パトリア社製のAMVが初参加「宇都宮駐屯地創立76周年記念行事」

 

陸自の戦い方を変える新型装輪装甲車の配備が始まった。それがヘルシンキ(フィンランド)に本社を置くパトリア社製のAMVだ。同社の看板商品であり、欧州、中東、アフリカと多くの国に配備されており、日本も導入決定。今年3月には中央即連隊にも配備された。

 

AMVから下車展開した隊員たちが20小銃を射撃しながら敵へと迫る。中央即応連隊のAMVが公開されたのは、今回の宇都宮駐屯地祭が初となった

 

 

 陸上自衛隊は、96式装輪装甲車の後継として、フィンランドのパトリア社が開発したAMV(Armored Modular Vehicle)の導入を決めた。早速2025年9月より、第8師団の第42即応機動連隊や第2師団の第3即応機動連隊などへと配備した。
 今年3月には中央即応連隊にも配備された。これが即応機動連隊以外にAMVが配備された初のケースとなった。そして配備間もない2026年4月4日に挙行された「宇都宮駐屯地創立76周年記念行事」にて公開された。

 

中央即応連隊では、18式鉄帽や18式防弾ベストの配備が進んでいる。手前の隊員は20式小銃にベレッタ GLX160を装着している

 

中央即応連隊の情報小隊の隊員たちによるオートバイを使った偵察活動の展示。20式小銃をかまえている


 宇都宮駐屯地には中央即応連隊の他にも、東部方面特科連隊第2大隊、第1施設団第307施設中隊等が配置されている。駐屯地司令を務めるのは第2特科大隊長だ。
 記念行事の前段では、前述した各部隊の隊員及び車両が行進していく。しかし、そこにはAMVは参加せず。意外にも後段の訓練展示において2両が参加した。
 車上にある12.7mm重機関銃M2を射撃しながら進出し、会場中央で停止。後部ハッチから隊員が展開していった。AMVは、車長・射手・操縦手の3名の他に、最大12名の隊員が搭乗できる。
 下車した隊員たちは、20式小銃をかまえ、レールが標準装備されたハイカット型の新しいヘルメット「18式鉄棒」と「18式防弾ベスト」を着用していた。これら個人装備も刷新した。その中には、小銃のハンドガード部分に擲弾発射器を装着していた隊員もいた。これはベレッタ GLX160がベースのグレネードランチャーだ。こうしてAMVにより送り込まれた隊員たちにより、見事敵を制圧し、訓練は終了した。


 96式装輪装甲車の配備数は380両であったのに対し、AMVは810両を配備する計画だ。即応機動連隊に行き渡れば、次は偵察戦闘大隊や普通科連隊などへも配備される可能性もある。まもなく陸自の主要な装甲車となる。

 

AMVを横から見る。96式装輪装甲車よりもサイズが大きくなった。ただし、乗車人数は変わらない

 

車上には防弾版で囲われた銃座が常備されており、銃架には12.7mm重機関銃が乗せられている

 

操縦席の頑丈そうなハッチ。その前にはワイヤーカッターが装着されており、操縦手が顔を出したまま操縦した際の安全も確保

 

 

Text & Photos : 菊池雅之

 

この記事は月刊アームズマガジン2026年7月号に掲載されたものです。

 

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