2026/05/10
オールド・モデルガン・アーカイブ:金属オートマチック名銃対決「第1ラウンド FNモデル1910」
モデルガンでも、ライバルがいたおかげで片方がより進化するということがある。今回はそんな例をご紹介しよう。
第1ラウンド
FNモデル1910(ブローニングモデル1910)
MGC ブローニング380(1965年)
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モデルガン初の実寸、実銃どおりの操作を実現!
1962年に初めて登場した純国産モデルガンは、基本的には大人向けだったものの、アメリカなど海外の子供向けトイガンから発展したものだったので、多分に玩具要素の多いものだった。
そんな中、1964年に海外旅行が自由化されると、トップメーカーだったMGCはすぐにアメリカとヨーロッパへ実銃の取材旅行に出かけた。そして作られたのがブローニング380だった。
初めての実寸で、初めての実銃どおりの操作を実現したモデル。ただ、それゆえ過剰なほどの安全対策も取られていた。たとえばバレル形状は実銃と違う形のピン留めで、撃発機構もトリガーを引いた時カートリッジをチャンバーに押し込みながら発火させるというオープンボルトのような形式。
その上でさらに、販売対象は18歳以上で、住民票の提出が必要という条件を付けた。これに多くの販売店が反発、業界はMGCグループと中田商店を中心とした日本高級玩具組合(N.K.G)とに分裂することになってしまった。
それでもMGCのブローニング380は大ヒット。そっくりのコピー商品が作られるほどの人気ぶりで、間違いなくモデルガンの流れを変えた名銃だった。
DATA
主材質:亜鉛合金ダイカスト、ABS樹脂(グリップ)
撃発機構:ストライカー方式オープンボルトタイプ
発火機構:前撃針/ファイアリングブロック
作動方式:手動
カートリッジ:ソリッドタイプ
使用火薬:平玉紙火薬2 〜3粒(初期は輸入キャップ火薬)
全長:153mm
重量:500g
口径:.380
装弾数:7発+1(薬室内)
発売年:1965年
発売当時価格:4,000円、カートリッジ別売り 12発箱入り300円
※表面を白・黄・金色などに着色し、銃口を閉塞していれば所持可。
※販売目的の所持禁止。違反すると一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処せられます。
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。
※このページの写真はすべてPhoto by Keisuke.K
CMC ブローニング380(1973年)
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リアルを追求しブローバックも実現!
MGCがブローニング380で大ヒットをかっ飛ばしてから6年後の1971年、モデルガンが犯罪で使われるケースが目立つようになり、ついにファンもメーカーも恐れていた法規制が行われることになった。すべてのハンドガン型モデルガンは銃口を閉塞して、表面を白または黄色(特例として金も可)にしなければならなくなったのだ。これによりモデルガンの売り上げは一気に落ち込み、業界は大きな打撃を受けることとなった。
N.K.Gグループの1員だったCMCは、MGCがプラスチック製モデルガンへと大きく舵を切っていったのとは対照的に、金属製にこだわる選択をした。パーツ形状までもリアルにしつつ、なおかつオートマチックは規制直前に大きな話題となって盛り上がっていたブローバック化を実現するというものだった。
そして1972年から1973年にかけて、CMCは金属製中型オートマチックを連発する。その1挺がブローニング380だった。MGCが手動式を大ヒットさせた後ではあったが、8年の歳月が経っていた。よりリアルにするための製造技術も進歩していたし、MGCが実現できなかったブローバック化を実現すれば売れるという自信もあったのだろう。
CMCは、割安な手動式のスタンダードと、ちょっと高価なブローバックの2機種を発売した。CMCは発火しないファンが多いといわれたが、売れたのはブローバックモデルだった。実際のところ、不発が多かったものの、発火すれば快調に作動した。それが口コミで広がって、撃つ人も増えたらしい。MGCができなかったことをCMCが実現させたが、法規制の影響だったり、広告などによる訴求の弱さだったり、ファンの多くがMGC製をすでに持っていたりして、MGC製を超えるほどのヒットとはならなかった。そんなところから隠れた名銃と呼ぶ人も多かったのがCMCのブローニング380だった。
DATA
主材質:亜鉛合金ダイキャスト、ABS樹脂(グリップ)
作動方式:スタンダード:手動式
ブローバック:自動式
発火機構:前撃針/ブローバックファイアリングピン
撃発機構:ストライカー
使用火薬:ブローバックは平玉紙火薬3 〜4粒
カートリッジ:
スタンダード=ソリッドタイプ
ブローバック=オープンタイプ(真ちゅう製とアルミ製あり)
作動方式:手動
全長:152mm
重量:570g
口径:9mmショート
装弾数:6発
発売年:1973年
発売当時価格:
スタンダード3,800円、
ブローバック5,000円(各カートリッジ6発付き)
※表面を白・黄・金色などに着色し、銃口を閉塞していれば所持可。
※販売目的の所持禁止。違反すると一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処せられます。
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。
※モデル名やパーツ名などは、基本的にはメーカー表記に準じていますが、メーカー自身の表記にも揺らぎがあるため、本稿ではその時に参考にした資料に従って表記し、あえて統一していません。
TEXT&PHOTO:くろがね ゆう
この記事は月刊アームズマガジン2026年6月号に掲載されたものです。
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