2021/01/27
第9回:電動ガンハンドガンタイプM93R【再注目! 東京マルイ名銃コレクション】
東京マルイの製品の中から歴史的な1挺を紹介していく「再注目! 東京マルイ名銃コレクション」。第9回目は電動ガンハンドガンタイプ「M93R」だ。なお今企画は動画でも同時公開されている。少し毛色の違ったそちらもぜひご覧いただきたい。
電動ガンのパイオニアである東京マルイが、電動ガンで培った技術を生かして開発した電動ガンハンドガンタイプのグロック18Cが発売されたのは2004年のことだ。ハンドガンタイプの電動ガンは、実は東京マルイが初めてではない。東京マルイが発売する10年前の1994年にマルシンが電動ハンドガンM92Fを世に送り出している。その当時、各社から東京マルイとは異なるメカニズムを持つ電動ガンが続々発売されており、マルシンはハンドガンタイプの電動ガンを発売した。画期的な商品だったにもかかわらず、ヒットするまでには至らず、このM92Fだけで終わってしまった。
それから10年後に発売された東京マルイのグロック18Cはロングセラー商品として今なお他社の追随を許さない。その理由はズバリ、エアガンとしての完成度の高さ、サバゲ―用ウェポンとして理想的なパッケージングだからだ。電動ガンハンドガンタイプの特徴は、ハンドガンサイズのボディにモーターを含めた専用マイクロメカボックスと専用マイクロバッテリーをすべて内蔵していること、セミ・フル切り替え可能であること、スタンダード電動ガン並みの命中精度を実現していること、季節に左右されず安定した弾道が得られることだ。要するにスタンダード電動ガンのメリットを凝縮したのが電動ガンハンドガンタイプなのだ。確かにガスブローバックガンのようなリコイルショックは体感できない。しかし「当たって」「動いて」「壊れない」という個人的に考えるエアガンの3原則を具現化している。
そんな電動ガンハンドガンタイプの第2弾として2005年に登場したのが今回紹介するM93Rだ。実銃のベレッタM93Rは、M92Fの前身であるM92をベースに、セミ・3点射バーストが切り替え可能なマシンピストルとして開発された。外観はM92Fに似ているものの、マズルブレ―キ付きバレル、折り畳みフォアグリップ、ロングマガジン、折り畳みストックが装着できるアタッチメントが付いているなど、特徴的な外観を有している。日本ではMGCのスライド固定式ガスガンを筆頭に各社から製品化されていたが、東京マルイでは初めて製品化された。
東京マルイはM93Rのバリエーションの中でも、左右各3つの縦状のポートが入ったマズルブレーキが付属するファーストバージョンを再現。スライド上面が大きくカットされたスタイルは、ひと目でM92シリーズだとわかる。セレクターレバーとセーフティは実銃と同じく独立して備わっており、発射モードはセミ・3点射バーストではなくセミ・フルとなっている。チェッカーグリップは初期型ではウッドタイプだったが、現行モデルはブラックタイプ。フォアグリップはもちろん折り畳むことが可能だ。ロングマガジンが付属したスタイルだが、実際のマガジンはグロック18C同様の薄型で装弾数は40発。電動ガンハンドガンタイプの中でもっとも装弾数が多い。マイクロメカボックスやバレル下に収納する7.2Vニッケル水素マイクロ500バッテリーは電動ガンハンドガンタイプ共通となっている。
コアなサバゲープレイヤーを中心にじわりじわりと厚い支持を得てきた電動ガンハンドガンタイプ。その中でもM93Rは、大柄なボディともともとフォアグリップが付属しているので、100連射マガジンやスライド一体型マウントレールを活用すればメインウェポン的な使い方ができる。さらにフォアグリップを外してオプションのM93Rアンダーマウントレールに付け替えればウェポンライトなどが装着でき、サバゲーウェポンとしてのポテンシャルは高い。M93Rはリアルなフォルムと実用性を兼ね備えたエアガンとして今後も使われ続けるだろう。
DATA
- 全長:250mm
- 重量:810g(バッテリー、マガジン含む)
- 装弾数:40発
- 価格:¥15,800
- お問い合わせ先:東京マルイ
TEXT:毛野ブースカ