エアガン

2025/08/13

日本軍の主力国産軽機関銃を再現「S&T 九六式軽機関銃 電動ガン」

 

第二次世界大戦の銃器たち:LMG編

 

 月刊アームズマガジン2025年4月号で特集された拳銃編に続いて1900~1940年代に活躍したライトマシンガンを再現したエアガンをピックアップ。名銃たちの歴史や特徴、魅力について迫る。

 

日本軍の主力国産軽機関銃

 

 日本陸軍の主力軽機関銃であった九六式軽機関銃は1936年(皇紀2596年)に制式採用された。6.5mm口径で三八式歩兵銃と同じ弾薬を使用し、その後、昭和14年(皇紀2599年、1939年)に九六式軽機関銃を7.7mm化した九九式軽機関銃が制式採用されることになる。S&Tはこのモデルをフルメタルの電動ガンとして再現。ZB26同様、マガジンをレシーバー上部に差し込むユニークなフォルムを忠実に再現している。

 

 

 諸外国の軽機関銃は日本人の体格には合わず、構えづらいという欠点があった。しかし、国産の九六式軽機関銃は日本人の体格にあわせてデザインされており、自然な射撃ポジションを取ることができる。バイポットからバレル、レシーバー類のパーツはすべて金属製のため、手にした際に軽機関銃として迫力のある重量感が体感できる。キャリングハンドルの持ち手部分やグリップ、ストックは木製のため、非常にリアルな外観に仕上げられている。バイポットもしっかりとした作りになっており、飾りではなく、実際に委託しての射撃が可能だ。

 

ユニークなバレルの放熱用フィンはひとつながりのらせん状となっている

 

マガジンかレシーバー中央にレイアウトされているためフロントサイトは本体の左側にオフセットされている

 

ガスピストン前部に設けられたガスレギュレーターは別部品で再現。その奥に着剣ラグがある

 

バレルはストレートな形状ではなく中央付近から絞り込まれており、非常に手間がかかっているのがわかる

 

軽機関銃であるため可搬性を向上させるために大型のキャリングハンドルが備え付けられている

 

実銃同様の刻印が施されたレシーバー。東京砲兵工廠/小倉陸軍造兵廠製で製造年月は昭和16年12月となっている

 

 マガジンポジションは普段から慣れ親しんでいるAR15系と比較すると慣れるまでは動作が難しく感じてしまうが、これこそ大戦時の銃の魅力であり、その煩わしさも楽しんでもらいたい。コッキングハンドルはダミーだが可動するため、マガジンチェンジ時にわざわざコッキングハンドルを引いて実銃のロードアクションをイメージすることができる。日本陸軍の銃器を再現したエアガン、特に軽機関銃は少ないだけに待ち望んだユーザーも多いはずだ。S&Tの九六式軽機関銃はその期待を裏切らないリアルな出来映えを有している。

 

レシーバー左側のT字の大型なレバーはコッキングハンドル。ダミーでありながら可動できる

 

運搬時に異物が本体内に入り込まないようにマガジンの挿入口にはダストカバーが設けられている

 

セレクターポジションマークを見るだけでこれが日本の銃であることがよくわかる。フルオートオンリーのため単の刻印は施されていない

 

リアサイトは左側にレイアウトされており大型のダイヤルを回すことで上下調整できる。ピープ孔は比較的大きめのためサイティングしやすい

 

ストックのバットプレートは大きな弧を描いた形状になっている。これは伏せ撃ち時に体に密着させるための工夫であり、体全体で反動を押さえつけて射撃を行なうためである

 

バッテリーコンパートメントへアクセスするにはネジを2本取り外す必要がある

 

木製グリップには滑り止めが横方向に刻まれている。また、グリップは本体に対して垂直に装着されておりプローン射撃時に撃ちやすい

 

 


 

S&T
九六式軽機関銃 電動ガン

 

DATA

  • 全長:1,030mm
  • 重量:6,500g
  • 装弾数:90発
  • 価格:¥132,000
  • お問い合わせ先:UFC

 

※記事中の価格表記は掲載時点でのものであり、特に記載のない限り税込みです。また、物価や製造コストの上昇、為替レートの変動により記事中に記載の仕様、価格は予告なく変更される場合があります。あらかじめご了承ください。

 

TEXT:風見れん/アームズマガジンウェブ編集部

撮影協力:ビレッジワン

 

この記事は月刊アームズマガジン2025年8月号に掲載されたものです。

 

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