エアガン

2021/03/13

フィクションの銃を作る「COLT.44-ヘルファイア・前編」

 

地獄の炎を宿したリボルバー

 

フィクションの銃を作る「COLT.44-ヘルファイア・前編」

 

 こんにちは、結利晴信ゆうりはるのぶです! 本コーナーでは「ストーリーと世界観を持った空想カスタムを製作してみよう」をコンセプトに、一作品の企画から完成までをくわしく解説していきます。
 第5弾の今回は「地獄の炎を宿したリボルバー」をコンセプトに作品を作っていきたいと思います。地獄に置き去られた.44口径リボルバーに業火が宿り、命中した相手を焼き尽くす魔の銃。そんなイメージをカスタムで表現してみたいと思います!

 

コンセプトをまとめた完成イメージ図を作成

 

 いつものようにベース銃の画像をもとに「完成イメージ図」を作成。イラスト化によりアイデアが視覚化され具体的な完成像や目標を意識しつつ製作できるので、結果的に完成品のクオリティが上がりますよ(`・ω・´)。もちろんパソコンの画像編集ソフトで作るのもアリですが、ここではわかりやすく、パステル、カッター、マスキングテープ、のりなどを使ってアナログで作成します。

 

フィクションの銃を作る「COLT.44-ヘルファイア・前編」
ほぼ原寸大でベース銃のマルシン「コルト・アナコンダ Xカートリッジ 8インチ ブラック」の側面写真を印刷したものを用意

 

フィクションの銃を作る「COLT.44-ヘルファイア・前編」
パステルで着色したいバレル部分は白黒反転コピーしたものを使って、パステルを粉状に削ったものを指で塗り拡げていきます。黄色→オレンジ→黒のグラデーションで熱された鉄が光るのをイメージ

 

フィクションの銃を作る「COLT.44-ヘルファイア・前編」
フレームやカートも同様に灼熱をイメージしてカラーリングしましょう。必要に応じて色鉛筆で強調してみました

 

フィクションの銃を作る「COLT.44-ヘルファイア・前編」
グリップには亀裂のような模様を黄色のUNIポスカペン(極細)で描きました。魔の要素に浸食されつつあるイメージです

 

フィクションの銃を作る「COLT.44-ヘルファイア・前編」
そして出来上がった完成イメージ図がこちら。ポイントを忘れないようにメモ書きしておくと、後で見返した時にわかりやすいですよ(´∀`)

 

サイドプレートとグリップの加工

 

 ベースとなる銃を用意したら、分解・洗浄を行ないます。その後はまず完成イメージに従い、各部に模様を入れていきます。

 

フィクションの銃を作る「COLT.44-ヘルファイア・前編」
こちらが用意したベース銃のマルシン「コルト・アナコンダ Xカートリッジ 8インチ ブラック」。今回は塗装がメインなので他の素材は使いません! その分塗料はたくさん種類を使う予定です

 

フィクションの銃を作る「COLT.44-ヘルファイア・前編」
塗装に失敗しないために、洗剤を使って丁寧にパーツ洗浄を行ないましょう。油分を落としたらそのあと完全に乾燥させます

 

フィクションの銃を作る「COLT.44-ヘルファイア・前編」
今回はサイドプレートとグリップの模様を彫りで表現します。まずは完成イメージ図に描いたとおり、ローマ数字と亀裂模様をそれぞれ白いポスカペンで下描きしましょう

 

フィクションの銃を作る「COLT.44-ヘルファイア・前編」
下描きした部分を彫ります。ここはGSIクレオスの「ラインチゼル」(今回は1mmの刃)を使用

 

フィクションの銃を作る「COLT.44-ヘルファイア・前編」
今回は直線的な彫りがメインなので、下描きラインに金属定規をあて、それに沿ってラインチゼルで引っ掻くように彫っていきます。何度も繰り返すことで深く彫れます

 

フィクションの銃を作る「COLT.44-ヘルファイア・前編」
彫った部分に黄色とオレンジのポスカペンで色を入れます。「線を引く」とか「塗る」のではなく、「点を置く」ような感覚で彫った溝内部にインクの色を置いていきましょう

 

真鍮部品の黒染め

 

 インナーバレル先端パーツと金属カートの薬莢部分を黒く着色するため、金属表面に酸化被膜を形成する「黒染め」をします。

 

フィクションの銃を作る「COLT.44-ヘルファイア・前編」
用意するのはバーチウッドの黒染め液「ブラスブラック」、小さめの平筆、ティッシュ。カートはパッキンを外した状態で弾頭部分をテープでマスキングし、インナーバレルのパーツとともに竹串や割り箸を挿して持ち手にします

 

フィクションの銃を作る「COLT.44-ヘルファイア・前編」
黒染め液に筆をひたし、余分な液を落としてから染めたい部分に塗布。最初は液を弾かれたりしますが、黒く変色して馴染むまでなるべく均一に塗りましょう

 

フィクションの銃を作る「COLT.44-ヘルファイア・前編」
表面がまだ濡れている間に軽くティッシュで液を拭います。そのままティッシュのきれいな面で拭くと黒い金属色に変化するので、好みの濃さになるまで液付け→拭き取りを繰り返します

 

次回につづく!

 

 以上、前半ではコンセプトと完成イメージ図作成から溝彫り加工までを紹介しました。次回後半では塗装から作品完成までを詳しく解説します。お楽しみに! (*´ω`)ノシ

 

フィクションの銃を作る「COLT.44-ヘルファイア・前編」

 

 本作品はYuri CustomWorks のHPでもストーリー設定付きで詳しく紹介しています。よろしければご覧ください。

 

後編に続く

 

作例製作・文:結利晴信/アームズマガジンウェブ編集部

 

この記事は月刊アームズマガジン2021年4月号 P.112~115より抜粋・再編集したものです。

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