ミリタリー

2022/06/25

【陸上自衛隊】対抗部隊と交戦!! 演習で見た水陸機動団の実力

 

目標地域に前進。対抗部隊と交戦。

 

 令和3(2021)年10月27日~29日、「令和3年度 第2回水陸機動団演習」が、熊本県の陸上自衛隊大矢野原演習場で実施された。状況(想定)は敵(対抗部隊)に上陸された島を、水機団の第1連隊上陸隊が水陸両用作戦により奪還するというものだ。前回は上陸から障害処理の様子をレポートしたが、今回は陣地構築、そして敵との交戦の様子をご覧いただこう。

 

令和3年度 第2回水陸機動団演習についてはこちら

上陸から障害処理の様子はこちら

 


 

 

陣地構築

 

 内陸へと進んだ連隊上陸隊は林縁部を活用し巧みに偽装された陣地を築いて敵制圧を試みる。特科の射撃陣地が構築され、敵砲迫を観測する対迫レーダ装置P13(敵の砲弾をレーダーで捉え、発射位置を測定して対砲兵射撃に活用する)も配置された。

 

対迫レーダ装置P13

 

化学攻撃を受けた想定で防護マスクを着用し、射撃を継続する特科第1中隊の第1砲(120mm迫撃砲RT)。彼らはいかなる状況下でも火力を発揮できるように訓練される。前線の要請から射撃までは時間との勝負となる

 

目標地域に前進

 

 連隊上陸隊の普通科中隊は対抗部隊に占拠された目標地域に向かい前進する。その動きは速く、カメラを担いで撮影する私はときどき小走りしないと追いつけなかった。普通科中隊の各小隊は連携し、丘へと速やかに進出。奇襲的に敵(対抗部隊)を圧迫する。

 

前進する連隊上陸隊の普通科中隊

 

布が巻かれ入念に偽装された89式小銃。演習の判定のためレーザー交戦装置が装着されている

 

普通科では敵装甲目標や陣地破壊などのため、携行式の84mm無反動砲(84RR)が用いられる。水機団には84mm無反動砲(B)として導入された改良型のカールグスタフM3がいち早く配備された

 

敵がついに後退

 

 連隊上陸隊の攻撃に対する彼らの必死の防御も虚しく、後退を余儀なくされる敵(対抗部隊)。陣地を放棄せざるを得なくなった彼らは、連隊上陸隊の追撃を遅滞させるため、小銃手や機関銃手の援護を受けつつ離脱経路上に多数の地雷を敷設し、後退する。

 

敵味方識別のため、鉄帽はカバーを外し赤テープが巻かれている

 

離脱経路上に多数の地雷を敷設する対抗部隊

 

車輌に乗車して素早く離脱する対抗部隊。この数分が彼らの生死を分ける

 

 今回はAAV7に乗車した水陸機動連隊の普通科に同行し、その様子を取材、レポートさせていただいた。この全容は月刊アームズマガジン2022年5月号に掲載されている。気になった方はぜひご覧いただければ幸いだ。

 また月刊アームズマガジン2022年6月号では20式小銃についてもレポートしている。そちらも併せてご覧いただきたい。

 

 

Text & Photo : 笹川英夫
取材協力:陸上自衛隊 水陸機動団/陸上総隊

 

この記事は月刊アームズマガジン2022年5月号 P.205~207をもとに再編集したものです。

Twitter

RELATED NEWS 関連記事

×
×