2019/08/03
【前編】実射インプレッション! エアコッキング式ボルトアクションライフル
最新から定番まで9挺揃い踏み!ボルトアクションライフルの実力を徹底検証
スナイパーライフルと言えば実銃、エアガンを問わず命中精度の高いボルトアクションライフルが主流だ。そこで各社のエアコッキング式ボルトアクションライフル9挺をピックアップ。使い勝手のチェックはもちろん、実射テストをインドアフィールド「アストレア」内のロングレンジを使って行なった。果たしてその結果はいかに…。
※実射シーンとインプレッションはこちらの動画をご覧ください。
■検証方法
ライフルスコープはVECTOR OPTICS「Grizzly 1.5-6×56E」を使用。ホップアップ調整後、銃を机の上にレストした状態から20mと30m先に置かれたA3判のターゲットに10発撃ち込み、撃ち直しや追加射撃はせず1回勝負とした。今回はスナイパーライフルなのでBB弾の重量は0.25gとした(マルゼン・アキュラシーバイオ0.25gBB弾を使用)
東京マルイ
M40A5 F.D.E.ストック
DATA
- 全 長:1,200mm
- 重 量:3,400g
- 装弾数:35発
- 価 格:¥42,800
- お問い合わせ先:東京マルイ
●抜群の安定感を生み出す優れたエアコッキングメカ
アメリカ海兵隊が制式採用していたM40A5を再現。レミントンアクションは東京マルイのボルトアクションエアライフルシリーズでは初となる。外観のリアルさはもちろん、VSR-10、L96 AWSで培ったエアコッキングメカとトリガーシステム、ホップアップシステムはブラッシュアップされ、より実射性能が高められている。実銃の特徴であるマクミランタイプのストックはオーソドックスなO.Dとブラック、さらにF.D.E.(フラット・ダーク・アース)をラインアップ。完成度の高さでは他社の追随を許さない。
ボルトストロークは68mmに短縮化され、コッキングインジケーター、ボルトハンドルロック機構が導入されている
工具なしでアジャスト可能なホップアップ調整用ダイヤルはフォアエンド下部に設けられている
リアルなマガジンポジションを実現したBBロードシステムが採用されている。マガジンの装弾数は35発
トリガープルやトリガーストロークは調整可能。使い勝手は申し分ない。3発の平均初速は82.0m/s(0.25g弾)
20mでの集弾性(95mm)
東京マルイ
VSR-10プロスナイパー Gスペック
DATA
- 全 長:950mm(サイレンサー装着時 1,135mm)
- 重 量:2,090g(サイレンサー含む)
- 装弾数:30発
- 価 格:¥25,800
- お問い合わせ先:東京マルイ
●エアコッキングガンのデファクトスタンダード
発売から15年近く経っているにもかかわらず高い人気を誇っているのが、東京マルイ初のボルトアクションライフルとして登場したVSR-10シリーズだ。特にサイレンサーやマウントベースなどが標準装備されたGスペックは、高い消音性と実射性能、軽量で取り回しやすいことから、サバゲ用ウェポンとして絶大な支持を得ている。外観はマルイオリジナルだが、エアガンとしての実射性能と使い勝手の追求に特化したことが人気を不動にしている。多くのエアコッキングライフルのベンチマークとなっている。
レシーバー内部にシリンダーサポートリングと大型ボルトハンドルの相乗効果でスムーズなコッキングを実現
バレル左側に露出したホップアップ調整用レバー。割り切った作りだが操作性は非常によい
フォアエンド部分に設けられたマガジン。装弾数は30発
スリムなストックは好みのわかれるところだが、どんなポジションでも使いやすい。3発の平均初速は84.9m/s(0.25g弾)
20mでの集弾性(98mm)
タナカ
M700 AIR 26インチ Tri-color Desert Camo
DATA
- 全 長:1,160mm
- 重 量:3,100g
- 装弾数:27発
- 価 格:¥63,000
- お問い合わせ先:タナカ
●セラコート仕上げのカモフラストック付きモデル
リアルな外観と実銃同様のマガジンポジションを実現した独自の給弾機構、ショートストローク・コッキングアクションが特徴のタナカのM700AIRシリーズ。今回用意した26インチバレル仕様のTri-color Desert Camoモデルは、H-SプレシジョンのカタログカラーであるTri-color DesertCamoをセラコートで完全再現。色味、質感ともに実物以上の出来映えとなっている。見た目のリアルさではなくエアガンとしての実射性能にもこだわったリアル派にお薦めの1挺だ。
他社のボルトアクションライフルに比べて短く設定されたコッキングストローク。素早い連射にも対応する
ホップアップ調整用スクリューはフォアエンドに設けられており、リアルさと操作性を損ねないようにデザインされている
実銃同様のポジションにコンパクトなマガジンが収まる。装弾数は27発
セラコートフィニッシュのストックはカッコいいだけではなく構えやすく実用的。3発の平均初速は72.6m/s(0.25g弾)
20mでの集弾性(115mm)
アクションアーミー
AAC T10 FDE
DATA
- 全 長:1,078mm
- 重 量:2,840g
- 装弾数:50発
- 価 格:オープン
- お問い合わせ先:プラウダ
●スタイリッシュなモジュラーストックが特徴
VSR-10のコッキングメカニズムに準拠したアクションアーミーのAAC T10(タクティカル10)。今回用意したのはFDEカラー。実銃を参考にしたストックはグリップやチークピース、バットプレートなどが交換可能。トリガー前方にあるマガジンはダミー(スペアマガジンホルダー)で、実際のマガジンはフォアエンド部分に設けられている。VSR-10のカスタムパーツが使えるだけではなくオプションパーツも豊富に用意されており、自分好みのT10がビルドアップできる。
ストレートタイプの大型ボルトハンドルは操作しやすい。ボルトストロークはベースとなったVSR-10と同じ
VSR-10のシステムに準拠しているためホップアップ調整用レバーも同じ位置に設けられている
マガジンはフォアエンド部分に収まる。トリガーガード前のマガジンはダミー
実銃にも存在するモジュラーストックは構えやすく操作性にも優れている。3発の平均初速は73.9m/s(0.25g弾)
20mでの集弾性(145mm)
ここまで前編では4挺のスナイパーライフルを紹介した。残るは5挺…後編をお楽しみに!
TEXT:毛野ブースカ
撮影協力:アストレア
この記事は月刊アームズマガジン2019年9月号 P.54~59より抜粋・再編集したものです。