実銃

2022/02/24

【実銃】フランス特殊部隊GIGNも採用した「CZ BREN 2」2021年最新モデル

 

試射イベントで見たCZUBの主力製品

 

 チェコの銃器メーカー、CZUBが10月に開催した試射イベント「CZ Meeting」。前回はハンドガンについてのレポートを公開したが、今回は同社の主力商品のひとつ、BREN 2アサルトライフルのバリエーションで、新製品となるテレスコピックストックモデル(7.62mm×39弾仕様、9インチバレル)のレポートを公開しよう。

 

CZ Meetingのハンドガンレポートはこちら

 


 

 

CZ BREN 2
7.62×39 9"
TELESCOPIC STOCK

  • 使用弾:7.62mm×39
  • 全長:580mm(ストック収縮時)/760mm(ストック伸長時)
  • バレル長:227mm(9インチ)
  • 重量:3,030g
  • 装弾数:30発

 

 チェコ軍がBREN 2の制式採用よりも前、チェコスロバキアの時代から使用していたのが、Vz 58アサルトライフルだ。この銃はAKシリーズに似た外観を持つものの、CZの独自設計によるもので、弾薬はAK47と同じく7.62mm×39弾を使用する。俗にAK弾などとも呼ばれるこの弾薬は威力の面で.223(5.56mm×45NATO)弾より優れた点があり、近年では西側諸国でも.300AAC Blackoutという類似の弾薬を開発している。この弾とAK弾ではさほど性能差はないものの、敵側の弾薬を使いたくないという感情的側面もあったのだろう。しかし、Blackoutは需要の少なさから5.56mm×45弾に比べ価格が高いという欠点もある。ならば最初からAK弾を使えばいいじゃないか、ということでフランス国家憲兵隊特殊部隊GIGNは7.62mm×39弾仕様のBREN 2を採用した。

 

コンパクトさを追求したBREN 2の最新モデル

 

 今回のCZ Meetingでは新製品のBREN 2テレスコピック(伸縮)ストックモデルが登場した。今回撃った7.62mm×39弾仕様が9インチバレル、標準的な5.56mm×45弾仕様が8インチバレルと、いずれもコンパクトだ。BREN 2のストックは元々サイドフォールディング(横への折畳)と長さ調整用の伸縮機能を兼ね備えており、畳めば全長は短くなるがストックの厚さ分横幅が増す。それゆえ、とりわけ特殊部隊などには、コンパクトなテレスコピックストック仕様も需要があったのだろう。それに、何よりこの方が格好いいのだ。

 しかし、テレスコピックストック仕様は、実際に射撃してみるとやはりノーマルストックと比べて快適ではない。細い金属製アームにはしっかりした頬付けができないし、サイトを覗き込む際に頬骨と触れる形になる。その状態で射撃をすると、リコイルショックが頬骨を叩き、なかなか痛いのだ。リコイルの強いAK弾仕様ともなればなおさらで、格好いいだけに残念だ。

 

テレスコピックストックのバットプレートはラバー製で、リコイル軽減と滑り止めの機能を持つ

 

ストックの長さは3段階で調整可能。ボディアーマーなどの装備に合わせる程度で、体格に合わせるなど細かな調整には対応しない

 

ストックのロックは、上部に配されたこちらのリリースボタンで解除する

 

マズルジャンプとマズルフラッシュをうまく抑え込む、CZオリジナルの「スパイラル・スリーアーム・フラッシュハイダー」。ガス圧を調整するガスレギュレーターには口径とバレル長が刻印される

 

通常のストックよりコンパクトになるのがメリットだが、金属のアームに頬付けすると、射撃の度に頬骨を通して衝撃が伝わり痛い。どうしても重量がかさむのもデメリットだろう

 

 チェコの中欧という位置関係も手伝ってか、周辺諸国でもBREN 2のAK弾仕様の人気は高い。他社のライバル銃がAK弾仕様をラインアップしてもそれほど成功している話は聞こえてこないから、それだけBREN 2が優秀なのだろう。月刊アームズマガジン2022年2月号ではこの銃の詳細を説明しているので、ぜひそちらもチェックしていただきたい。次回はCZ Meetingに並んだ小銃と共にこのBREN 2を撃ち比べたレポートを公開する。

 

続きはこちら

 

Text & Photos:櫻井朋成(Tomonari SAKURAI)

 

この記事は月刊アームズマガジン2022年2月号 P.218~225をもとに再編集したものです。

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