2023/10/22
【海上自衛隊】中国海軍を牽制!?「いずも」&「かが」の長期訓練航海について
「いずも」&「かが」
南シナ海とインド洋を長期訓練航海
■中国海軍を牽制!?
海上自衛隊が2017年以来、南シナ海からインド洋への訓練航海を毎年実施していることをご存知だろうか?
1ヵ月以上にわたる航海のなかで、東南~南アジア各国海軍との共同訓練を通して、海上自衛隊の戦術技量向上と連携強化を図ることが目的であると発表されている。その一方で、海洋支配への野望を隠さない中国海軍への牽制という意味があることは間違いないだろう。いわゆる日本版「航行の自由」作戦である。
また、この訓練航海は海上自衛隊の最新鋭艦である「いずも」型ヘリコプター搭載護衛艦が参加していることが注目される。2017年と2019年に「いずも」、2018年は「かが」が参加している(今年は9月7日より「かが」と汎用護衛艦1隻が派遣されている)。
■フランス空母「シャルル・ド・ゴール」との共同訓練
航海は、ベトナムやマレーシア、フィリピン、シンガポールなどの港を回り、インド洋ではインド海軍との共同訓練も実施している。また、昨年2019年には同じ時期にインド洋方面への派遣訓練を行なっていたフランス海軍の空母「シャルル・ド・ゴール」を中心とする艦隊(TF-473)との訓練を行なった。これは、オーストラリア海軍、アメリカ海軍も参加する、国際色豊かなイベントとなった。
■立入検査隊
海上自衛隊の護衛艦には一隻ごと「立入検査隊」が置かれている。これは不審船舶などに移乗しての立入検査を実施するための、いわゆるボーディング・チームである。現代において、大量破壊兵器の拡散やテロリズムの蔓延を海上において阻止するMIO(海上阻止行動)は、各国海軍の主要や役割の1つであり、海上自衛隊も同様である。各国ボーディング・チームとの共同訓練もまた、訓練航海のなかで実施されている。
海上自衛隊は西太平洋で有数の戦力を持った組織であり、アジア各国との共同訓練を通して、地域の安定と平和に貢献しているのである。
『海上自衛隊 BATTLE RECORDS』
本記事で一部紹介した、立入検査隊、特殊部隊SBU、水陸両用作戦――海上自衛隊の活動を掲載した一冊が好評発売中だ。ミリタリーフォトグラファー、菊池雅之氏による膨大な海上自衛隊取材のうち近年の国際派遣や共同訓練などを中心に、戦後から現代までの歴史や将来に向けた新型艦計画まで、読み応え充分な内容となっている。ぜひお手に取ってご覧いただければ幸いだ。
PHOTO:菊池雅之
TEXT:アームズマガジンウェブ編集部
※こちらの記事は2020年9月23日に掲載されたものです。
Arms MAGAZINE WEBでは気になるエアガン&サバゲー情報を毎日発信中!! 気になる方は公式X(Twitter)を要チェック♪
※当サイトで掲示している情報、文章、及び画像等の著作権は、当社及び権利を持つ情報提供者に帰属します。無断転載・複製などは著作権法違反(複製権、公衆送信権の侵害)に当たり、法令により罰せられることがございますので、ご遠慮いただきますようお願い申し上げます。