2018/10/09
台湾トイガンメーカー直撃取材!! ~「ICSエアソフト」編~【2018年11月号掲載】
スプリットギアボックスで知られる台湾の古豪トイガンメーカー
G&Gアーマメントと並ぶ台湾の老舗トイガンメーカーであるICSエアソフト。ICSエアソフトと言えば上下分割式の「スプリットギアボックス」が有名だ。2008年に登場して以来、現在でも同社の主軸ギアボックスとなっている。スプリットギアボックス以外にもICSエアソフトの電動ガンはオリジナリティがあり、常にユーザー視点でデザインされているという。同社のフラッグシップモデルCXP-MARSシリーズは、台湾のトイガンメーカーで唯一、日本のグッドデザイン賞に相当する「台湾エクセレンス賞2018」という賞を受賞したモデルとのこと。また、CXP-MARSシリーズにも搭載されているSSS(Self Diagnostic Shooting System=電子制御装置、略してS3)はトリガーレスポンス向上、フルオート/ 3点バースト切り替え、電圧低下警告機能、過放電検知+自動停止機能、自動点検機能、ギアボックス内にユニットを搭載するなど、機能性・安全性を重視したものとなっている。さらに2代目ではプリコッキング機能が追加されている。
外観からはトイガンメーカーであることを感じさせない台中にあるICSエアソフトの本社兼工場
会議室の奥にはICSエアソフトの商品がズラリと陳列されたショールームがあった。マニアにとっては憧れの部屋だ
まるで飛行機の格納庫のような天井が高くて広々とした工場内部では各セクションにわかれてスタッフが組み立て作業に没頭している
ICSエアソフトの特徴であるスプリットギアボックスにギア類を組み込んでいる。一般的なギアボックスに比べて分解・組み立てがしやすい
3階には商品企画・開発のディビジョンがある。ここでICSエアソフトの電動ガンが誕生している
工場内には初速や作動、弾道をチェックするテストルームが設けられている。今回、このテストルームで新製品の試射をさせてもらった
今回対応してくれたアルバート・チョウ氏(写真左)と、日本への留学経験があるトーマス・チャン氏(写真右)
世界中にトイガンをリリースしている同社によると、ヨーロッパはトレンドとコストパフォーマンス重視、日本はクオリティとアフターサービス、北米は14~20歳代が中心なのでローコストで購入しやすいものが人気だという。ちなみに、世界でいちばん売れているモデルはCXPUK1で、日本ではM1ガーランドとMGLだという。
では、ここからは今回の取材で得た新製品の情報を一部ご紹介しよう。
CESA4 RETRACTABLE STOCK SSS ELECTRIC TRIGGER SYSTEM
CESシリーズ初の電子トリガーシステム搭載
MP5をモチーフにしたサブマシンガンCESシリーズにCXPシリーズなどに搭載されている電子トリガーシステムを採用したモデルが登場する。2代目となる電子トリガーシステムはトリガーグループ内にユニットがすべて内蔵され、プリコッキング(あらかじめピストンがコックされた状態から発射される)機能の追加、異常がないかを確かめる自動点検機能が付属する。ICSエアソフトらしいトータルパッケージに優れた電動ガンだ。
トリガーグループ(ロアレシーバー)内に電子トリガーシステムがインストールされている。ポジションセーフ、セミ、3バースト、フルとなっている
バッテリーはレールシステム(ハンドガード)内に収納する
ICSオリジナルの3ポストタイプのフロントサイトとピープタイプのリアサイトのコンビネーション
アームズマガジン2018年11月号では他に、ドイツのヘラアームズとデンマークのASG、ICSエアソフトのトリプルコラボモデル「ヘラアームズCQR」やリボルバーランチャー「MGL」など意欲的な新製品を紹介している。くわしくは本誌で確認していただきたい。
ヘラアームズのフロントグリップとストックのおかげで構えやすく取り回しやすい。ICSエアソフトらしいステディな撃ち応えだ
* 今回取材した一部の商品については、試作品のため日本市場への導入が決まっておりません。また、製品版とは細部で仕様が異なる場合があります。
TEXT:毛野ブースカ
PHOTO:勝田哲平(スタジオゼット)
この記事は2018年11月号 P.36~39より抜粋・再編集したものです。