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2024/04/09

米海軍横須賀基地でアメリカを堪能できる日!「日米親善よこすかスプリングフェスタ2024」

 

 2024年3月23日(日)、神奈川県横須賀市の米海軍横須賀基地にて「日米親善よこすかスプリングフェスタ2024」が開催された。

 同イベントは例年3月に開催されており、艦船の公開に加え基地内の屋台(基地の兵士やその家族がやっている)や飲食店でさまざまな料理を味わえたり、ステージショーやカーショーなど、アメリカンな雰囲気を楽しめるイベントだ。

 

 


 

艦船見学

 

 本イベントでは基地の正門からではなく、普段閉じられている三笠公園側のゲートから基地内に入場した。以前はフリー入場だったがコロナ禍以降は事前の応募制となり、希望する入場時間で申し込み、抽選で入場する方式に変更されていた。今後行ってみたい人は、イベント情報を事前にチェックしておく必要があるだろう。

 

 

 三笠公園で海上自衛隊による書類チェック、米海軍による手荷物検査を通過すると基地の中に入ることができた。基地に入って艦艇を見たいのであればT字路を左、そうでなければ右に向かうことになる。

 筆者は艦艇を見たかったので、左に。公開されていたのは第7艦隊の旗艦であるブルー・リッジ級揚陸指揮艦1番艦「ブルー・リッジ(LCC-19)」(以下ブルーリッジ)ニミッツ級航空母艦9番艦「ロナルド・レーガン(CVN-76)」(以下レーガン)だ。

 

見学者の長蛇の列。一番早い9~10時入場枠で9時に入場してもこの長さだ

 

待機列から眺めるブルー・リッジ。一般公開のために満艦飾などが施されている

 

見学はできなくとも、他の停泊している艦船が普段見られない場所で見られるのも艦船公開の特権だ

 


 

公開された二隻について 

 

ブルー・リッジ級揚陸指揮艦1番艦ブルー・リッジ                            

 

Photo by US Navy

 

進水:1969年1月4日

就役:1970年11月14日

排水量:満載 19,177t

全長:193.2m

全幅:32.9m

吃水:7.6m

兵装:Mk.15 20mm CIWS 2基
   Mk.38 25mm単装機関砲 2門
   M2 12.7mm単装機銃 数挺
   Mk 36 SRBOC チャフ・ロケット

 

 横須賀を母港とし、西太平洋・インド洋を担当海域とする米海軍第7艦隊の旗艦。帆走フリゲートのコンスティテューションを除いて米海軍現役艦艇の最古参であり、本艦の国籍旗は「ファースト・ネイビー・ジャック」と呼ばれる赤と白13本の横線にガラガラヘビが描かれた旗を掲げている。

 

 本艦はC4Iシステムのサポートを目的とし、揚陸指揮艦としての通信能力を最大限発揮するために最小限の構造物しか上甲板に置かれない独特な形状だ。

 

 

ニミッツ級航空母艦9番艦ロナルド・レーガン 

 

Photo by US Navy

 

進水:2001年3月4日

就役:2003年7月21日

排水量:満載 101,429t

全長:333m

全幅:76.8m

吃水:11.3m

兵装 : RIM-162 シースパロー短SAM 2基

   RIM-116 RAM 2基
   ファランクスCIWS 2基
   Mk 38 Mod 2 25mm機関砲 3基

 

 第7艦隊所属で米海軍所属の空母で唯一海外を母港とし、第70任務部隊の司令部を務める艦船だ。2015年10月に定期点検と原子炉燃料棒交換のため本国に移動させる「ジョージ・ワシントン」と交代で横須賀に配備された。

 

 しかし配備前から日本との関係は深く、2006年~2008年には「ジョージ・ワシントン」の火災事故により配備が遅れるため、空白となる西太平洋に展開する。2011年3月に発生した東日本大震災では「トモダチ作戦」に従事した。

 2024年春に「ジョージ・ワシントン」と交代するため本国に帰国する予定だ。

 


 

 ブルー・リッジは横須賀を母港とし、西太平洋・インド洋を担当海域とする第7艦隊の旗艦として知られる。1970年の就役以来今年で54年目になりコンスティチューションを除けば最古参で大ベテランとなるブルーリッジは指揮艦としてC4Iシステムの通信能力を最大限活かすため、上甲板に構造物は少なく独特なフォルムになっている。

 

 

乗ると現代の船らしからぬ木製の床がお出迎えだ

 

 

 木製の床と少し幅広く感じる木製手すりの階段を登ると上甲板にたどり着く。指揮艦としての役割を果たすために通信設備など最小限しか置かれていない上甲板は、他の艦船では感じられない独特な雰囲気がある。
 C4Iシステムのサポートを目的とするために電波障害となる構造物は極力排し、CIWSや機銃など最小限の武装以外は各種通信用アンテナが甲板上に設置されている。
 

ブルー・リッジの艦橋

 

背面から見る艦橋はステルス性に配慮された現代の艦艇と比べ、1970年代の艦艇らしくごちゃちゃしている。武骨で軍艦らしい見た目だ

 

ブルーリッジからは12号バースに停泊するレーガンを眺めることができる

 

ブルー・リッジの後ろにはヴァリアント級港湾タグボート「セミノール」が係留されていた。1,800馬力のエンジンを2基搭載し、最大560tのけん引力を発揮する

 

 ブルー・リッジを降りるとレーガンに向かうこととなる。実はブルー・リッジの手荷物検査場前でレーガンの列に向かうことができたがブルー・リッジを眺めたくなってしまった。その選択が裏目に出て、進まない長蛇の列に並ぶことに…。

 

レーガンまでの待機列。ここで凡そ12:00ぐらい

 

大雨の中待機列から眺めるレーガン。ここで13:30ぐらい

 

右舷艦橋下にあるタラップから乗艦する

 

 最初ブルー・リッジの待機列から感じていたが、今回は特に列の進みが悪い。ブルー・リッジは手荷物検査レーンの少なさで詰まっていたのを感じたが、レーガンに至っては待機列からだと何もわからない。

 以前レーガンに乗艦した時はエレベーターから格納庫に乗艦していたのだが、今回はまだ作業が行なわれていることもあり右舷側から乗艦した。おそらくここが一番混んでいる理由だろう。

 

艦内から出て振り返ると圧倒的な存在感を誇る艦橋が佇んでいる

 

米海軍の乗組員達によって記念写真会場になっていた甲板上。背景にはF/A-18C(スーパー・ホーネットと区別するためレガシー・ホーネットと呼ばれる。日本のマニアは縮めて「レガホ」と呼んだりする)が置かれていた

 

 紆余曲折ありながらも無事に乗艦。前述した通りまだ作業中となり甲板上には多数の作業車と物資が置かれていた。そもそもなぜ「こんな作業中なのにわざわざ公開したの?」と思われるかもしれない。公式見解で明言はされていないがおそらく「2024年春に横須賀基地を去るので最後の記念として一般公開」を決行したのであろう。

                                                                                                                                                                                                      

ジェット・ブラスト・ディフレクター。艦載機が発艦する際にジェットエンジンが噴出する排気を上方に逸らすための装置                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        

 

見学エリアから見るアングルドデッキ方向。手前に見える、鉄板で覆われているラインが艦載機の発艦時に使用する蒸気カタパルトだ。映画『トップ・ガン』冒頭の発艦シーンなどが印象的だ

 

 

この機体は用廃済でハンドリング訓練などで使用されるため、武装はおろかエンジンも抜かれている。エンジンが入っていた場所の間にある伸びている棒は「アレスティング・フック」。着艦時にアレスティングワイヤーに引っ掛けて使うためのものだ

 

尾翼にはレーガン大統領の肖像をモチーフにしたマークが描かれている

 

12号バースで使用されるガントリークレーン。海側のクレーンには「YOKOZUNA(横綱)」の愛称が

 

艦内の撮影スポット。レーガン像や各種フラッグが設置されていた

 

 

 おそらく乗れるのは最後か、はたまた数年後になるであろうレーガンを満喫して下船すると、この時でもう15:30前で艦船見学の長蛇の列は打ち切られたのか、短い列になっていた。

 

乗船に使用したタラップに載った時にはもう列が打ち切られていた

 

 


 

基地内居住区見学

 

 艦船見学は見終わってしまったが、なにも今回のイベントは艦船見学だけではない。想像以上に時間がかかってしまって長く見る時間はないが、少し居住区も眺めてきたのでお届けしよう。

 

数時間前までは長蛇の列が形成されていた場所も帰り間際はこのとおり。奥に空母のマストが見えるところが基地らしい

 

アメリカらしい雰囲気ながらも左側通行の道に少し違和感を感じる

 

海軍関係者の暮らす集合住宅が立ち並ぶ

 

各所に赤い新聞の自動販売機が置かれていたが、50セント入れれば本当に買えるのかいつか試したい

 

 居住区では屋台や基地内の飲食店などで本場アメリカの味と雰囲気を楽しめるのがやはり魅力的だ。ステーキやターキーレッグ、レモネードにドーナツ…とアメリカらしい屋台が立ち並ぶが、中でも一番人気はアンソニーズのピザだ。

 アメリカンなビッグサイズのピザは基地の名物として多くの人が購入し、その箱を手に持っている。筆者は一人で見学してたので流石に今回は購入しなかったが、数人グループで基地に来たのであればぜひとも食べてみてほしい。

 

 また他にもアメリカでしか買えないエナジードリンクや炭酸飲料を求め箱買いしている人もチラホラ窺える。

 

基地公開で毎回恒例で行なわれているカーショー。スプリングフェスタは比較的小規模な開催となった

 

 

 基地内ではカーショーも気になる人は気になるイベントだろう。米軍関係者の車(Yナンバー)ばかりでなく一般の方々の車も見られ、米軍基地でのイベントを盛り上げる一端を担っている。

 

背景のアメリカンな高層住宅と相まって日本国内ながらも異国情緒あふれるカーショーだ

 

 

 出店やカーショーなどが行なわれているエリアから奥に行くとヘリコプターの展示があったのだが…レーガンを見学している間に飛び立ってしまったらしい。

 ヘリコプターが飛び立ってしまったこともあり、混雑するイベントながらも奥の海沿いは静かだ。レジャーシートなどを持ってきて、アメリカンな食事を海沿いで猿島を眺めながらのんびりと味わうのもいいだろう。

 

ベースボールフィールドではバルーンアトラクションやストラックアウトなども行なわれている。子連れでもしっかり楽しめる

 

 


 

 岩国基地航空祭のように派手な飛行展示などはなく、横田基地のように大量の飛行機が駐機していて壮観、ということもない。しかし米海軍艦艇を見られて、アメリカンな食事を楽しめて、米軍基地の生活に触れることのできる貴重な機会といえるだろう。

 興味のある方は、ぜひとも次回(おそらく10月頃に開催)参加してみてはいかがだろうか?

 

イベントの裏で撮ってる人もいない静かなヴェルニー公園

 

TEXT&PHOTO:出雲

 


 

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