2019/10/21
トイガンリアル仕上げ術(コルト M16A1編)【後編】
トイガンに模型の塗装術を応用し、使い込まれた実銃の持つリアルさや凄みを表現する!
M4の源流ともいえるコルトM16A1を、実銃に近い塗装を施していく。
前編では、ひととおり実銃のディティールをチェックしたところで、今度は東京マルイ製M16A1電動ガンを実銃の雰囲気に近づけるための作業を行なおう。今回のような長物は全塗装となるとかなり大変なので、実銃と色味が近いレシーバー周りはなるべく元の仕上げを活かし、その他のパーツを部分塗装したり表面処理を施す形で仕上げていった。
トイガンリアル仕上げ術(コルト M16A1編)【前編】はコチラ
ハンドガードはゲート跡が大きく目立つのとパーツ端にカエリが出ている感じだったので、ヤスリで削って均す
アウターバレルは切削跡を再現したモールドがあるため、それを消さないようサンディングブラシ(ナイロン製)を装着したリューターでパーティングラインを処理する。
M16の樹脂製ハンドガード、グリップ、ストックは、実銃写真を見るとかなり表面が荒れている。そこで、キッチンペーパーでMr.ツールクリーナーを塗布し、表面を叩くようにして荒らしていくと実銃パーツに近い雰囲気になった。
アッパー&ロアレシーバーは製品状態で実銃に近い色だったので、活かす方向に。ただパーティングラインを処理した跡が残っているので、色味がほぼ同じキャロムショットのブラックスチールを塗装して処理した。
チタンシルバーで塗装したマガジンは、ガンショップ・インディのクリアパーカーでコートしてからMr.ウェザリングカラーのマルチブラックで溝の部分を中心に色を載せ、余分を拭き取って仕上げた
■リアル仕上げM16A1、遂に完成!!
アッパー/ロアレシーバーは製品のままでも実銃に近い色味で、この電動ガンの場合表面が既にダメージを受けて荒れていたので、なるべく活かす方向とした。塗装はパーティングラインを処理した箇所と、リアサイトのウィンデージドラムにのみ施している。
ABS製グリップはツールクリーナーで表面を荒らし、実銃グリップの質感に近づけている。セレクターレバーの指掛け部分はヤスリで少し削って、使用感を出した。
実銃のダストカバーはレシーバーと質感や色味が異なり、それを再現することでアクセントになった。
長年酷使されヤレていた編集部の東京マルイ製M16A1が、1970年代に製造されたM16A1のようなリアルさを放つまでによみがえった。今回の作例を参考に、ぜひご自宅に眠っている古いトイガンをリファインしてみてはいかがだろうか?
【アームズマガジンウェブ編集部レビュー】
この手腕、見事という他にない。初期の電動ガンであるM16A1は、リアリティという点で現行機種には敵わない。しかし、これぞまさに模型的アプローチの勝利といえるだろう、見事なまでにリアリティを吹き込んだのである。作業写真も事細かに紹介されているので、トレースし易いのもありがたい。見どころは、材質の質感を表現するための様々な手法だ。これはM16A1以外でも応用可能なのではないだろうか。
Text:國谷忠伸
編集部レビュー:アームズマガジンウェブ編集部
この記事は月刊アームズマガジン2019年11月号 P.80-83より抜粋・再編集したものです。