2021/10/12
【実銃】今アメリカでアツい!! グロック用カスタムバレルの実力
アメリカで売れまくるカスタムバレル
天下のグロックのお膝元、オーストリアに所在するカスタムバレルメーカー「IGB AUSTRIA」。同社はグロック用をはじめさまざまなカスタムバレルを製造しており、アメリカ市場で注目を集めている。今回はIGBを実銃ライターが訪問。そのレポートを公開しよう。
IGB AUSTRIA
銃においてバレルは極めて重要で、多くの銃器メーカーは名の知れたバレルメーカーから供給を受けるか、自社で製造することで高い品質を保っている。だからこそ、バレルメーカーとなればそれなりに名の知れたメーカーになるはずなのだが、IGBというそのメーカー名は(申し訳ないが)まったく聞き覚えがなく、実際に足を運んでその実態を調べてみた。
ここで作られるバレルは銃器メーカー向けではなく、あくまでカスタムバレルとしてエンドユーザーに提供されるものなのだという。言わばエアガンのカスタムバレルに近い存在といえば、本誌読者にも想像しやすいだろうか。
見せていただいた製品の中で面白いアイデアだと感じたのは、グロック用の.22口径コンバージョンキットだ。今回はそれをクローズアップして紹介する。
GLOCK17 Gen4
with IGB .22 CONVERSION KIT
IGBが開発中の.22口径コンバージョンキットが組み込まれたグロック17 Gen4。純正スライドとリコイルスプリングを流用できるのが特徴だ。こちらの試作にはIGB製のスライドとスコープマウントが装着されている。同様の商品はグロック純正でも存在するが、バレルからスライド、リコイルスプリングまですべて交換が必要で手軽さに欠けている。しかし、IGBのコンバージョンキットはバレルとマガジンのみの交換で済み、スライドやリコイルスプリングなどは元のパーツを流用できる。これは改修の手軽さだけでなく、オリジナルのフィーリングに近づけられるというメリットもある。作動面ではガスピストン方式を採用しているのがミソだ。これは.22口径の反動が弱いため、射撃時の反動だけでなくチャンバー内の燃焼ガスで動くピストンを加えることで作動を確実にさせようというものだ。こちらのコンバージョンキットはまだプロトタイプということだったが、なかなか革新的で完成が楽しみだ。
IGBの製品のラインアップはこれだけではない。他にも注目の製品があり、それをレポートすることができた。次回はCZ P-09のカスタムをご紹介しよう。
Text & Photos:櫻井朋成(Tomonari Sakurai)
Special Thanks to
IGB AUSTRIA : http://www.igbaustria.com
GIS Technologies : http://www.gistactical.com
この記事は月刊アームズマガジン2021年10月号 P.150~157より抜粋・再編集したものです。