2020/12/05
フィクションの銃を作る「V10和カスタム 紅紫・後編」
“究極の和装美術拳銃”に挑戦
こんにちは、結利晴信です! 今回は前編に引き続き、東京マルイのガスブローバック 「V10 ウルトラコンパクト」をベースとし、外装を極めた和風カスタム「V10和カスタム 紅紫」のグリップやスライドなど、各部の仕上げ工程をご紹介していきます。もし興味があれば、ぜひ前編も参考にしつつ、製作にチャレンジしてみてください(´ω`)b。
和風グリップを作る
ここでは本カスタムの要である日本刀の柄拵えを模した、和風グリップを作っていきます。まずはベースのグリップパネルをスクラッチしていきます(`・ω・´)。
A4クリアファイルから切り出した透明型紙をアクリサンデーのフォーレックス(低発泡塩ビ板/黒/3mm厚)へ両面テープで固定し、フチをケガキ針などでなぞって左右それぞれ2枚ずつトレースします。ネジ穴位置も忘れずに!
切り出したフォーレックスを左右それぞれ2枚ずつ瞬間接着剤で接着して6mm厚にします。加工しやすい3mmで切り出してから重ねることで、無理なく厚みを作ることができるのです
グリップスクリューの穴を開けたらグリップの曲面を出していきます。カッターで大まかに荒削りしたら、ブロックやすり#240から#400と順に研磨して滑らかにしていきます
底部から見て、こんな風にフレームとグリップパネルが滑らかに繋がるような曲面に仕上がれば理想的です
今回はグリップ表面にへこみ(ディンプル)をつけます。加工した割り箸やカッターの柄の先など、先端が丸くなっている棒状のものを大小4種類くらい使って、半球形の押し跡を満遍なくつけていきましょう
半球の大きさをランダムにバランスも考えながら、かなり気長にやる覚悟が必要です(;´Д`)
「ガンショップ・インディ ブラックパーカー」で塗装してしっかり乾燥させたら、へこみのすべてに「三菱鉛筆 ポスカ 極細(ホワイト)」で色を入れます。これもかなり根気のいる作業です…
続いてグリップパネルにリボンを貼り、日本刀の柄拵え風に仕上げていきます。まずグリップパネルの左右端に幅5mm程の両面テープを貼ります
「端を固定→途中で折る→裏返して端を固定」を2回重ねて繰り返していきます。固定が心もとない部分は適宜両面テープを追加し、しっかり固定させましょう
フレームのグリップ前面にも両面テープを貼り、中段以降は左右のグリップパネルを繋ぐようにして長いリボンを巻いて貼っていくと柄(つか)らしさが出ます。一番下の端はリボンを二重貼りにして見た目をきれいに仕上げましょう
目抜き飾りとして使う扇形の金属チャームは手芸用品ショップで購入。上下の余計な接続穴は切り取ってヤスリで仕上げます。グリップにはゼリー状接着剤「セメダイン スーパーX」などで接着
スライドに“金蒔絵”を貼る
スライド側面に「青砥屋 ほつま高蒔絵シール」を貼り、金蒔絵のような雰囲気を出してみましょう。
スライド側面にクリアファイルで作った透明型紙を乗せて(※表面の塗膜が剥げてしまうので両面テープは使わない!)、正確なアウトラインをケガきます
作成した透明型紙をシールに乗せてペンで写します。透明ゆえにスライドのどのあたりに模様がくるのかわかりますので、慎重に位置決めしていきましょう
使う模様の部分だけシールをしっかりカットし、接着面のシートを剥がしてスライドに乗せ、位置がずれないように慎重に貼ります
貼ったシールの模様部分を硬いヘラ状のものや割り箸で強く擦りながら圧着し、最後に表面の保護シートをゆっくりと剥がします。剥がれそうな部分があれば再度強く押して貼り付けましょう
完成!
各パーツの仕上げが終わったら、あとは組み立てて「V10和カスタム 紅紫」完成です。形自体はシンプルですが、色味の鮮やかさとどこか古雅な香りも感じられる「外装を極めた和風カスタム」に仕上げられました。
フロントサイトにはホワイトドットの代わりに金ビーズをあしらっています
3ホールトリガー、ハンマーに加え、スライド後部に見えているエキストラクターの後端もゴールドに塗装してアクセントに。随所にゴールドを配することで金蒔絵が浮きすぎず、全体的に調和させています
ちなみに本作品はYuri CustomWorksのHPでもストーリー設定付きで詳しく紹介しています。よろしければご覧ください。
作例製作・文:結利晴信/アームズマガジンウェブ編集部
この記事は月刊アームズマガジン2021年1月号 P.88~91より抜粋・再編集したものです。