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2024/10/01

昭和大好きかるた 時代を超えた普遍の良き「何か」を振り返る 第11回「さ」

 

時代を超えた普遍の良き「何か」を振り返る

 

第11回

サバイバルゲーム

 

 令和となってはや幾年。平成生まれの人たちが社会の中枢を担い出すようになった今、「昭和」はもはや教科書の中で語られる歴史上の時代となりつつある。
 でも、昭和にはたくさんの楽しいことやワクワクさせるようなことがあった。そんな時代に生まれ育ったふたりのもの書きが、”あの頃”を懐かしむ連載。
 第11回は、軍事フォトジャーナリストの菊池雅之がお送りします。

 

 

 今ではすっかり市民権を得たサバイバルゲーム。
 深夜のバラエティ番組などで、若いタレントたちがサバイバルゲームに興じる様子が放送されたり、一般誌で取り上げられたりと、メディアに露出する機会が増えました。それに伴い「サバイバルゲーム」の名称だけでなく、“サバゲー”との略称までもが広く知れ渡っていったように見受けられます。一昔前は、知る人ぞ知る“大人のあそび”の一つでしたが、時代は大きく変わったものです。

 

社交場としてのサバゲー

 

 私もサバゲーマーであります。
 しかし、私にとってのサバイバルゲームは、ハマっては、しばらく遠ざかり、忘れた頃にまたドはまりし、また遠ざかる…という周期で行うもの。仕事が忙しく、なかなか参加できない状況もあり、仕方なくそうなってしまう側面も…。
 サバイバルゲームを行うには、エアソフトガンが必要です。エアガンと略して呼ばれているホンモノを模した銃です。この中からBB弾と呼ばれる弾を撃ち出します。ちなみに、私の愛銃はAK47です。

 

言わずと知れたカラシニコフが設計した傑作、AK47。エアガンも各メーカーからリリースされている


 アラフォーを過ぎてからのサバゲーは、若い時に遊んでいたころとは大きく異なっていきました。
 もちろん、ゲームのルール自体に大きな変化などはありません。今も昔もBB弾を当てられた人が大きな声で「ヒット!」と発声し、自己申告制で退場していくルールです。そしてどちらかのチームの陣地にあるフラッグを先に取った方、またはどちらかのチームを全滅させた方が勝ちとなるのが、基本ルールです。
 遊び方は一緒なのですが、私を含め参加者の年齢が上がってくると、あまりガツガツしてゲームをしなくなります。要するに、ゲーム中は、敵チームだけでなく、自分自身の体力と気力の衰えとも戦わなくてはならなくなり、走り回りたくても走り回れなくなるのです。
 そうなると、セーフティエリアでのおしゃべりに花が咲くことも増えていきます。ここでの気の合う仲間とのおしゃべりは最高です。私の場合、何気ない雑談がそのまま仕事の企画になったり、異業種の方のお話をお聞きしてヒントを得たりと、“社交場としてのサバゲー”を楽しむようになっていきました。

 

子供の頃に楽しんだ近接戦闘ごっこ

 

 私が子供の頃からサバゲーはありました。その火付け役が『アームズマガジン』や『コンバットマガジン』『Gun』といった雑誌の数々でした。今のように、テレビや一般誌で取り上げられることはほとんどありませんでした。
 私は、これら雑誌の広告ページを眺めては、「大人になったら、この銃を買おう」などと夢を膨らませていました。というのも、当時からエアガンは決して安い代物ではなかったのです。ちなみに昔は今のように年齢制限もなかったので、18歳以下でも買えました。
 他方で、駄菓子屋さんでは、銀玉鉄砲が売られていました。プラスチック製の遊戯銃であり、私はコルトガバメントとワルサーP38を持っていました。値段は数百円だったと記憶してます。弾が銀色をしていたので、銀玉鉄砲と呼ばれていました。石膏や土を丸めたものであり、銀色に着色してありました。
 大人のような本格的なサバゲーは無理でも、この銀玉鉄砲を使い、公園などで仲間と撃ち合って遊びました。飛距離はかなり短いので、例えば滑り台の周辺で撃ち合うとか、至近距離での戦い方となります。当時、安全基準などはなく、ゴーグルやフェイスマスク、長袖長ズボンの着用などはしていなかったので、結構大きな事故につながるような遊びを無警戒にしていたことに驚きです。
 この原稿を書くにあたり、当時どんな風に遊んだのか、いろいろ思い出そうとしましたが、ゲーム内容の詳細はあまり思い出せませんでした…。ただ、ひとしきり撃ち合った後、滑り台の上で、友達とダラダラと話しあっていた記憶が鮮明に思い浮かびます。「あれ、これって、今の私のサバゲーと同じじゃん…」との結論に達しました。

 

サバゲーを社交の場に、と提言する筆者近影


 どうやら私にとってのサバゲーは、「どんなゲームをするか」よりも「誰と遊ぶか」が大事なようです。それは昔も今も一貫しているようです。
 ということは、年齢ではなく、一緒に遊んでくれる友達がいる限り、私はサバゲーをしていくようです。

 

TEXT:菊池雅之

 

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