2021/04/29
【実銃】LEオフィサー限定!! 海外の銃火器講義をレポート!!
STACCATO 2011シリーズはLEの間で急速に広がりつつあり、現時点で全米280以上のエージェンシーで制式認定を受けている。そこで今回は1911のガンスミスとしても有名なHilton・Yam氏が手がける、STACCATO 2011ユーザー向けのLEオフィサー限定アーマラークラスを取材し、その特徴を探った。
ヒルトン・ヤム アーマラークラス
Hilton・Yam氏は、21年以上もFBIのスペシャルエージェントを勤め上げたベテランで、うち19年間はSWATチームの一員として現場にいた。一昨年リタイアし、現在はCQB& タクティクス・ファイアアームズなどの各種インストラクター、あるいは制式銃、.45ACP口径1911のアーマラー/ガンスミスのスペシャリストとして、全米の関係者にその名を知られている。彼が2006年に立ち上げた“10-8 PERFORMANCE”は、彼が必要に迫られて作り上げた高品質のアイアンサイトやアルミ製のマガジンベースパッドなど、長年培った経験と知識に基づく完成度の高いパーツを供給している。
今回の2日間クラスは、STACCATO 2011を制式認定しているPDのアーマラー(ガンのメンテナンスを担当するオフィサー)向けのもので、生徒全員がSTACCATO 2011をキャリー。中にはトリジコンRMRドットサイトを搭載している生徒もいた。
講義はメインスプリングのメンテナンス、完全分解、トラブルシュートや各部のチューンナップと濃い内容。特にエキストラクターのメンテナンスとチューンに関しては、ベテランのガンスミスならではの貴重なアドバイスが次々に伝授され、生徒から納得のため息が洩れていた。
2日目は、あらゆる事態を想定してレンジで実射。わざとジャムが起きるようにし、発生するファンクションの差にも注目するのだ。例えば、ヒルトンは先端を微妙に削ったり、スプリングテンションをなくしたエキストラクターを用意し、実際に自分のガンに組み込んで実射。エキストラクターの状態によってどんなジャムが起きるのかを経験させてくれたことは、新鮮で有益だった。
「STACCATOは、トレーニングされたシューターならば最高のパフォーマンスを約束してくれる珠玉のツールだ。ただし、それなりのメンテナンスと経験が必要になってくる。エリートチームに制式採用されたのには、それなりの理由があるということだ」
と結んでいた。願わくは、彼のタクティカルトレーニングも受けてみたいところだ。
月刊アームズマガジン2021年6月号ではこの講義についてさらに詳しく掲載されている。参加したLEオフィサーのSTACCATO 2011シリーズも解説しているので、そちらもぜひご覧いただきたい。
Text & Photos:Hiro Soga
この記事は月刊アームズマガジン2021年6月号 P.194~201より抜粋・再編集したものです。