エアガン

2022/06/13

よくある疑問に答えるエアガンQ&A【ショットガン編】

 

このコーナーはアームズマガジン編集部に寄せられた「ショットガンの疑問」をいくつか厳選し、毛野ブースカと若手スタッフが体当たりで検証してみるという企画となっております。優しい検証からややハードなものまで、体を張ってやっているのでぜひご覧ください。

 

読者の皆さんこんにちは。毛野ブースカです。今回は私が色々な疑問にお答えしていきます。ショットガンを扱ううえで役立つ知識もたくさん掲載していますので、銃や装備品選びの参考にしてみてください。

 



毛野ブースカ

 

 

 アームズマガジンエグゼクティブエディター。今までに試射したエアガン・モデルガンは1,000挺以上であり、豊富な経験と知識を持つ。今回はショットガンについての基礎的な解説と編集部に寄せられたショットガンの疑問に答えるアドバイザーとして参加してもらった。

 

津軽太郎

 

 

 アームズマガジン編集部の若手スタッフ。サバイバルゲームではショットガンを使用するショットガンナーだが、知識面はイマイチ不足気味。今回は毛野ブースカの知識をお借りして様々な疑問を解消していく本企画の進行役を務める。

 

ポスカ

 

 

 その辺を歩いていたアームズマガジン編集部の若手スタッフその2。とある検証実験で足の遅い津軽太郎に代わってアシスタントを務めることになってしまった。

 



Q.ショットガンはどれくらいの制圧力があるのでしょうか?

 

A.ショットガンには1発発射(単発)複数の弾を同時に発射できる複数発射があります。単発モデルはどららかといえば命中精度重視で制圧力は低いです。一方、複数発射は3 ~6発のBB弾を同時に発射できるので制圧力は高いです。また、物理的な制圧力だけではなく、ショットガンのコッキング音や発射音は相手に対して心理的なプレッシャーをかける道具にもなります。

 

中~近距離の制圧力という面だけで見れば、フルオート射撃ができる電動ショットガンはかなり強力なものだ。純正の電動ドラムマガジンは装弾数が3,000発となっており極限まで制圧力を上げることができる

 

エアコッキング式のポンプアクションモデルには「ラピッドファイア」という連射機能が搭載されていることが多い。トリガーを引いたままフォアエンドを動かすと連射ができるというものであり、これを使いこなすことにより電動ガンと互角かそれ以上に渡り合うことも可能だ

 


 

Q.ポンプアクション・ショットガンのコッキングが難しいです。コツを教えてください

 

A.ポンプアクション・ショットガンの中でもエアコッキング式はコッキングがしにくかったり、非常に力が要るものがあります。コッキングする時はゆっくりじっくりと引くのではなく、グリップを握った手を前に押し出すようにしながら反対側の手でフォアエンドを一気に引いたほうがコッキングしやすいです。フォアエンドに滑り止めのテープを貼ることで滑りにくくなってコッキングしやすくなる場合があります。ただし、女性の方など腕力に自信がない方は、内部をチューニングして引きやすくする方法もありますが、分解が必要なのであまりお薦めできません。潔くエアコッキング式を諦めてガス式や電動ガンを選ぶのもありです。

 

複数の弾を同時に発射できるショットガンはコッキングが重く、フォアエンドを引くのに苦労された経験を持つ方も多いのではないだろうか

 

右利きの場合はコッキング時にグリップを握った右手と前方(銃口方向)に押し出すように力を入れながら、同時にフォアエンドを持つ左手を引くとスムーズにコッキングできる。実銃では「プッシュプル」と呼ばれるテクニックだ

 


 

Q.ショットガンのマガジンはどこに収納するべきでしょうか?

 

A.ショットシェル型マガジンを収納するポーチやキャリアは様々なメーカーから発売されており、選択肢は非常に多いですが、お薦めなのが私も使用しているエラスティックバンドを使用したオープンタイプのシェルキャリアです。素早くシェルを取り出せ、エラスティックバンドのテンションでしっかりとシェルも保持されます。伏せ撃ちや匍匐前進などを多用されるユーザーであればフラップの付いたポーチのほうがシェルを紛失しにくいのでお薦めです。ボックスマガジンはユーティリティポーチや適切なサイズのマガジンポーチに収納しておくと安心です。

 

エラスティックバンドでシェルを保持するオープンタイプのシェルキャリアは素早いリロードを可能にしてくれる。ズラッとショットシェルが並ぶと見た目もインパクトがあり、ショットガンナーらしさの演出にも役立つ

 

エアガン用のショットシェル型マガジンは実弾のショットシェルよりやや大きく作られているのでサファリランド製の実銃用ショットシェルキャリアなどでは保持ができない。購入する際は要注意だ

 


 

Q.ショットガンの携行方法やスリングの使い方を教えてください

 

A.フルサイズのショットガンにはツーポイントスリングを選ぶといいでしょう。ショットガンのスリングスイベルはチューブマガジンの先端とストック後端に付いていることが多く、2点で固定するツーポイントスリングがセットアップしやすいです。ソウドオフモデルやピストルグリップモデルといったバレルが短いモデルにはワンポイントスリングが使いやすいです。セカンダリーとしてショットガンを使用する場合は背負って携行できるショットガンスキャバードや、腰の位置にショットガンが携行できるウェポンキャッチなどがお薦めです

 

写真は一般的なショットガンの携行ポジションを表したものだ。銃口を下に向けるのが「アフリカンキャリー」(写真左)、銃口を上に向けると「アメリカンキャリー」(写真右)というスタイルになる

 

ショットガンスキャバードは袈裟掛けにして背負うタイプものや、MOLLEウェビングに取り付けてプレートキャリアやバックパックと共に持ち運びができるものなどがある

 


 

Q.ショットガンに便利なアクセサリーを教えてください

 

A.ショットガンには様々なカスタムパーツがありますが、その中でも私がお薦めするのは「ショットシェルホルダー」ですね。これは銃本体側面やストックなどに取り付けるパーツで、シェル型マガジンを複数個携行できるようになります。素早いリロード(マガジンチェンジ)ができるようになりますし、何より見た目にカッコいい!いかにもショットガンらしくなります。

 

銃の本体側面に取り付けるタイプのショットシェルホルダー(通称サイドサドル)は便利なアクセサリーだが装着できないモデルもあるので、購入時に対応できるかどうか確認しよう

 

ストックに取り付けるショットシェルホルダー(通称ストックポーチ)は固定式ストックならおおむね装着できる。シェルホルダー機能とユーティリティポーチを兼ね備えたものもある

 


 

Q.東京マルイのエアコッキング式ショットガンはコッキングが重いです。どうしてですか?

 

A.東京マルイのエアコッキング式ショットガンは、3発を同時に発射させるためにインナーバレル/シリンダー/ピストン/スプリングが3つずつ内蔵されています。3発のBB弾を発射させるためには3つのピストンとスプリングを一気に圧縮しなくてはならず、そのためにコッキングが重くなってしまうのです。ガスショットガンはピストンをコッキングする必要がなく、また単発モデルの場合はピストンがひとつしかないので、コッキングにそれほど力が必要ありません。

 

3発同時発射機構が付いているショットガンはインナーバレルが3本付いている。単発式のショットガンはインナーバレルは1本だけのシンプルな銃口だ

 

エアコッキングショットガンはコストパフォーマンスに優れており、3発同時発射機構は強力なシステムだが、使用するには多少の腕力とコツが必要だ(画像:東京マルイ SPAS12)

 

 

ガスショットガンはガス圧を利用してBB弾を発射するのでコッキングが軽い。エアコッキング式のショットガンが扱いにくいと感じる方はこちらを選択してみるのもよいかもしれない(画像:東京マルイ M870ウッドストックタイプ)

 

 

単発仕様のマルゼンCA870シリーズは命中精度が高く、ポンプアクション式のスナイパーライフルとして愛用しているプレイヤーも多い(画像:マルゼン CA870)

 

 

KTWのイサカM37シリーズは発射弾数が1発と2発に切り替えできる。軽量でコッキングも軽くショットガンの入門機種としてお薦めの1挺だ(画像:KTW イサカM37)

 

 


 

Q.ショットガンは距離によってどのくらい弾が拡散しますか?

 

A.それに関しては津軽太郎がお答えします。ショットガンの拡散力を調べるために、東京マルイM870タクティカルで10m、20mから射撃した検証実験を行ないました。着弾の感覚を確かめるためにも私自身が標的を持ち、実際に撃たれてみた結果を下記の写真とともにお伝えしましょう。

 

3発同時発射で10mを撃ってもらう

 

BB弾は綺麗にめり込んでストップしている。着弾が明確にわかるほど大きな衝撃が走り、3発分の着弾エネルギーをしっかりと感じ取ることができた。散弾の拡散は最も広いところで3.5cm程度だった

 

今度は20mでチャレンジ

 

着弾時の衝撃は10mに比べて分散したようであり、ややマイルドだ。標的はわずかに破れており着弾の跡が見える。計測してみると散弾の間隔は10.5cm程度であり1発だけ大きく拡散していた

 


 

Q.電動ショットガンのメリット・デメリットを知りたいです

 

A.電動ショットガンはモーターの動力によって自動的にピストンを後退させるのでマガジンを装填し、トリガーを引くだけで射撃を行なえるのが最大の特徴でありメリットと言えます。ポンプアクション式に比べて操作性もシンプルであり、3発同時発射による高い制圧力も持っています。しかし電動ガンですのでメカボックスを内蔵しており、大柄なレシーバーも手伝って本体重量は4.4kgと重く、純正の電動ドラムマガジンに0.20gのBB弾をフル装填し本体に装着すると総重量は7kgほどになります。

 

電動ショットガンシリーズ第1作であるAA-12はシンプルながら力強さを感じさせるデザインが特徴となっている。セレクターなども操作しやすい位置にあり、簡潔ながら非常に扱いやすい1挺となっている

 

SGR-12は東京マルイオリジナルデザインの電動ショットガンだ。操作性と取り回しの良さを重視したデザインとなっており、20mm規格のトップレールとM-LOK規格のハンドガードによって拡張性も高められている

 

 


 

Q.電動ショットガンの実力を知りたいです

 

A.編集部若手スタッフのポスカに段ボールの標的を持たせ、射手の前方5mを駆け抜けるところを容赦なく撃ち、動く標的に対しての制圧力を検証しました。

 

直線距離5mという設定はサバイバルゲームにおいてバリケード間を移動する際に走る距離をイメージしたものだ。電動ショットガンの射線を横切ったら、どうなってしまうのか? ポスカの体を張った検証実験により結果が判明した

 

スタートの合図と同時に大量のBB弾がポスカを襲う。スタートダッシュはよかったが中間地点を走り抜ける頃には「イテッ、イテテ」と短い悲鳴が聞こえるように…

 

着弾点は全部で18箇所もあった。それも程よいまとまりを見せており、狙ったところに弾が当たっていることがよくわかる。電動ショットガンを持ったショットガンナーと対峙した際は、正面から撃ち合うのは避けたほうがよさそうだ

 



 ショットガンの魅力をお伝えするために、今回は体を張った検証実験をいくつか行なってみたがいかがだっただろうか? この記事を読んで少しでもショットガンに興味を持ち、撃ってみたいなと思っていただけたのなら幸いだ。ショットガンは素晴らしいものなので機会に恵まれた際はぜひ一度触って、撃ってみてほしい。今回も読んでくれてありがとうございました!(津軽)

 

TEXT:津軽太郎/アームズマガジンウェブ編集部

監修:毛野ブースカ

 

この記事は月刊アームズマガジン2022年6月号 P.28~31をもとに再編集したものです。

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