実銃

2023/09/15

【実銃】『ジョン・ウィック:パラベラム』で使われた銃器たちを紹介!!【Chapter 1】

 

JOHNWICK

PARABELLUM

銃器

 

 

 『ジョン・ウィック』シリーズは独特な世界観を持つ娯楽作品だ。派手なガンアクションが全編を貫いている。そして、その中に登場する銃はどれも入念な検討の上に選ばれ、強い個性を発散、出演者と共に物語を盛り立てる存在だ。

 シリーズ3作目『ジョン・ウィック:パラベラム』で使用された銃について、その主なものをここに集めてみた。それぞれの銃の来歴について知っておけば、映画をもっと楽しめるだろう。

 

※この記事は月刊ガンプロフェッショナルズ2019年11月号に掲載されたものです。

 


 

 2014年に大ヒットを記録したアクション映画『ジョン・ウィック』(原題:John Wick)はキアヌ・リーブスを再びアクション映画の世界に返り咲かせた作品となった。『マトリックス』でキアヌのスタントを担当、あらゆる格闘術を知り尽くしたチャド・スタエルスキと、『デッドプール2』などの監督で知られるデヴィッド・リーチが共同監督、制作指揮を行なっている。

 

『ジョン・ウィック:チャプター2(John Wick: Chapter 2)』に引き続きXtreme Props and Weapon Rentals社のGary Tuersが銃器を担当した。副題がパラベラムということで、実はルガーP08も密かに用意したが、結局使用される事はなかったとか


 比較的低予算の作品ながら、世界興行収入でその5倍近くを稼ぎ出す異例のヒットとなった背景には、90年代に『スピード』や『マトリックス』で多くのファンを獲得したキアヌが久々に力を注いだアクション作品であった事、そしてこれまでとは異なる、銃による戦いと格闘術を融合させた新しいスタイルのアクションの魅力とが相乗効果となり、キアヌの人気再燃現象を引き起こした。

 

裁定人(エイジア・ケイト・ディロン)がバワリー・キングに前作で使用されたとするキンバー1911を見せるシーンで一瞬再登場するが、グリップが異なりNYのプロップ会社側で用意された別のモデルだと判る

 

 2017年に公開された続く第2作目『ジョン・ウィック:チャプター2』(原題:John Wick: Chapter 2)では監督を含めた主要スタッフが続投し、撮影予算・規模を大幅に拡大した。物語も裏社会の秩序を保つ主席連合を軸に、その独特の世界観を広げたものとなっている。

 


 そして2019年10月4日に日本公開となった第3作目『ジョン・ウィック:パラベラム』(原題:John Wick: Chapter3 - Parabellum)が、5月17日に全米で公開され、3週連続独走中だった『アベンジャーズ/エンドゲーム』から首位を奪う大ヒットを記録、その好調ぶりから直ちに4作目の製作もアナウンスされた。毎回成績を倍に引き伸ばし、この第3作の世界興行収入は、現在320億を超える規模になっている。

 


 

プリプロダクション

タランは前作のG34コンバットマスターを超えるハンドガンを求めたチャド監督の要望に応えるため、STIとコラボし究極のリミテッドガンとしてこのSTI 2011 Combat Masterを開発した。6インチでは長すぎて作動サイクルが遅くなるため、STIの3ガンモデル、DVC-3と同じく5インチよりも長い照準線長を持つ5.4インチのバレル/スライドを採用している。『ジョン・ウィック:パラベラム』のトレーラー第1弾が2019年のSHOT Show直前に公開され、STIブースでこの映画で使われたモデルが展示され華々しく発表された。全長230mm、銃身長137mm、全高141mm、重量1,043g、MSRP $3,899.99


 第2作目の制作準備段階で、チャド監督はキアヌにさらなる実戦的な射撃スキルを身につけさせるため、3ガン競技のナショナルチャンピオンであり、本誌のリポートでお馴染みになっているタラン・バトラーを射撃のトレーナーとして迎え入れた。


 それと同時にタランの会社であるTTI(Taran Tactical Innovations)のカスタムガンを作品に採用、劇中ではローマの武器ソムリエがジョンに勧めて使用する銃器としてTTIのカスタムガンが登場する。

 

撮影のために用意された2挺(シリアル番号TG30334 & TG30335)


 『ジョン・ウィック:チャプター2』ではG34コンバットマスター(Combat Master)、バックアップにG26コンバットキャリー(Combat Carry)、TR-1ウルトラライト(Ultralight)、TTIベネリM4がローマの地下墓地のシーンを中心に活躍した。銃を切り替えながら撃つトランジションを駆使した戦いは当初設定にはなかったが、タランの実弾射撃訓練を体験した監督が脚本に取り入れたものだ。

 

戦闘に備えようとするジョンがコンチネンタルホテルの武器庫で前作のG34コンバットマスターを一瞬手にするが、最新の防弾装備に対抗するため、9mmメジャー弾の使用にじゅうぶんに耐える、強力なSTI2011コンバットマスターをシャロンから勧められて使用する。グロックでは9mmメジャー弾の使用は厳しい。下が同じく前作の撮影で使用したG26コンバットキャリー


 第3作目の制作決定、いわゆるグリーンライトが点灯したのは2作目の公開から数ヵ月が経過した2017年6月で、再びタランを銃器関連のアドバイザーを兼ねて再び迎え入れた。同時にタランは監督の依頼により新型カスタムガンの開発を進め、STIと協力し新型のコンバットマスターを完成させている。前作同様3ガン仕様のTTIベネリ、そして新たにTTI仕様のSIG MPXを投じている。

 

前作のG34コンバットマスター(5.31インチバレル)との比較

 

 

 この次のレポートでもさらなる銃器を紹介していく。

 

続きはこちら

 

TEXT&PHOTO:Gun Professionals LA支局

Special thanks to Taran Butler, Gary Tuers, Chad
Stahelski, and Keanu Reeves.

 

この記事は月刊ガンプロフェッショナルズ2019年11月号に掲載されたものです。

 


 

『ジョン・ウィック』シリーズ最新作を観る方にオススメ!!

月刊ガンプロフェッショナルズ 2023年10月号

 

 

 キアヌ・リーブス演じる伝説の殺し屋ジョン・ウィックの最終決戦が描かれる第4作目『ジョン・ウィック:コンセクエンス』が、いよいよ9月22日に日本でも公開される。この映画でジョンは様々な銃を使いながら戦いを進めていくが、今月号のガンプロフェッショナルズではメインとなる3機種について、デザインを手がけたタラン・バトラーのインタビューを交えながら詳しくご紹介している。登場銃について知ることができるので、上映前にぜひご一読いただきたい。

 

 


 

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