エアガン

2021/05/21

フィクションの銃を作る「デリンジャー和カスタム”染井吉野・河津桜”前編」

 

桜をモチーフにした和風デリンジャー

 

 

 こんにちは、結利晴信ゆうりはるのぶです! 本コーナーでは「ストーリーと世界観を持った空想カスタムを製作してみよう」をコンセプトに、一作品の企画から完成までを前・後編に分けてくわしく解説していきます。
 今回の作品コンセプトは「桜をモチーフにした和風デリンジャー」。原稿執筆時点ではまさに桜が咲き始める直前! 本格的な春の到来を楽しみにしつつ、2挺のマルシン製デリンジャーをベースに“桜”を表現してみましょう!

 

コンセプトを完成イメージ図に

 

 まずはベース銃の画像で「完成イメージ図」を製作します。アイデアを視覚化することで完成像を意識しつつ製作できるので、結果的にクオリティが上がりますよ(`・ω・´)

 

 

 A4用紙にほぼ原寸大でベース銃の側面写真を何枚か印刷し、色ペン、アートナイフ、マスキングテープ、のりなどを用意。※なお結利はふだんこの工程にパソコンの画像編集ソフトを使いますが、本コーナーではわかりやすく&誰でもできるようアナログで作成しています。

 

 

 できた「完成イメージ図」はこちら! カスタムするポイントを忘れないように文章でもメモ書きしておくと、後で見返した時にわかりやすいですよ(´∀`)

 

塗装の準備

 

 いよいよ作品の製作に入ります。まずはベースガンとカスタム素材、スプレー塗料を準備。そして、塗装するためにベースガンを分解し、パーツを洗浄していきます。塗装するパーツは作業しやすいよう持ち手を付け、塗料をかけたくない部分にマスキングを行ないます。

 

今回のベース銃はマルシン「デリンジャー Xカートリッジ シルバーABS」×2。その他の素材は6mm幅シングルサテンリボン「ヤナギ」「コガネイロ」、桜の蒔絵シール×2種(2枚)、5弁フラワー金属製チャーム×4個

 

 

まずはエアガンを分解し、洗浄します。加工・塗装するパーツは油分が残っていると塗装失敗の原因になるので、台所用の中性洗剤でしっかり落とします。グリップのガスタンクは丸洗いできないので、水と洗剤をティッシュに含ませて拭きます

 

黒染め

 

銃口から見えるインナーバレルを目立たなくするため、先端をバーチウッドの「ブラスブラック」で黒染めします。平筆で液を付け→黒く変色してからティッシュで拭き取り、を好みの濃さになるまで繰り返しましょう

 

マスキング

 

フレームの内側やパーツの噛み合わせ部分など、塗料が付着して動作に影響が出そうな部分はセロハンテープ(密着性があり確認しやすい)でマスキングします。ピン穴などは練り消しゴムを詰めておくといいですよ(´ ー`)

 

トリガーやハンマーユニットの入る大きな空間にはティッシュを詰めておきましょう

 

使用塗料

 

 

  • プライマー(下塗り剤)
    • 染めQテクノロジー「ミッチャクロンマルチ」
    • アサヒペン「メタルプライマー」

 

 

  • 塗装剤
    • ガンショップ・インディ「ブラックパーカー」
    • アサヒペン「メッキ調スプレー ゴールド/銅」「クリエイティブカラースプレー ブラウン」
    • タミヤ「ポリカスプレー スパークルピンクアルマイト」
    • ホルツ「カーペイント T-49ペールローズメタリックオパール」
    • GSIクレオス「Mr.カラースプレー クリアーレッド」

 

 

  • コーティング
    • キャロムショット「ジルコニアクリスタル」

 

 

塗装

 

 まずは塗料の密着性を高めるためにプライマー(下塗り剤)を吹き付けます。
厚塗りせず薄く吹くだけの方が効果的です(´ω`)

 

樹脂製パーツにはミッチャクロン マルチ(20分乾燥)を

 

金属製(メッキ)パーツにはメタルプライマー(2時間乾燥)を塗装

 

グリップはクリエイティブカラースプレー ブラウン(冬季/1時間乾燥)で塗装した後、Mr.スーパークリアー つや消し(冬季/1時間乾燥)で仕上げ

 

トリガーやハンマー、ネジ類はメッキ調スプレー(冬季/1時間乾燥)のゴールドと銅で各1セットずつ塗装。スプレー塗装の基本は“薄く/(乾燥してから)何度も/重ね吹き”です(´ω`)

 

銃口内部を黒く仕上げるためブラックパーカー(30分乾燥)を吹き、完全に乾燥したら外側のマスキングを剥がします。銃口やネジ穴には丸めた練り消しゴムを詰めましょう

 

次回につづく!

 

 以上、前編では完成イメージ図作成から塗装の準備、そして塗装作業の前半までを紹介しました。もっと詳しいテクニックは月刊アームズマガジン2021年6月号で紹介されているのでそちらもチェックしてみてください♪

 次回後編では各部の塗装から仕上げまでを詳しく解説します。お楽しみに!(*´ω`)ノシ

 

 

 本作品はYuriCustom WorksのHPでもストーリー設定付きで詳しく紹介しています。よろしければご覧ください。

 

後編に続く

 

作例製作・文:結利晴信/アームズマガジンウェブ編集部

 

この記事は月刊アームズマガジン2021年6月号 P.114~117より抜粋・再編集したものです。

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