2022/12/27
リアルで重厚感が漂うフォルム!東京マルイ「U.S.ライフルM14 ウッドストックver.」
東京マルイの数ある名銃の中から毎月1挺をキャストさんと一緒にフカボリする本企画。
今月は電動ガンスタンダードタイプの「U.S.ライフルM14 ウッドストックver.」をご紹介します。動画で分かりやすくまとめていますので、ぜひ動画もご覧ください。
電動ガンスタンダードタイプのU.S.ライフルM14 ウッドストックver.(以下M14)は2005年の8月に発売された。M14が発売された時点で東京マルイの電動ガンは発売からおよそ15年が経過し、2000年以降、ディテールの再現性向上に加えて新規メカボックスや金属製パーツの積極的導入などにより、トンプソンM1A1やP-90、SG552シールズといったリアルさにこだわった製品がリリースされるようになった。今回紹介するM14や、この後に発売された89式5.56mm小銃はその象徴的存在である。
実銃のM14は、第2次世界大戦時におけるアメリカ軍の制式小銃であったM1ガーランドの後継機種として1957年に制式採用された。口径は7.62mm×51弾、M1ガーランドと同じガス圧利用の作動方式、セミ・フル切り替え可能で、装弾数20発のボックスマガジンを採用していた。1964年から本格的に介入したベトナム戦争に投入されたものの、狭いジャングルでは取り回しにくく、7.62mm×51弾はハイパワーだがフルオートでコントロールしにくく現場の兵士からは不評だった。
そこでAR-15がM16として制式採用され、M14と置き換えられることとなった。M14が制式採用された当時、ミリタリーサービスライフルのトレンドはすでにアサルトライフル&小口径化に向かいつつあり、その点でもM14は時代遅れただった。制式小銃としては短期間の採用にとどまったが、イラク・アフガニスタン戦争において再び注目され、倉庫に保管されていたものをベースにスコープを装着したりストックを換装するなどしてDMR(ディジグネイテッド・マークスマン・ライフル)としてモダナイズされたモデル(Mk14、EBR、EMR)が実戦投入されて成果を上げた。
東京マルイはM14を無可動実銃からの採寸や海外取材などを通してリアルに再現。バレルやレシーバーなど主要構成パーツはアルミやダイキャスト素材を使用。ボルトはオペレーティングハンドルを引くことで前後にストロークさせることが可能だ。トリガーガードを外すと実銃と同じくストックとバレル&レシーバーアッシーに分割できる。M1ガーランド譲りのレシーバー内にメカボックスを組み込むために、コンパクトでスリムなバージョン7メカボックスを新たに開発。ホップアップ調整用のダイヤルは外観を損ねないようにマガジンハウジング内に設けられている。ストックはオーソドックスな木製タイプストックと、現用のグラスファイバーストックを再現したファイバータイプODストックの2種類を用意。ちなみに、豊富なラインアップを誇る東京マルイの電動ガンスタンダードタイプの中でも木製ストック付きを再現した製品はAK47(AK47Sはハンドガードのみ)、トンプソンM1A1、そしてM14しかない。
全長が1,127mm、重量が約3.8kg(バッテリー含まず)もあることから構えた時の手応えはまさに大口径のバトルライフルそのもの。アルミ一体型アウターバレルや金属製レシーバーなどにより剛性感は申し分ない。実銃同様にセミ・フル切り替えできるが、ボルトアクションライフルのようなストックと相まってセミオートが似合っている。マガジンの装弾数は70発、連射マガジンの装弾数は440発。オプションで専用スコープマウントベースが用意されている。
木と鉄から作られたM14はポリマー樹脂を多用した現用銃とは異なる武骨でアナログな雰囲気が漂う。M4A1カービンなどに比べると扱いにくい部分はあるが、それを認識したうえで敢えて使うユーザーもいる。一度その魅力にハマったら病み付きになる、M14はそんなライフルだ。
横長のスリットが特徴的なフラッシュハイダーはフロントサイトと一体式。その基部下側にあるのがバヨネットラグ(銃剣止め)。ハイダーを外すと14mm逆ネジが現れる
M14はガス圧作動方式を採用しているため、バレル前方寄り(ストック前部)にバレル下部に開けられた穴から発射ガスをガスピストンに導くためのガスブロックが設けられている
バレルを覆うように設けられた実物から採寸を行なったリアルなハンドガード。実物のハンドガードは当時としては珍しいグラスファイバー製だった
発射ガスがガスピストンに流入し、バレル下部にあるガスピストンと直結しているオペレーティングロッドとオペレーティングハンドルが後退、ボルトを押し下げる。発射のたびにボルトとともにオペレーティングロッドとオペレーティングハンドルは前後動する
M1ガーランド譲りのレシーバーはダイキャスト製。リアサイト前方にある三角形状のブロックは専用スコープマウントベースを装着する時に用いる。M1ガーランドはクリップによる装填方式だったが、M14は着脱式のボックスマガジンによる装填方式へと変更された
レシーバー左側にはボルトキャッチ(ダミー)と、その前には専用スコープマウントベースを装着する時に用いるネジ穴とスリットが設けられている
オペレーティングハンドルを引くとダミーボルトが回転しながらフルストロークで後退する。作動させた時の金属パーツが奏でる共鳴音もいい感じ
レシーバー右側、オペレーティングハンドルの最後端にセレクターレバーが設けられている。右利きの射手がショルダーポジションで構えたまま切り替えるにはグリップしている右手をストックから離して操作しなければならない(写真はフルオートポジション)
実銃同様に調整可能なリアサイト。左側のダイヤルはエレベーション(上下)、右側のダイヤルがウインデージ(左右)となっている。エレベーションダイヤルをUPの方向に回すとピープ部分がせり出してくる。ウインデージダイヤルを回すとリアサイトの台座部分が左右に動く
M1ガーランドと同じくマニュアルセーフティはトリガーガード前方に設けられている。素早い操作にはあまり適していないが、感覚的にオン・オフが掴みやすい
M14の特徴であるストックは樹脂製ながら木目がリアルに再現されている。このウッドタイプ以外にファイバータイプODタイプが用意されている
ショルダーレストは実銃同様に跳ね上げることができる。バットプレート中央にあるトラップドアを開けるとバッテリーコンパートメントにアクセスできる
ホップアップ調整用のダイヤルはマガジンハウジング内部前方に設けられている
リアルなスチールプレス製のアウターケースを採用したボックスマガジン。装弾数は70発
M14用に開発されたバージョン7メカボックス。3枚のギアが収まる部分がコンパクトになり、モーターハウジングがストックの形状に合わせて水平に近い角度で取り付けられている。ノズルがシリンダーヘッド中央のではなくバレルの軸線に合うように上方にオフセットされて装着されている。セレクターレバーが右側にあることからスイッチ関連のパーツが右側にある。メカボックスのケースはダミーボルトを後退させた時に目立たないようにブラックアウトされている
DATA
- 全長:1,127mm(ショルダーレスト収納時)
- 重量:3,850g(空マガジン装着、バッテリー含まず)
- 装弾数:70発
- 価格:¥50,380
- お問い合わせ先:東京マルイ
TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジンウェブ編集部