車・バイク

2024/05/02

旧車に憧れて ノスタルジック風なバイクを復活させる!!【カワサキ250TR マッハ仕様】

 

 このバイクがなんだかお分かりになるでしょうか。一見、今流行りの旧車然した外見をしているが、よく見ると違うような…。
 実は、このバイクは2002年から2013年までリリースされていたカワサキ・250TR。このモデルは2004年式のキャブレター車で、当時流行ったマッハ仕様のカスタムが施されている。

 

ノスタルジックバイク

 

 昨今、旧車と呼ばれる70~80年代のバイクの価格が高騰し、また各メーカーの新車価格も徐々に高くなってきており、若いライダーが気楽に乗れるバイクの選択肢が少なくなっていると感じる。しかし、世の中にはその役目を果たせずに、駐車場や庭先で不動状態になって活躍の場を待っているバイクがまだまだ沢山ある。

 このカワサキ250TRもそんなバイクの1台だった。ある日、知り合いから「不動バイクの処分に困っている」との話を聞き、その場で現車を確認させてもらった。結構ボロボロだったがメンテナンスをすれば十分に復活させられると思い、その場で譲ってもらえるように直談判。後日、トランポで引き取りに行った。

 

【KAWASAKI 250TR諸元】

  • 全長・全高・全幅:2100mm×1095mm×870mm
  • 排気量:249cc
  • 燃料タンク容量:7L
  • 燃料供給方式:キャブレター
  • エンジン:空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ
  • 最高出力:19ps(14kw)/7500rpm
  • 最大トルク:1.8kg・m(18N・m)/6000rpm
  • 乾燥重量:134kg
  • フロントタイヤ:90/90-19 52P
  • リアタイヤ:110/90-18 61P

 

作業前の250TR

250TR
数年にわたり不動状態だったので、埃まみれ…

 

不動車
マフラーも錆びまみれ(右上)。フロントフェンダーも転倒した跡なのか、大きくへこんでいる(左上)。ウィンカーは経年劣化で落ちている(右下)。シートも破けて、雨水が浸水してしまう状況(左下)

 

 改めて明るい陽のもとで確認したら、なかなかガッツを出してメンテナンスしなければならないコンディションだった。しかし、

  • 今となっては新車では製造されていないキャブレター車
  • 単気筒でエンジン構造もシンプルでメンテナンスがしやすそう
  • 車検もなく維持費があまり掛からない250cc

ということで俄然やる気が沸いてきた。

 

 整備の基本である、新鮮なガソリンを入れる、エンジンオイルを交換する、キャブレターを清掃する、バッテリーをチェックする…という、バイクに必須な吸気-圧縮-燃焼-排気が正常に動作するか確認したうえで、この250TRの再生を始めることにした。

 

テールランプは稼働していたが、配線が入り組んでいて形状も好みでなかったので交換した。脱落していたウィンカーは純正品を用意

 

ステープル(針)を取り外して、古いシートカバーを外してみる。内部はかなりボロボロ…(写真上)。NGTではこのように立体裁断された車種ごとのシート表皮がラインアップされているのでDIYに便利(写真下)

 

ディスクグラインダーでマフラーのサビを除去する。深く削りすぎないように気を付ける。それ
ほど深く錆びてはいないようだ。グラインダーでサビを取り除いたマフラーを耐熱ペイントコートで塗装していく

 

キャブレター内に古いガソリンが溜まっているので、取り外して清掃していく。まず。フロートチャンバー内のガソリンを排出していく。キャブレター内は、思ったよりきれいだったがドレンは詰まっていた

 

エアフィルターは経年劣化でカステラのようにしっとりボロボロ…新品に交換する

 

 バッテリーが完全に死んでおりセルは回らない、エンジンオイルは真っ黒、タイヤはパンク寸前で到底走行は不可…という具合に問題は山積だったが、1つずつ問題を解決していって、冒頭の状態まで250TRを復活させていく。とはいえ、素人整備だけでは不安なので、今回は有資格者に監督してもらいながら作業を行い、それほどの難題はなく比較的スムーズに作業を進められた。

 車両の譲り受けも気持ちばかりの価格で済み、再生に使用したパーツも合計約6万円ほどで済んだ。筆者の周りには不動車を復活させて日々快適にバイクライフを送っている人が結構いる。最新のバイクを買えば、すぐに乗れるし性能もいい、しかしバイクとのこんな出会いもまた面白いもので、なんだがバイクへの愛着も湧いてくる。

 

 見事に再生した250TR。ノスタルジックなネオクラシックバイクには、こんな風景がよく似合う。不動車だったバイクもメンテナンスをして、新たなオーナーに出会えれば、十分にその役目を果たせる大切な相棒に生まれ変われる。

 

 

TEXT:アームズマガジンウェブ編集部

ロケ撮影:須田壱(スタジオゼット)

撮影協力:十一屋能村酒店

 

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