エアガン

2021/01/05

フィクションの銃を作る「FTFZ・前編」

 

“対ゾンビ最終処置用カスタム~Final Treatment for Zombie~”

 

 こんにちは、結利晴信ゆうりはるのぶです! 本コーナーでは 「ストーリーと世界観を持った空想カスタムを製作してみよう」をコンセプトに、一作品の企画から完成までを解説していきます。
 第4弾の今回は「対ゾンビ最終処置用カスタムハンドガン」をコンセプトに作例を作っていきたいと思います。もはや抗ウイルス薬も効かない末期のゾンビ感染者を、安全確実に「最終処置」するための専用拳銃。そんなイメージを実際に形にしていきます!

 

フィクションの銃を作る「FTFZ 前編」

 

コンセプトを完成イメージ図としてまとめる

 

 まずはベース銃の画像を使い「完成イメージ図」を作成します。アイデアを視覚化し完成像を明確にイメージしながら製作できるので、完成時のクオリティが上がりますよ(`・ω・´)。

 

フィクションの銃を作る「FTFZ 前編」
結利はこの工程に普段PCの画像編集ソフトを使いますが、ここではわかりやすく&誰でもできるようアナログな方法に。A4用紙にほぼ原寸大でベース銃(今回はストライクウォーリア)の側面写真を印刷し、各種色ペン、ハサミ、のりなどを用意

 

フィクションの銃を作る「FTFZ 前編」
緑の部分は白黒反転した本体画像を緑マーカーで塗って切り抜いたものを作りました

 

フィクションの銃を作る「FTFZ 前編」
今回はサプレッサーも使用予定。市販ショートサプレッサー画像を切り抜き、白文字表記を描いてストライクベゼルを貼り付けてます。このサプレッサーは近接するゾンビの頭部に押し当て、噛みつかれないよう安全距離を保つという使い方も想定

 

フィクションの銃を作る「FTFZ 前編」
そうしてできた「完成イメージ図」はこちら! カスタムするポイントを忘れないように文章でもメモ書きしておくと、後で見返した時にわかりやすいですよ(´∀`)

 

材料の準備と各パーツの加工

 

 イメージが固まったら材料を準備し、サプレッサーやスライドなど各パーツを加工していきましょう。

 

フィクションの銃を作る「FTFZ 前編」
ベース銃は東京マルイ製ガスブローバックガン「ストライクウォーリア」

 

用意したパーツ

 

  • 東京マルイのマイクロプロサイト
  • ハイキャパD.O.R用トリガー
  • 海外メーカー製ショートサプレッサー
  • KM企画製M14(逆ネジ/逆ネジ)ジョイントアダプター
  • M14(逆ネジ)マズルプロテクター
  • ケイワークス(Amazon注文)40mm径2mm厚アルミパイプ(5cm長)
  • M3×8mm六角皿小ねじ×2本
  • M3×6mm六角皿小ねじ×4本
  • ミニバイオハザードマークステッカー
  • 警告ステッカー×3枚
  • A4クリアファイル(型紙用)

 

フィクションの銃を作る「FTFZ 前編」
専用サプレッサー(ストライクベゼル)は40mm径×5cmのアルミパイプで製作します。断面に7mm/3mmの印を12個描き、7mmの部分を半丸ヤスリで削っていきました。電動工具(リューター等)があればより手早く削れます!

 

フィクションの銃を作る「FTFZ 前編」
コンペンセイターはまずサプレッサーのスクリューに干渉する銃口周りのピラミッド形状/4マス四方を削り取ります。今回はアクリル棒の先にサンドペーパーを貼ったもので作業

 

フィクションの銃を作る「FTFZ 前編」
コンペの銃口にマズルプロテクターを埋め込むので、直径約12mm→16mmへ拡張します。ステップドリルと面取りカッターを使って慎重に銃口を拡げていきました

 

フィクションの銃を作る「FTFZ 前編」
嵌入するときはサプレッサーにジョイントアダプター+マズルプロテクターを装着し、サプレッサーの刻印がきちんと側面にくるように位置合わせした上でまっすぐ押し込みます。後ろ側から瞬間接着剤で固定すればコンペ部分が完成!

 

 次にスライドを引きやすくするためスライドのフロント側にセレーションを追加するのですが、加工には「チェッカリングツール」という特殊な工具を使用します。三角棒ヤスリなどでも加工できないことはないですがきれいに仕上げるのは恐ろしく難しいので、大人しく専用工具を使うかセレーション追加自体はなしにしてもいいと思います(;´Д`)

 

フィクションの銃を作る「FTFZ 前編」
セレーションをきれいに入れられる「チェッカリングツール」。ただし、専用工具といえどもそれなりにコツが必要で…

 

フィクションの銃を作る「FTFZ 前編」
まずは金属定規をあてて、それに沿って1枚刃のチェッカリングツールで最初の一本を削り入れます

 

フィクションの銃を作る「FTFZ 前編」
続いてそれをガイドに左右の片刃を使って少しずつ隣に溝を追加していきます

 

フィクションの銃を作る「FTFZ 前編」
このセレーション彫りは経験者が慎重にやってもけっこう難しいんですが、これが作業工程でよくあるパターン(私も今回やってしまいました(/ω\)

 

 以上、前半ではコンセプトと完成イメージ図作成からスライド加工までを紹介しました。今回はけっこう難易度の高い加工も多かったので、自信がない部分はとばして自分に合った内容だけで進めてもいいと思います。次回後半ではドットサイトマウントの製作から作品完成までを詳しく解説します。お楽しみに! (*´ω`)ノシ

 

 本作品はYuri CustomWorksのHPでもストーリー設定付きで詳しく紹介しています。よろしければご覧ください。

 

後編に続く

 

作例製作・文:結利晴信/アームズマガジンウェブ編集部

 

 


 

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この記事は月刊アームズマガジン2021年2月号 P.108~111より抜粋・再編集したものです。

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