打ちされたアルミ製バレルと中空のストックを持つAR-5によく似たAR-7が誕生する。
AR-7が他のサバイバルライフルと異なるのはボルトアクション式の.22ホーネット弾ではなく、より汎用性の高い.22LR弾仕様のオートマチック式にしたことである。一方で、設計がやや複雑になったことで信頼性の面で問題を抱えてしまった。
軽量ライフルのわりにボルトが重く、口径に対してリコイルスプリングが重く、フィードランプが損傷しやすいためマガジンからの給弾不良も多く、先端が丸い弾頭を使用した高速弾のみを使用することが推奨されている。その弾薬が使えない場合は能力が制限されてしまうが直接チャンバーに装填して単発で撃つことも可能だ。
AR-7は後年の銃器に大きな影響を与えたARシリーズの中でも誕生当時のスタイルを維持したまま後世に引き継がれているモデルといえる。
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TEXT:IRON SIGHT
この記事は月刊アームズマガジン2024年12月号に掲載されたものです。
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