2024/08/03
古き良きバイクの系譜を継ぐカワサキ「ゼファー750」の追憶力
乗りやすく心地よいサウンドを奏でるナナハン「ゼファー750」
レーサーレプリカ全盛だった80年代のバイク業界。そこに一石を投じるようにカワサキがリリースしたゼファーシリーズ。普通二輪免許(当時風に言えば中免)で乗れるゼファー400のデビュー(1989年)を皮切りに、750cc(1990年)、1100cc(1992年)といった大型バイクもゼファーの仲間入りをして、ゼファー3兄弟は、一大ネイキッドバイクブームを巻き起こした。
その中でも、今回はゼファー750をピックアップしよう。というのも、知り合いが大型二輪免許を取得して購入する大型バイクを選んでいるとき、ゼファー750/ゼファー1100が生産終了し、ファイナルエディション(2006年式)が発売されるというメーカー発表があったのだ。その情報を聞いて慌てて購入、それ以来所有している車体で、そちらを取材させてもらえたからだ。
ゼファー3兄弟は似通ったシルエットをしているので街中で見分けるのが、若干難しいかもしれない。しかしテールランプと シリンダーヘッドカバーに注目すれば、その判別は意外と容易。なかでも、ゼファー750のヘッドカバーは3車種のなかで唯一丸みを帯びた形状で旧車然としたイメージがあり、それを好むファンもいる。
空冷4ストローク並列4気筒DOHC2バルブという4気筒エンジンの典型というようなオーソドックスなエンジンを搭載しており、車重も約200kgで肩ひじを張らずに日常使いできるサイズになっている。
全体のシルエットも現在のバイクのような旋回性を重視したコンパクトなホイールベースではなく、広めのホイールベースが昔ながらのバイク然とした雰囲気を醸し出している。またタイヤもフロント120/70-17、リヤ150/70-17と現代のバイクと比べると細めなものを装着しているので、後ろからの見た目もスリムになっている。
《カスタムポイント》
カワサキ ゼファー750 ファイナルエディション
マイルドなエンジン特性、中型バイクと大差ない車重/ボディサイズなど、高スペックやビッグボディを求めるライダーには物足りなく感じるかもしれないが、街乗りからキャンプツーリングまで幅広いバイクライフに対応してくれる懐の深いバイクが、このゼファー750だ。
流線型のガソリンタンク、4気筒エンジンにツインショックといった今となっては希少になってしまった伝統的なバイクのスタイルを引き継いでいたゼファーシリーズ。昔ながらもオートバイが好きなトラディショナルなバイクファンに支持され続ける1台だろう。
TEXT:アームズマガジンウェブ編集部
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