ミリタリー

2026/05/12

オーストラリア海軍創設125周年記念観艦式

 

シドニー湾の各所に停泊中の受閲艦を回る観閲艦A245「リーウィン」。海洋観測が本来の任務。満載排水量2,170tと小型の船体だ

 

オーストラリア海軍は1911年に創設され、今年で125周年を迎えた。それを記念し、シドニー湾にて、日本を含めた18か国を招き、大々的な国際観艦式を挙行した。日本からは、絶賛売り出し中の「もがみ」型2番艦「くまの」を派遣し、同艦の改良型の購入を決めたオーストラリアへ改めてアピールした。

 

 

 

 2026年3月21日、オーストラリアのシドニー湾にて、オーストラリア海軍創設125周年記念観艦式が執り行われた。この観艦式の直前及び直後に、オーストラリア海軍が主催する多国間軍事演習「カカドゥ」が行われており、同演習に参加した19か国(オーストラリア含む)がそのまま参加したことから、「カカドゥ国際観艦式」という名でも呼ばれていた。

 参加国は、アメリカ、カナダ、フランス、フィリピン、シンガポール、インド、インドネシア、クック諸島、フィジー、キリバス、マレーシア、ニュージーランド、パプアニューギニア、サモア、タイ、トンガ、ベトナム、そして日本。日本からは、「もがみ」型多機能護衛艦の2番艦FFM-2「くまの」が参加した。オーストラリア海軍は、老朽化している「アンザック」級フリゲートを更新すべく、「もがみ」型をベースとした新型FFMを配備することを決めた。日本が護衛艦を輸出する初のケースとなり、今回「くまの」が参加したのもその宣伝であったようだ。

 

 オーストラリア海軍創設前は、イギリス海軍が海上防衛を担っていた。1911年にようやくオーストラリア海軍が新編され、イギリス海軍指揮下で部隊を整備していく。並行して軽巡洋艦「シドニー」他数隻がイギリスにて建造された。「シドニー」は、1913年6月26日に就役すると、オーストラリア海軍の象徴となった。その後、オーストラリア海軍は、第一次世界大戦、第二次世界大戦を戦い抜き、今では西太平洋の安全保障に欠かせない存在となった。

 

シドニーの観光名所であるオペラハウスの前を航行する第5グループ。写真右がアンザック級FFH155「バララット」。その横をヒューオン級掃海艇M86「ディアマンティーナ」を先頭とした多国間小型艦隊が行く

 

 観艦式の会場となったのはシドニー湾全域だ。各艦は、湾内で錨をおろして停泊、またはシドニーの東側に位置するクッタバル基地に入港。それら各艦艇の前を観閲艦が通り過ぎていく、「停泊式観艦式」として実施した。観閲艦を務めたのは、観測艦A-245「リーウィン」だった。

 これがいわゆる本番の観艦式ではあるが、実は本番に至るまでも見せ場が作られていた。各艦がシドニー湾へと入ってくるところから事実上式典は開始されていた。入港艦艇は第1から第5までのグループに分かれ、各艦の乗組員は、舷側に沿って並ぶ登舷礼を実施しながら、朝6時より随時入港していった。日本は第2グループに含まれていた。第5グループについては、観艦式の最中にシドニー湾内へと入り、そのまま観閲艦の前を移動し、ハーバーブリッジの下を通り抜けていった。

 上空では海軍航空部隊による大編隊飛行が行われ、最後はオーストラリア空軍アクロバットチーム「ルーレッツ」による演技飛行が行われた。

 

キリバス海上警察の301「テアノアイⅡ」。オーストラリアが「海上安全保障プログラム」の一環として提供した「ガーディアン」級巡視船の一隻。今回の観艦式では、パプアニューギニア、サモア、トンガ、フィジー、クック諸島にも提供した同級が参加した

 

オーストラリア空軍のアクロバットチーム「ルーレッツ」。練習機PC-2を使い華麗な演技の数々を披露

 

巨大な国旗を吊り下げてシドニー湾内を飛ぶSH-60シーホーク

 

観艦式当日の朝、シドニー湾へとやってきた第2グループ。先頭はオーストラリア海軍のL-02「キャンベラ」。そこに続くのは海上自衛隊のFFM-2「くまの」

 

Text & Photos : 菊池雅之

 

この記事は月刊アームズマガジン2026年6月号に掲載されたものです。

 

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