実銃

2023/09/18

【実銃】『ジョン・ウィック:パラベラム』で使用された「SIG MPX」「ベネリ M2」カスタムモデル【Chapter 4】

 

JOHNWICK

PARABELLUM

銃器

 

 

 『ジョン・ウィック』シリーズは独特な世界観を持つ娯楽作品だ。派手なガンアクションが全編を貫いており、登場する銃器はどれも入念な検討の上に選ばれ、強い個性を発散、出演者と共に物語を盛り立てる存在となっている。

 シリーズ3作目『ジョン・ウィック:パラベラム』で使用された銃について、その主なものをここに集めてみた。それぞれの銃の来歴を知っておけば、映画をもっと楽しめるだろう。

 

前回はこちら

 

※この記事は月刊ガンプロフェッショナルズ2019年11月号に掲載されたものです。

 

 


 

Q展示品のコルトやレミントンの古いリボルバーをバラして1挺の銃に組み上げるシーンがありますが、これはどういった経緯で加えられたのでしょうか。


A: チャド監督は古い映画のファンでセルジオ・レオーネ監督の『続・夕陽のガンマン』でイーライ・ウォラックが同じような事をするシーンに思い入れがありました。それの現代版をやれないかと相談を持ちかけられ、現代リボルバーを使ってアイデアを考えましたが中々難しく、結果的にオールドリボルバーが好きな監督はそのままレミントン1875などを使い撮りました。

 

劇中で使用されたTTIがカスタマイズしたSIG MPXカービン。回転式ボルトを内蔵するガス作動方式でPCC(ピストルキャリバーカービン)部門で大きな人気を誇る。注文内容によるがTTIでは$3,499.99からのスタートだ

 

 劇中ではシリンダーを回転させてカチカチ…と作動音を聞くところまで再現していますね。組み立て後に敵の頭に1発食らわすだけですが、当初はスリップシュートでバンバン敵を倒すという場面も考えておりました。

 

前作の撮影で使用されたTR-1ウルトラライト(写真上)との比較

 

トリジコンMROとレーザーサイトを内蔵するストリームライトTLR-8をマウント。TLR-8の取り付け位置は側面では距離により左右のズレが生じるため、このポジションにしている。市販ではクリムソントレースのレイルマスター(グリーンレーザー)も選べる

 

TTIアルティメットMPXマグウェルにHOUGEグリップを組み合わせている

 

TTIが発注したオリジナルデザインのBCMストック。TTI市販版では主にVltor EMODストックを装着

 

ランサーのカーボンファイバー製ハンドガードにTTIグランドマスターテクスチャー(シリコンカーバイド)が施され、BCM 3インチレイルセクションを装着している。コンペンセイターはTTIの9mm用。本来のバレルのネジピッチが異なるので1/2×28に加工し直して装着している

 

TTI+10ベースパッドを装着しランサーのX-Cinchマグカプラーで結合

 

操作性を大幅に向上するRadian Weaponsのラプターチャージングハンドル

 

映画のモデルでは無加工のトリガーが組み込まれているが、TTIではこのハイパファイア24リフレックストリガー(イクリプス/3G/24C)を組み込み、トリガージョブを施す。実測すると約1kgのトリガープルであった

 

 

モロッコで敵が使用し、ソフィアも一瞬奪って使用するMPX

 

SIGロミオ3をマウント

 

映画に登場するTTIベネリM2。各種TTIパーツと共にチューンナップを施し、21インチバレルにNordicマガジンエクステンションチューブを装着し、装弾数を8発に引き上げている。価格は$2,899.00

 

前作(JW2)で使用したTTIベネリM4との比較。2作目でもM2が予定されたが諸事情で準備時間がなく空砲作動させやすかったガス作動方式のM4が選ばれた

 

イオンボンド仕上げの軽量ボルトキャリアにはTTIアルティメットチャージングハンドルが備わり、TTIオーバーサイズドボルトリリースも含め、全体の操作性はかなり向上している。エジェクションポートの直ぐそばにあるマッチセイバーズ(MatchSaverz)で固定された1発の予備弾は、初弾をエジェクションポートから直接装填できる3ガン競技におけるベネリの必須アイテムで、撃ち尽くしてホールドオープンしても、指で弾を摘み後ろにスライドさせながらレシーバーに放り込めるので速やかに発射準備が整う(その様子は2作目に引き続き3作目でも行なっている)

 

 

ストックのグリップ部分とハンドガードにはスティップル加工が施されている

 

レシーバーのローディングポートは拡張され、TTIカスタムリフター/シェルキャリアを内蔵。クアッドロードをしても指が挟まれにくくなっている

 

タランが愛用するショットシェルキャディ(サファリランドのモデル86ダブルショットガンシェルホルダー)。クアッドロードがしやすいように12発をこのように装着できる。​​​​​​縦、横、斜めは好みによるがタランは縦位置に固定する。映画では最新の防弾装備で身を包んだ敵勢力に対し、9mmでは苦戦を強いられたジョンとシャロンが、スチール入りアーマーピアシングスラグ弾に途中で切り替えて巻き返す

 

クアッドロードの方法。ベルトに備えたキャディから4発をこのように掴み取り、逆さにしたレシーバーのローディングポートに2発ずつ流し込むように装填する。映画では長回しで何度も装填を繰り返しながら敵を葬り続けるジョン・ウィックの姿が後半のガンアクションを盛り上げる

 

クアッドロードを特訓中のキアヌ。大体1ヵ月で習得したという

 

 

 

続きはこちら

 

TEXT&PHOTO:Gun Professionals LA支局

Special thanks to Taran Butler, Gary Tuers, Chad
Stahelski, and Keanu Reeves.

 

この記事は月刊ガンプロフェッショナルズ2019年11月号に掲載されたものです。

 


 

『ジョン・ウィック』シリーズ最新作を観る方にオススメ!!

月刊ガンプロフェッショナルズ 2023年10月号

 

 

 キアヌ・リーブス演じる伝説の殺し屋ジョン・ウィックの最終決戦が描かれる第4作目『ジョン・ウィック:コンセクエンス』が、いよいよ9月22日に日本でも公開される。この映画でジョンは様々な銃を使いながら戦いを進めていくが、今月号のガンプロフェッショナルズではメインとなる3機種について、デザインを手がけたタラン・バトラーのインタビューを交えながら詳しくご紹介している。登場銃について知ることができるので、上映前にぜひご一読いただきたい。

 


 

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