2019/07/23
エアガンで再現!「Novak'sカスタム」
心を揺さぶるカスタムガンは人それぞれにあるが、それが必ずしも製品化されているわけではない。例えばたった1枚の写真からその銃の背景を探り同じものを造ってみることもカスタムなのだ。ここでは有名、無名にかかわらず気になった銃を製作、紹介したい。
カスタムビルダーのパイオニア Novak'sカスタム
今やどのメーカーの銃に付いていてもおかしくないアイアンサイトに「ノバックサイト」がある。三角形を基調としたサイトを設計したのがウェイン・ノバックであり本業はカスタムガンの製造なのだ。過去にアームズマガジンでも何度か取材されてきた有名なガンスミスであり、私自身も憧れてきた人物である。
ノバックが創造するカスタムガンは実用的でありながらも、機能美にあふれた銃であり、近代カスタムガンに大きな影響与えたのは間違いない。今回は憧れのノバックカスタムの中からあえて.45口径以外のカスタムガンを作ってみた。
ノバックハイパワーカスタム
ノバックといえばハイパワーと云われるほど有名なカスタムガンだ。ノバック本人のキャリーガンとして永らく使用されていただけでなく、初期のFBIHRTチームや湾岸戦争時にM9に不満を持った特殊部隊によってノバックカスタムのハイパワーが使用されている。これらはMk2やMk3をベースにしたカスタムであるが、今回はベースモデルにタナカのM1935ビジランティを使用、ノバック本人のキャリーガンに近い初期のカスタムを施した。
レーザー刻印で入れたスライド前部のNovak'sロゴ。入れる位置が年代によって変わっており、スライド前部に入るのは初期型に多い特徴になっている
バースト刻印の入ったアウターバレルはKM企画製の金属バレルを使用
ABS材からの削り出しで作製したノバックサイトをスライドにローマウントで固定されている
小さくて操作しづらいノーマルセーフティにエクステンションレバーを金属用パテで接着しワイドサムセーフティに変身させた
Cz75 HRTコンセプトカスタム
1980年代後半にFBIからそれまで使われていたハンドガンについてアドバイスを求められた際に、ダブルアクションオートの試作の依頼を受けて製作したのがCz75セカンドのカスタムだったようだ。どのような理由から不採用に至ったのか資料は残っていないため正確な形状は不明である。想像するに、スタイルがよく似ているハイパワーと同様のカスタムを行なった可能性が高い。当時のHRTモデルには正式なスペックはなかったようで、同年代のHRTカスタムと同様の加工を施した。ベースガンはKSCのCz75セカンドモデルだ。
スライドトップの反射防止のマッティング加工はスティップリングツールを使用して再現している
フロント、リアストラップにもスライドトップと同様のマッティング加工を施してある。グリップのチェッカリングと相まって良好なグリップフィーリングを得られる
フロントサイトはスクエアタイプ。全長が長めなのもノバックの特徴の1つ
リアサイトがギリギリまで低くセッティングされている。ハンマーのスパーも1/3ほどカットしてショートスパーにした
TEXT:IRON SIGHT
この記事は月刊アームズマガジン2019年8月号 P.98~99より抜粋・再編集したものです。