2022/09/10
知っておきたいエアハンドガンの基礎知識【初心者向け】
ハンドガンは実銃のみならず、エアガンの世界でも人気が高い。手頃なサイズや値段の製品が多いことから初心者も手に取りやすく、初めて買ったエアガンはハンドガンだったという人も多いことだろう。
今回はエアガン初心者が混乱しやすいエアハンドガンの発射形式ごとの特徴やメリット・デメリット、さらにオートマチックピストルとリボルバーの各部名称まで解説していこう。
ハンドガンの発射方式とメリット・デメリット
エアガンとして販売されているハンドガンの発射方式4つに分けられる。
- 電動ガン
- ガスブローバックガン
- ノンブローバックガスガン
- エアコッキングガン
ハンドガンを購入する際はそれぞれの特徴やメリット・デメリットを頭の中に入れておこう。
- ガスブローバックガン
ハンドガンの中で現在主流となっているのがガスブローバックガンだ。スライド固定式ガスガンやエアコッキングガンに比べて素早く連射できる。また内部構造がリアルで、ブローバックアクションやリコイルショックが味わえる。しかし反面、連射しすぎてマガジン(ガスタンク)が冷えてガス圧が低下すると、ブローバックスピードが遅くなり、最悪の場合は撃てなくなってしまうデメリットがある。またガス圧は連射だけではなく周囲の気温が低い場合でも低下してしまう。冬場の使用は厳しい。
メリット
- 連射できる
- 内部構造がリアル
- ブローバックアクション&
- リコイルショックが味わえる
- 水に濡らしても作動する
デメリット
- 気温(温度)に左右されやすい
- 銃を逆さにして撃てない
- ガスボンベ代がかかる
- スライド固定式ガスガン/ ガスリボルバー(ノンブローバックガスガン)
ノンブローバックガスガンはエアコッキングガンに比べて連射できるメリットがある。またガスブローバックガンに比べてガスの消費量が少なく経済的。またリボルバーがラインアップされている。デメリットは基本的にガスブローバックガンと同じ。銃を逆さにすると気化していないガス(生ガス)が噴き出してしまったり、寒くなるとガスが気化しにくくなってしまう。また、特にオートマチック系は内部構造はリアルではない。さらにブローバックアクションやリコイルショックが体感できない。
メリット
- エアコッキングガンより連射できる
- 発射音と作動音が低い
- ガスブローバックガンより経済的
- リボルバーがある
デメリット
- 気温(温度)に左右されやすい
- 内部構造がリアルではない(特にオートマチックピストル)
- リコイルショックがない
- 銃を逆さにして撃てない
- エアコッキングガン
エアコッキングガンはピストンのコッキングを手動によって行なうため経済的かつエコロジカル。またガスガンとは違って気温などに左右されることなく、季節を問わず安定した性能を発揮する。しかし撃つ度にピストンをコッキングしなければならないので、ガスブローバックガンのような連射は難しい。オートマチックピストルが多いが、リボルバータイプの場合、ハンマーをコックするシングルアクションとなっている。電動ガンはエアコッキングガンの連射性能を補うために登場したと言っても過言ではない。
メリット
- 気温に左右されない
- 安定した実射性能
- 経済的
デメリット
- 連射しにくい
- コッキングに力が
- 必要な場合がある
- 内部構造がリアルではない
- 電動ガン
エアコッキングガンのメリットである安定した実射性能をそのままに、デメリットである連射性をモーターの力によってピストンをコッキングする方法を取り入れたものが電動ガンだ。本物のマシンガンのように連射できる。また再充電可能なバッテリーを電源としていることから経済的。しかしエアコッキングガン同様、本物のようなブローバックアクションが再現できなかったり、内部構造がリアルではない。
メリット
- 連射できる
- 安定した実射性能
- 経済的
デメリット
- 内部構造がリアルではない
- ブローバックアクションが再現できない
ハンドガンの外装パーツの名称
パーツの名称は多くの場合、各社共通で表記は統一されているのだが、メーカーによって異なる表記をする場合がある。例えばリボルバーのシリンダーをスイングアウトする時に用いるパーツのことをS&Wはサムピース、コルトはシリンダーラッチと呼んだりする。あるいは言葉は同じでも異なる箇所を示すこともある。ここでは実銃、エアガンを問わず一般的な表記を選んで掲載した。エアガンの場合、外装パーツは実銃と共通だが、内部パーツに関してはエアガンにしかないものもある。
オートマチックピストル
(東京マルイ ガスブローバックガンM45A1 CQBピストル)
- 1.バレル
- 2.バレルブッシング
- 3.リコイルスプリングプラグ
- 4.フロントサイト
- 5.スライド
- 6.セレーション
- 7.エジェクションポート
- 8.フレーム
- 9.アンダーレール
- 10.トリガー
- 11.トリガーガード
- 12.スライドストップ
- 13.マガジンキャッチ
- 14.グリップ
- 15.グリップスクリュー
- 16.セーフティ(サムセーフティ)
- 17.グリップセーフティ
- 18.ハンマー
- 19.メインスプリングハウジング
- 20.ランヤードリング
- 21.リアサイト
- 22.マガジン
リボルバー
(タナカ S&W M66 4インチVer.3ガスガン)
- 1.バレル
- 2.フロントサイト
- 3.シュラウド
- 4.エジェクターロッド
- 5.ヨーク
- 6.フォーシングコーン
- 7.フレーム
- 8.シリンダー
- 9.トリガー
- 10.トリガーガード
- 11.サイドプレート
- 12.サムピース(シリンダーラッチ)
- 13.ハンマー
- 14.リアサイト
- 15.グリップ
- 16.グリップスクリュー
TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジンウェブ編集部
この記事は月刊アームズマガジン2022年9月号 P.32~33をもとに再編集したものです。