2023/06/20
【陸上自衛隊】第1空挺団×米英豪軍による降下訓練展示【後編】
第1空挺団×米英豪軍
陸上自衛隊習志野演習場で一般公開された令和5年「降下訓練始め」では米英豪軍も加わり、島嶼防衛を想定した訓練展示が行なわれた。中でも地上訓練展示は立体的かつスピーディに動く空挺部隊の特性が感じられるもので、それぞれに特徴を持つ日米英豪の精鋭の姿を同時に見られたのは興味深かった。今回は米英豪軍の様子を中心に「降下訓練始め」の様子をレポートする。
新しい国際秩序の胎動
第1空挺団は降下訓練始めに先立ち米、英、豪の空挺部隊指揮官を参集し「令和5年 国際空挺指揮官会議」を実施している。本会議では現在の情勢や今後の空挺部隊の運用について理解を深め、相互運用性や連携強化を図ることで、「インド太平洋地域の平和と安定のため空挺部隊が果たすべき役割」について討議。日米英豪空挺部隊指揮官の連携強化を示した。なお、本会議に参加した指揮官等も降下展示を実施した。
約80年前の大東亜戦争において戦火を交えた各国が、「インド太平洋地域の平和と安定」という御旗の下に集結し、その連携と士気を内外に示したことは大きな歴史の転換点だといえるだろう。ウクライナ戦争が長引く一方で、日本周辺では台湾・尖閣有事が危惧される昨今。地域の安定化に我が国が担う責任は急速に増大しており、降下訓練始めからも垣間見えたといえるだろう。
Text & Photos : 笹川英夫
構成:神崎 大
取材協力:陸上自衛隊 第1空挺団、陸上総隊報道官
この記事は月刊アームズマガジン2023年3月号に掲載されたものです。
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