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2024/01/14

レバーアクションライフル狩猟の魅力! We LOVE Lever Action !【Guns&Shooting】

 

We LOVE Lever Action 2
Marlin 336 Modernized
Lever Action

 

 

宿命のライバル!
マーリンとウインチェスターのレバーアクションでディアハンティング!

 

前のレポートはこちら

 

 

 

Modernized Marlin Model 336

 

Marlin Model 336 / Modernized Lever Action Rifle + Vortex Scope
全長:38インチ(約96.3cm)
銃身長:20インチ(約51.6cm)
重量:約4.6kg
口径:.30-30 Win(7.62mm)
装弾数:5+1発(チューブ式弾倉内5発)
(撮影:富山龍太郎)


 改めて富山さんの近代化マーリンをご紹介すると、まず各種アクセサリーを装着するベースとなる特徴的なアルミ製M-LOKハンドガードはMidwest Industries製で、専用のハンドガードアダプターを使って装着している。

 

 

 スコープをマウントさせるためのレイルはXS Sight Systems製のLEVER RAILで、オープンサイトとして同社製のGhost Ring Sightをレイル上に搭載。これらは全てマーリン336用で、いわゆる“ポン付け”、すなわち特別な加工なしでそのまま装着できるものだ。

 

 30mm径のスコープはVORTEX製のSTRIKE EAGLE 1-6×24。ハンドガードの右側面に装着している.30-30実包2発を挿せるスペアカートリッジホルダーはHoptic USA製の.30-30 Quiverだ。これを使いこなすと薬室やチューブ式弾倉へ右手で素早く追加装填することが可能となる。

 

マーリン336の排莢口はレシーバーの右側面にある。このデザインによりレシーバー上面にスコープを容易に搭載することができる。このページの画像3枚は富山さんがご自身で撮影したものだ
(撮影:富山龍太郎)

 

 他にハンドガードに装着しているアクセサリーはMAGPUL製のハンドストップと滑り止めのレイルカバー、それとスリングスウィベルだ。レバーにはパラコードが巻き付けてある。

 

 実は筆者、愛用のウインチェスター1895にスカウトスコープを搭載する際に、近代化レバーアクションのエアソフトガン(ガスガン)でスカウトスコープの使い勝手をテストしたことがある。そのトイガン本体は昔の西部劇によく登場したウインチェスター モデル1892だったが、それに今回ご紹介のM-LOKハンドガードを搭載したトイガンがちょうど新発売されたのだ。

 

ハンドガード右側面に取り付けられた.30-30 Winを2発挿せるスペアカートリッジホルダー。右手だけで薬室やチューブマガジンへ素早い追加装填を可能とするアイテムだ
(撮影:富山龍太郎)

 

 愛用のウインチェスター1895には、マーリンのようにポン付けできるスコープマウントがないため、XS Sightのレイルマウントのマーリン モデル1894用を流用し、ガンスミスに依頼して銃本体にネジ穴を加工して取り付けなければならなかったので、その前にトイガンで試してみた次第だ。

 その際に、富山さんのように各種レイルアクセサリーを装着して、思いのままに銃をセットアップする楽しさを体験した。だから実銃でこれをやられている富山さんが、とても羨ましい。

 

ウインチェスター94や1895はレバーの軸が1点ではないので、レバーがややカクカクとした動きをするが、マーリンのレバーは完全な1点軸で可動するため操作がスムーズだ
(撮影:富山龍太郎)

 

 マーリン336用のこれらのパーツは日本では流通していないため、欲しければ個人輸入となる。当然ながら経済産業省の輸入許可手続きが必要で、銃を所持していないと輸入許可の対象とはならないのでご留意いただきたい。

 


 富山さんのマーリン336の命中精度は良好だ。グルーピングテストの結果を拝見させていただいたが、50mでのグルーピングは1円玉大だ。これなら巻狩りや忍び猟でじゅうぶんな性能を発揮できる。富山さんに、狩猟用ライフルにレバーアクションを選んだ理由を尋ねたところ、「既にボルトアクションを持っていたが、自動以外のライフルが欲しかった」とのことだ。

 

スコープに合わせて頬付けの高さを調整するために装着しているチークパッドはEagle製のShooter's Rifle Stock Pad。右側面に.30-30 Winを5発挿せる

 

レバーアクションの楽しみ


 今となっては、やや旧式のメカニズムとなっているレバーアクションだが「実は狩猟に適している」という意見をよく聞く。本誌Vol.19 2021年春号のモスバーグ500コンボの記事にて、ガンショップ ジービーの冨永さんがポンプアクションの実用性について語っていらっしゃるが、ライフルでは同じようなことがレバーアクションについて言える。

 

VORTEX(ボルテックス)製のSTRIKE EAGLE(ストライクイーグル) 1-6×24mmスコープ。ショートレンジからミッドレンジまでカバーする。日本ではサイトロンジャパンがVORTEXスコープの販売代理店となっている

 

 すなわち、レバーを少し開ければ薬室に弾があっても安全な状態を保つことができ、いざ必要になれば自動銃より短い時間で静かに発射可能な状態にもできる。練習すればボルト式よりもはるかに速いサイクルで連射が可能だ。弾が全く入っていない状態からもレバーを開き、素早く薬室へ弾を装填することができるし、そのまま続けて銃を構えた状態で、チューブ式の弾倉へ右手だけで弾を次々と装填することもできる。

 

 このような高い安全性と即応性、操作性を備えているのがレバーアクションライフルだ。そして日本でレバーアクションの定番とされるウインチェスター94とマーリン336には「軽量で持ち運びが楽」という大きなメリットがある。

 

Midwest Industries製M-LOKハンドガードに専用のハンドガードアダプターを装着している。スペアカートリッジホルダーはM-LOKスロットによって固定されている


 19世紀のアメリカ西部開拓期は、銃が最も進化を遂げた時代だ。そこではレバーアクションとポンプ(スライド)アクションのライフルと散弾銃がそれぞれ開発・発売され、民間市場で一定の成功を収めた。だがポンプアクションのライフルはすぐに淘汰され、レバーアクションの散弾銃は20世紀になってからしばらくして姿を消した。

 

Winchester Model 1895 + Scout Riflescope
全長:42インチ(約108cm)
銃身長:24インチ(約61cm)
重量:約3.6kg
口径:.30-06 SPRG(7.62mm)
装弾数:4+1発(固定式箱型弾倉内4発)

 

 ライフルと散弾銃では、それぞれ相性の良い機構があるということだ。ライフルでは先台が動く=ガタつくポンプ式は精密射撃に不向きだ。散弾銃では単純にレバー式よりポンプ式の方が圧倒的に使いやすい。筆者はレバー式散弾銃のウインチェスター モデル1887(イタリア製レプリカ)とポンプ式散弾銃のウインチェスター モデル97(モデル1897)を所持しており、実際に使ってこれは明らかに分かる。

 

 一方でレバー式のライフルは20世紀になってボルト式や自動式にとって替わられたが、それでも限定的な用途で生き残った。すなわち遠くない距離でのハンティングと“歴史的な楽しみ”というジャンルでだ。

 

筆者のウインチェスターモデル1895には、Vol.20でご紹介したShotKamガンカメラを装着している。獲物を仕留める様子を録画するつもりだった


 ところで富山さんのマーリン336も、筆者のウインチェスター1895も「軽量で持ち運びが楽」というレバーアクションライフルの最大のメリットを失っている。

 

 富山さんのマーリンは金属製のハンドガードを搭載した時点で、筆者は.30-06を撃てる大型のモデル1895を選択した時点で。軽量というメリットを失ってまでレバーアクションを愛用するのは、実用性云々よりも、実は「カッコイイから」というのが正直な理由だ。レバーアクションの最大の良さは、ズバリ「カッコイイ」ことだと筆者は思っている。

 もちろん「カッコイイ」の基準は人それぞれだが、レバーアクションにはカウボーイのイメージがあり、そのカッコ良さはもはや問答無用だ。

 

筆者のウインチェスター1895の口径は.30-06。箱型弾倉なので先の尖った弾が使える。併せてラウンドノーズ弾も携帯し猟場の状況によって弾頭を使い分ける

 

 遠くない距離での鹿猟など、自分がしたい用途での要件を満たし、安全な取り扱いに問題ないのであれば、「カッコイイを理由に愛銃を選んで何が悪い」というのが筆者個人の持論だ。

 

 好きな銃を使うことでモチベーションも向上する。自動車だって走行性能以外に「カッコイイ」でマイカーを選ぶこともあるだろうし、自動車メーカーだって自社の車をカッコ良くするために、多くの予算や時間、労力をつぎ込んでいるハズだ。銃だって同じだと思う。
 もし貴方がレバーアクションの銃に魅力を感じていらっしゃるなら、この機会に所持されてみてはいかがだろうか。

 

スカウトスコープで獲物を探すものの見つからない。ウインチェスター1895の排莢方向は真上だ。そのためスコープをレシーバーの上に載せることができない。そこで通常のスコープならサイドマウントとなるが、筆者はロングアイリリーフスコープを選んで銃身上にフォワードマウントしている

 

TEXT:トルネード吉田

ロケ撮影:玉井久義

 


 

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この記事は2022年3月発売「Guns&Shooting Vol.21」に掲載されたものです。

 

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