2023/05/25
【陸上自衛隊】プロ格闘家の小笠原瑛作選手と陸自格闘指導官の訓練交流
栃木県の宇都宮駐屯地に所在する陸上自衛隊中央即応連隊。同隊は海外派遣任務も想定して編成された陸上総隊直轄部隊であり、任務の性格上CQC(Close Quarters Combat:近接戦闘)が重視される部隊としても知られる。そんな彼らへの密着取材に、キックボクサーの小笠原瑛作選手が参加。現役のプロ格闘家が猛者揃いの中央即応連隊の訓練を実際に追体験するという、夢のような特別企画が実現した。
訓練交流を終えて
小笠原瑛作選手を迎えた格闘交流を終えて、5名の格闘指導官から小笠原選手への質問が寄せられ、朗らかな座談会形式を取りながらの質疑応答となった。闘いのプロフェッショナルたちにとって現役格闘家はどう映ったのだろうか?
■練習量を教えてください
1日5時間位をトレーニングに使いますが、最近はトレーニング後のマッサージにも時間をかけるようになってきました。若い頃はがむしゃらにラッシュして、それに見合うスタミナを付けて…と練習した思い出がありますが、今はより冷静に考えていて、何のためかという意味も考えながら練習するように変化してきました。
■格闘家としての苦労は?
所属団体の試合は年間5回程はあり、試合間の体調には気を使いますし、ハイレベルな選手との試合前には追い込まれるストレスもあります。プロデビュー当初は27歳位で引退を考えていましたが自分の予想よりも勝ち進んで来られたので、この先は気持ちと身体、そして戦績もついて来る間は、観客にも応援してもらえる選手であり続けたいと思います。
■中即の格闘指導官の印象は?
打撃系格闘技経験のある与羽3曹とマススパーリングをした際には、簡単には足払いが効かないタフさと格闘技経験、自衛官らしい体幹の強さを感じました。格闘指導官の皆さんは日々の訓練で培った体力があり、それを土台にメンタル面もしっかり鍛えている印象でした。
■装具をつけてCQC体験した感想は?
現実の戦闘を意識したチーム行動や格闘は、動きのすべてに明確な目的が感じられますね。敵が仕掛けてくる攻撃を予想した上での動きであったり、フォーメーションでの行動には理由があって、それは格闘技にも通じるものを感じました。自衛官の方々の動きは“戦闘で勝つため”という目的が強く感じられ、自衛隊の任務のリアルさを感じました。ヘルメットや防弾チョッキ、ダミーガンも重たくて、これらを身に付けた上でキックボクサーの得意技を出すのは難しいと思いました。
KNOCK OUT- RED フェザー級王者
小笠原 瑛作
Profifile
- 1995年9月11日生
- 東京都武蔵野市出身
- 多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科卒業
- 身長:171cm、体重:63kg
- 血液型:O型
- Instagram @eisaku911
- Twitter @eisakulaion
キックボクサー/戦績
- 50戦42勝(21KO)7敗1分(2023年3月5日現在)
- 第2代KNOCK OUT-REDフェザー級王者
- 初代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者
- ISKA世界バンタム級王者(K-1ルール)
- WPMF世界スーパーバンタム級王者
所属ジム
- クロスポイント吉祥寺 https://www.shibukichi.com
所属団体
- KNOCK OUT https://knockoutkb.com
俳優としての出演作
- 映画『阿彦哲郎物語』(2023年公開予定)
- 映画『ちっちゃいサムライ』(2023年公開予定)
- 映画『きみの瞳が問いかけている』(2020年)
最新情報
2023年3月5日、東京・国立代々木競技場第二体育館にて開催された『NOCK OUT 2023 SUPER BOUT “BLAZE”』で、KNOCK OUT-REDフェザー級王者の小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺)は、タイ・スポーツ庁認定の2022年ムエタイMVPに輝いた強豪ロンナチャイ・トー .ラミンスター(タイ)と対戦し、3R判定(29-28、30-28、30-27)で勝利を収めた。
Photo:笹川英夫
Text:神崎 大
格闘展示:小笠原瑛作
協力:陸上自衛隊 中央即応連隊、同連隊施設中隊、陸上総隊報道官
この記事は月刊アームズマガジン2023年5月号に掲載されたものです。
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