2019/03/25
エアソフトで再現する「最新キャリーガンの魅力」
心を揺さぶるカスタムガンは人それぞれにあるが、それが必ずしも製品化されているわけではない。例えばたった1枚の写真からその銃の背景を探り同じものを造ってみることもカスタムなのだ。ここでは有名、無名にかかわらず気になった銃を製作、紹介したい。
最新キャリーガンの魅力
CQBやCQCといった状況ではM4系などのライフルよりも、ハンドガンのほうが有利になる場合がある。また近年頻繁に発生する無差別テロなど日常生活が突然戦場になる可能性もあることから、コンシールドキャリーは急速に浸透している。CCWの特性上、相手よりも素早く、的確にターゲットを仕留めなければならないためパワーとバランスが重視される。秘匿携帯銃(CCW=concealed carry weapon)といえばS&W Jフレームリボルバーが幅を利かせてきたが、各銃器メーカーでもコンシールドキャリーガンに焦点を合わせた開発を行なってきたため、オートマチックピストルでも充分な性能を示せるようになった。
グロック26 CCW
デルタフォースに代表されるJSOC隷下部隊ではG26はNSNナンバーが与えられている。コンシールドに適した大きさで9mm弾を10発装填できるところから、主に警護や秘匿性の高い任務、プレートキャリアなどに差し込んで使用している。実際にはノーマルの状態で使用されているはずだが、それでは面白くないので、CCWに必要な要素を想定して製作した。東京マルイのグロック26は同社のガスブローバックガンでは比較的古いものになる。現在ではカスタムパーツの欠品が多いことから、加工によるカスタムをメインとした。
スライド前面とツライチになるようにバレルは先端をカットしてテーパーをかけ、リコイルスプリングガイドは基部をカットして長さを調整。スライドとバレルにはマグナポート加工を入れた
フライスにてフロントセレーションを追加。スライド前方を掴んでコッキングを行なうのはコンバットシューティングでは有効な手段なのでフロントセレーションは必須だ
スライドトップにはスリーボールラディウスカットを入れた。3本のラインの中心をガイドにすると、素早く真っ直ぐに構えられる実用性の高い加工だ
トリガーガードの形状をラウンドタイプに成型し、グリップのフィンガーチャンネルも削除しハイグリップを可能にした。また、フレームへのスティップリングはインサイドホルスターなどより体に密着させて使用する場合は、荒めのスティップリングは避けるべきである
USP Carry
USPコンパクトは警察向けにUSPをダウンサイズした、まさしくコンシールドキャリー向けのオートだ。このUSPコンパクトをベースにヨーロッパのスペシャルフォースが採用しそうなCCWを目指した。マズルジャンプを抑えるコンペンセイターはヨーロッパ系オートではポピュラーに行なわれているのであえて外装式とした。コンバットサイトよりヨーロピアンカスタムな感じがする集光サイトをチョイス。フロントセレーションを追加していかにもグロック26 CCWのライバルらしいスタイルにした。
今回の目玉であるコンペンセイター(NB)はUSPマッチより小型で、ホルスターに引っかからないデザインのものをチョイス
トリガーストップはトリガーの引きしろを制限することで停止位置を調整するためだけでなくトリガーを引き切った余力が真後ろに掛かることで銃がよじれることを防ぐ効果が期待できる
スライドの段差に合わせ2段式のフロントセレーション加工を行なった
サイトはDCI Guns製 集光サイトiMはロープロファイルで視認性が高く素早いサイティングを可能にする
TEXT:IRON SIGHT
この記事は2019年4月号 P.78~79より抜粋・再編集したものです。