実銃

2023/07/02

【実銃】BCMが異なる法執行機関に向けて作り上げたRECCE-14/16 その実射をチェック!【後編】

 

BRAVO COMPANY
RECCE-16 BCM4

Police Carbine

 


 特殊なデザインや機構に走るのではなく、とにかく“高品質かつ酷使に耐える”というプロフェッショナルのためのM4/AR15プラットフォームライフル製造で知られているのがBCM(Bravo Company Manufacturing, Inc.)だ。今回は、ローカルポリスデパートメントのために組み上げられた2挺のARを撃ち込んでみた。

 


 

~実射~

 

マガジン3本、ターニキット、エマージェンシーキットなどを収めることができるチェストリグ

 

 

愉しい実射テストのセットアップ


 今回は100ヤードにおける精度テストと、時節柄2種類のアモに限った習熟テスト、そして威力テストとして、USメイドの頑丈なコンクリートブロックを撃ってみた。使用アモは、Speer社製55gr G2とWolf社製ゴールド(ブラス製ケース)55gr FMJの2種とした。

 

16インチバレル、100ヤード Speer 55grのグルーピング。右の1発を除く4発は、1.25インチに集弾している

 

 

ライフル自体の重さがあるので、リコイルはマイルドだ。このようにストックを短くして前面投影面積を小さくした場合、この立ち気味のピストルグリップがしっくりくる


 精度テストは、100ヤードからライフルレストを使って5発を2回ずつ撃ち、一番遠い1発を除いた4発のベストグループを計測した。結果としては、やはりSpeer G2の方がタイトなグルーピングを見せ、16インチバレルの方が1.25インチ(約32mm)、14.5インチバレルの方が1.5インチ(約38mm)と健闘した。

 

 この日はターゲットが少し揺れるくらいの横風があったので、日を改めれば、もう少し良い結果も期待できそうだ。

 

14.5インチバレルのグループ。1.5インチに集まっている

 

 それにしても、昨今のアモ不足はいつまで続くのだろうか。現時点で5.56×45mmの価格は、1発が1~2ドルもする。以前の5倍以上なのだ。世知辛い世相になったものだ。

 

 撃ち心地のテストとしては、2人でそれぞれ2マガジンずつ、120発ほどを15ヤードから100ヤードまでを撃ってみた。16インチバレルの方は、比べればリコイルはマイルドだが、いかんせん重量が4,120g(マガジン抜き)あるので、取り回し的にはやや辛い。

 

「これでも以前のクアッドレイル(ハンドガードの上下左右にレールが付いていた)に比べたら軽いです」とイケダさん

 

左手をターゲットに突き刺すようにドライブさせる

 

 14.5インチバレルの方は3,090g(マガジン抜き)と、約1kgも軽いので、軽快そのものではある。ただし、エイムポイントのみで100ヤード12インチプレートにスタンディングで当てるのは結構大変で、やはり可変倍率のスコープが欲しくなる。この辺りはスコープの重量差もあるので何とも言えないが、やはり近、中距離用と割り切って、14.5インチの方に1-6倍スコープを載せるというのが現実的だろう。

 

ターゲットを目視して、ロウレディ!

 

サスペクトに動きがあり、ライフルを持ちあげる

 

レディ トゥ ファイア

 

スタンディングから、ニーリング。排莢の方向も安定している


 またブロック破壊テストでは、参考までにグロックG19でも9mm 147grも撃ってみた。やはりピストル弾でアメリカ製の堅牢なブロックを破壊するのは困難で、数mmのへこみができたに過ぎない。その点、小口径といえども5.56mmはさすがにライフル口径で、1辺は軽く貫通することができた。

 

グロックG19で10ヤードから、フェデラル 147gr HSTを撃つ

 

グロックだとちょっと削れただけに見える

 

距離は15ヤードだ

 

 しかしこの1辺を貫通するのにそのエネルギーをほとんど使ってしまうようで、弾は内側でバラバラになってしまって、ほとんど残っていないという状態だった。

 

着弾の瞬間!

 

周りにもダメージを与え、貫通しているのがわかる

 

2発目が着弾。これも貫通している

 

3発目。上下の境目に当たっている

 

 次に、このブロックを完全に破壊するには、一体何発が必要かというトライもしてみた。ブロックの形がなくなるまでには、なんと6発もの5.56mm弾が必要だというのは新鮮な驚きであった。

 

4発目、かなりのダメージだ
4発目、かなりのダメージだ

 

5発目で破壊完了

 

 皆さんにおかれては、AR15に狙われたなら、ブロック塀の陰に隠れても無駄というのを、肝に銘じていただきたい、と考える今日この頃であった。
 

Photo&Text:Hiro Soga

 

この記事は月刊ガンプロフェッショナルズ2019年8月号に掲載されたものです。

 

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