2019/11/29
SIG AIR「MCX VIRTUS SBR」製品レビュー
速報!SIG SAUERブランド初のエアガンが登場
ここ近年のエアガンのトレンドのひとつとして、実銃メーカーと正式契約を結ぶことでディテールや刻印などを実銃に近づけたオフィシャルライセンスドモデルがある。
実銃により近いものを再現したいエアガンメーカーとしては、商標権の問題もさることながら再現したい銃の情報が得られることのメリットは大きい。一方、ガンメーカーにとっても世界規模のエアガンマーケットは無視できない存在であり、版権ビジネスではないが、そこから得られるロイヤリティはバカにはできない。
そんな中、SIG SAUERは自らのブランド「SIG AIR」を冠して自社製品のエアガンを世に送り出すという快挙に出た。その第1弾が、SIG SAUERのアサルトライフル「MCX VIRTUS SBR」の電動ガンである。
▲SIG SAUER(Laylax) MCX VIRTUS SBR電動ガン
SG552でも採用されていた3プロングタイプのフラッシュハイダー。マズルは14mm逆ネジ仕様
M4カービンやSCARとは異なるMCXらしさが漂うアッパー/ロアレシーバー。コントロールレバー類やトリガーのポジションはM4カービンと共通
ロープロファイルなPDWタイプのリトラクタブルストックは3段階に伸縮可能。バットプレートにもSIGのロゴが誇らしげに入れられている
実銃のMCXについては本誌レポートをご覧いただくとして、VIRTUS(ヴィルテュース)はMCXにおける最新のセカンドジェネレーションモデルであり、SBR(ショート・バレル・ライフル)という名のとおりM4カービンのCQB-Rに相当するショートバレルモデルがチョイスされている。
バレル先端近くまで延ばされたハンドガードには汎用性の高いM-LOKシステムを導入。セレクターレバーやマガジンキャッチはアンビタイプ。ディテールや各部に施された刻印は忠実に再現されており、MCXの雰囲気が存分に味わえる。
バレルを覆うように装着される軽量化が施されたM-LOKハンドガード。ハンドガード基部両側にはQDスリングマウンティングポイントが付属する
アンビタイプのビッグラッチが付いたチャージングハンドルはM4カービンと同じくアッパーレシーバー後部上側に設けられている
側面に滑り止めのテクスチャーが入ったエルゴノミクスデザインのグリップ
マガジンウェルはスムーズに着脱できるように広げられている。トリガーガードはロアレシーバーと一体型
アッパーレシーバー右側にはM4カービン同様フォワードアシストノブが加わっている。マガジンキャッチはトリガーフィンガーで押しやすいように縦長になっている
さらに、実銃のMCXはバレルチェンジシステムの導入、ハンドガードやストックが簡単に交換できることで様々なバリエーションが作れる高いモジュラリティを備えている。エアガンでもその機能が踏襲され、シチュエーションに応じたパーツセッティングが可能になっている。この機能を有しているエアガンは少なく、最大のアピールポイントである。
ストック基部はレシーバー後端とピカティニーレールで結合している。そのため、他のストックへの付け替えが容易に行なえる
ボルトを後退させるとホップアップ調整用ダイヤルが現れる。ボルトはボルトキャッチによって保持され、ボルトキャッチを押すと閉鎖される。ボルト部分には「MULTI-CAL」と刻まれている
レシーバーとロアフレームを結合するピボットピンを押し出すことでハンドガードも外せる。バッテリーはハンドガード内に収納する
今回、サンプルということで実射はできなかったが、手にした時のフィーリングはM4カービンともSCARとも違う、まさMCXそのもの。派手さはないが質実剛健な銃を作るSIG SAUERらしさが漂う。製品版を入手でき次第、あらためて実射テストを行ないたい。
今から3年前に渡米した際に、実銃のMCXを使ってタクティカルトレーニングをした経験のある筆者。操作系はM4カービンと同じなので違和感なく扱えて撃ちやすかった記憶がある。SIG AIRのMCX VIRTUS SBR電動ガンが非常に楽しみだ
エポックメイキングなSIG AIRのMCX VIRTUS SBR電動ガン。SIG SAUERが好きな方(通称シグラー)はもちろん、M4カービンとは違ったアサルトライフルの電動ガンが欲しい方にお薦めだ。
(※写真は試作品です。量産品とは細部が異なる場合があります)
DATA
- 価格:予価¥58,000
- お問い合わせ先:ライラクス
TEXT:毛野ブースカ
この記事は月刊アームズマガジン2020年1月号 P.60~62より抜粋・再編集したものです。