実銃

2021/09/10

【実銃】王道のスナイパーライフル「レミントン M700」

 

 ボルトアクションライフルのレミントン モデル700(以下M700)はスナイパーライフルの中では有名な部類にあたる。ご存知かもしれないが実はこの銃、日本でも免許を取得できれば民間人が猟銃や競技銃として所持することが可能だ。今回は月刊アームズマガジンのフォトグラファーであり、日本国内で.308win仕様のモデル700Pを所持するシューターの須田壱にそれを解説していただいた。

 


 

 

Remington Model 700P 24inch

  • 口径:.308win(7.62mm×51)
  • 全長:1,100mm
  • バレル長:24インチ(610mm)
  • 重量:4,400g
  • 作動方式:ボルトアクション
  • 装 弾 数:5発
  • ※Model 700Pの本来のバレル長は26インチ(660mm)

 

 狩猟用ライフル所持の条件が整い、さて購入となった時、日本で所持できるもので好みに合うものと考えていくと、国内でも猟銃としては比較的メジャーでパーツも豊富なレミントンM700の一択となった。

 レミントンM700シリーズは猟銃としてだけでなく、警察や軍の狙撃銃として月刊アームズマガジンの読者にもおなじみだろう。米軍や自衛隊で使用されている狙撃銃、M24もM700がベースだ。M700Pは「P=Police」の名称の通り、警察向け狙撃銃として開発されたモデルで、筆者が所持するのは標準的な.308win(7.62mm×51 NATO)仕様。H-Sプレシジョンのシンセティック(樹脂製の)ストックは、木製ストックのように湿度の影響(変形等)がなく、内蔵されたアルミ製べディングブロック(機関部を載せる部分)は精度も剛性も高く、機関部を確実に保持する。

 

本来26インチバレルのバレルクラウン(先端部)はラウンド形状だったが、24インチに短縮化(前2インチ分をカット)した際にガンスミスお薦めのステップクラウン(銃腔部の先端を一段奥まった位置にして、命中精度に悪影響を与える傷付きを防ぐ)に加工してもらった

 

ストック下面前方にバイポッドアダプターがあり、ハリス製のS-BRMを装着している。このタイプは基部が左右にチルト(傾く)するタイプだがフリー状態なので、任意の位置に固定できるKMW LONG RANGE SOLUTIONS製のPod-Loc(後方のロックレバー)を追加している

 

コッキングアクションはボルトハンドルを持ち上げてボルトを引く

 

エジェクションポートにマガジン内部のカートリッジが露出する

 

レシーバー右側面。バレルとレシーバーにはパーカライジング(リン酸塩化成処理)が施されている。表面をよく見ると細かな凹凸があり、ツヤ消しで質感もいい。10年近く使っていて、いまだに錆は浮いてこない

 

 筆者は狩猟に行くとき、これを愛用している。後編ではこの実銃を実射したレポートを公開する。またM700Pの詳しい外観は月刊アームズマガジン9月号に掲載されているのでそちらも併せてご覧いただければ幸いだ。

 

後編はこちら

 

Text & Photos:須田壱(スタジオゼット)

 

この記事は月刊アームズマガジン2021年9月号 P.200~207より抜粋・再編集したものです。

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