実銃

2022/06/07

【実銃】実銃新ブランドにおける純オーストリア産ARクローン「ALPEN ARMS STG15 & STG9」

 

工業大国が放つ王道ARクローン

 

 グロック、ステアーAUGを生んだオーストリアが放つARクローンの新しいブランド“ALPEN ARMS”。国防を担う兵器工場が作り上げた、「完全オーストリア製」にこだわったAR15の実力は一体どうなのだろうか? 今回はその実銃レポートを公開しよう。

 


 

 

突如現れたARクローンの新星

 

 昨今の銃器業界といえば、どこもかしこもARクローンである。実際、製造したARクローンが自国の軍に採用されただけでも莫大な利益につながるわけで、大手メーカーもこぞって参入している。今回紹介するオーストリアのアルペンアームズはARクローンで銃器ビジネス初参入したブランドであり、もともとはオーストリアの国防省に卸す武器のパーツなどを製造する精密機械工作の工場を持つ企業だ。そこで築いたコネクションと工作技術を活かし、ARクローンで小銃製造にも進出してきた。

 

 

ALPEN ARMS
STG9

 

  • 使用弾:9mm×19
  • 全長:815mm 〜900mm
  • バレル長:317mm
  • 重量:3,043g
  • 装弾数:10/17/33発

 

ALPEN ARMS
STG15

 

  • 使用弾:.223レミントン
  • 全長:790mm ~ 875mm
  • バレル長:292mm
  • 重量:2,966g
  • 装弾数:10/30発

 

 今回紹介するのはスタンダードなAR15スタイルを持つSTG15と9mm×19弾仕様のSTG9の2挺。この9mm仕様がここのところ人気だ。現在、これだけAR15が各地で採用されていると、SMGでもAR15の構成に則っている方が効率的と考えられる。

 例えばアサルトライフルとしてAR15を、SMGにMP5を採用している部隊があるとしよう。それぞれの銃をミッションに合わせて使い分けるわけだが操作性が違うので、それぞれ別個で訓練をしなければいけない。特殊部隊など銃器に精通している人員であれば問題ないかもしれないが、これが一般の警察官だったりすると訓練に使える時間も弾薬も限られているのでそうもいかなくなる。

 だが、これが両方とも口径が違うだけのAR15スタイルの銃であれば、ライフル弾に比べてはるかに安いピストル弾の9mmで訓練を積めば同じ要領でライフルを使えるということになる。また、室内射撃場の多いヨーロッパでは威力の強いライフル弾を撃てる射撃場は限られるのだが、ピストル弾仕様なら場所を選ばないというメリットもある。さらにパーツまで共有できると、まさにいいこと尽くしなのだ。

 

フォワードアシスト周りを強化しているレシーバーが多い昨今ではあるが、STG15はスタンダードなスタイル。チャージングハンドルもノーマルのままだ

 

STG15のトリガーユニットはサービスライフル用のものだが荒さはなく、キレもある

 

STG9のレシーバー内部。トリガー&ハンマーユニットはAR15のもの。マガジンのすぐ後ろにイジェクターがある

 

STG9のロアレシーバーは専用設計。マガジンハウジングはグロックマガジンの大きさに合わせられている

 

 昨今はメインアームにAR15を、サイドアームにグロックを採用する組織も多い。そこがSMGを使うとなればグロックマガジンが使用できるAR15の9mm仕様がもっとも都合がいい――そういった需要に合わせたSTGファミリー。次回はその実射の様子のレポートを公開しよう。

 

実射レポートはこちら

 

Special Thanks to:Le cercle de tir de Wissous
https://www.youtube.com/c/LecercledetirdeWissous/featured

Text & Photos:櫻井朋成(Tomonari SAKURAI)

 

この記事は月刊アームズマガジン2022年5月号 P.84~91をもとに再編集したものです。

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